日報の管理を一元化し、
経営戦略や営業活動に活用
現場と管理者間での一体感を作り上げ、
新たな副教材市場の開拓へ

高等学校の国語の副教材を中心に教育出版事業を展開する、株式会社京都書房。同社は、9名の営業員で全国4433校をカバーしている(2020年3月現在)。長期出張が多い営業員や編集担当者との情報共有を実現し、現場の情報を有効活用する方法を模索していた。今後は現場の情報を書籍の企画に生かして、タイムリーな教材の刊行に取り組んでいくことを目指してCRMの導入検討を開始。使いやすさやコスト面などの観点から、2018年9月にクラウド型顧客管理・営業支援システム「Zoho CRM」の導入を決定。営業活動の可視化により、各営業員が自ら行動を管理することができ、効率的かつ攻めの営業が行えるようになったという。一方、管理者はタイムリーな指示や的確なアドバイスができるようになった。同社は物理的な距離を超えて、現場との一体感を醸成し新たな副教材市場の開拓に取り組み続けている。

「Zoho CRMの導入により、日報管理が一元化できました。 出張の多い営業担当者からのフィードバックを教材の品質向上に活かせるようになったのは大きな成果です。」

事例写真:株式会社京都書房 稲葉 氏

株式会社京都書房
代表取締役
金岡 光恵 氏

株式会社京都書房
営業部
稲葉 祐介 氏

「資料集といえば京都書房」全国4433校を9名の営業で担当

―京都書房さまのご紹介をお願いします。

金岡氏:1962年、副読本「解釈と鑑賞 小倉百人一首」の刊行以来、高等学校の国語の副教材を中心とする教育出版事業を行ってきました。半世紀にわたる実績を誇る国語総覧、大判で見やすい国語図説、圧倒的な情報量をコンパクトにまとめた国語総合ガイドなど、今では高校の国語の先生の間で「資料集といえば京都書房」と称されるほど、ゆるぎない信頼と評価をいただいています。そして昨今、センター試験の廃止に伴う大学入学共通テストへの移行、学習指導要領改訂、デジタル教材の普及など、高校教育を取り巻く環境が大きく変化する中、高校の副教材も大きな転換期を迎えています。長年培った信頼と実績をベースに、変化をチャンスに変えるためには、これまで以上に教育現場の声に耳を傾け、先生方の思いにしっかりと応えていくことが必要だと考えています。

事例写真:株式会社京都書房の出版書籍

―書店売りではない副教材は、どのように販売促進を行っていますか?

稲葉氏:営業担当が全国の担当エリアをまわって、見本を配りながら販売促進に取り組んでいます。全国の高等学校数は約6685校、そのうち当社が担当しているのは4433校、各営業員の訪問、見本送付のみも含め4897校を担当しています。多くの学校は年末までに採用を決定し、ご注文いただくのは年明けの2月から3月に集中します。効率的に営業を行うためにエリアを絞り、1人の営業が1日約6校ずつ、1週間で約30校を回っています。

紙や表計算ソフトの日報では、 情報の一元化と活用ができない

―副教材の販促をより強化するためには何が重要ですか?

金岡氏:教育現場が求めていることに耳を傾けて形にすることです。そのためには、現場を熟知する営業から上がってくる情報を、いかに副教材づくりに反映していくかが、カギとなります。従来、営業が長期出張から戻ってきて編集に情報を提供しようとしても、互いに多忙のため、正しく漏れなく情報を伝えるのは困難でした。そこで着目したのが、日報による情報の共有です。現場の声を活かす上で、日報は情報の宝庫です。ところが、2016年当時は日報を紙で管理していたため、情報の一元管理や有効活用ができていませんでした。

―日報が紙からデータへと変わった経緯と、当時の課題についてお聞かせください。

稲葉氏:日報は学校ごとに記入するため、紙の日報では作業が煩雑になりがちでした。一人の営業が複数のエリアを担当するため、繁忙期には長期出張で不在がちになり、日報が数カ月後に提出されるケースもありました。また訪問する学校の情報を確認するために、出張時に分厚いバインダーを持って歩いていました。さらに50音順など、日報の整理の仕方も営業員それぞれで、管理者が見たい情報をすぐに閲覧できる状態ではありませんでした。 2016年9月、情報共有を目的にGoogleが提供するオンライン表計算ソフト「Google スプレッドシート」を導入し、紙からデータでの日報管理へとシフトしました。しかし、時系列で項目に記載していただけなので、前回訪問時のデータを探すだけでも大変でした。先生の名前、採用実績などの関連データが紐づいていなかったため、情報の一元化や活用にはまだほど遠く、日報という情報の宝庫から「価値ある情報」を取り出すことはできませんでした。

情報の戦略的な活用を目的に コストも重視しながらZoho CRM の導入を決断

―情報の一元化と活用を実現するために、CRM導入に至った経緯とポイントについてお聞かせください。

金岡氏:当社の税理士から、Zoho CRM と導入支援パートナーのカイト合同会社(以下カイト)を紹介されたのがきっかけでした。 その後、Zoho CRM の導入支援で豊富な実績を持つZoho 認定パートナーであるカイトに、社員も参加する中でプレゼンテーションをしてもらいました。副教材のビジネスは、環境も考え方も非常にアナログの面があり、当社の規模でCRMを導入する必要があるのかといった声が社内にありました。一方で、若手社員はCRMの導入を強く求めていました。

稲葉氏:当社は、管理者も含めて全員がプレイヤーです。管理者も社内にいないことが多いため、各営業員自身による行動管理が求められます。1人で何百校も担当する中で、自ら行動を管理し効率的かつ効果的な営業を行うためには、情報の活用が不可欠でした。探す手間がかからず、必要な情報をすぐに確認し、行動に移すことができるように、データに基づく行動管理の必要性について経営層に提言もしました。

金岡氏:その後の製品の選定では、クラウド型CRM「SalesForce」やデータベースソフトウェア「FileMaker」など、複数の製品も上がりましたが、Zoho CRMを選択しました。Salesforceはコストの面で折り合いがつきませんでした。また、FileMakerは社内のネットワークがつながる環境でしか閲覧できず、当社の望む機能をカバーしていませんでした。その点Zoho CRM は、スマートフォンアプリを利用していつでもどこでも利用でき、さらに、パフォーマンスに対するユーザあたりの料金体系も当社の要望と合致していました。こうして利便性やコストなどからZoho CRM を選択し、これからの当社を担う若手の育成と情報の戦略的な活用を目指して導入を決断しました。

―Zoho CRM の導入において、導入を支援したカイトの評価についてお聞かせください。

稲葉氏:カイトからプレゼンテーションがあったのは2018年7月で、8月に採用を決定し、同年9月から使い始めました。わずか1カ月で業務設計を成し遂げたカイトの技術力とノウハウを高く評価しています。短期間で対応してくれたことに加えて、当時カイトによる業務設計は質も非常によかったと思います。導入後に当社でも運用や使用方法は改善していきましたが、カイトの業務設計とその時に作成した根幹となるようなワークフローは、今でもそのまま活用できています。

金岡氏:CRMで競争力を向上させる仕組みを、現場が無理なくスムーズに慣れていけるように、CRMの基礎づくりから目標セルフマネジメントや経営強化まで、フェーズごとにカイトから提案やアドバイスを受けて段階的に進めています。ITやCRMに関して全く知識もノウハウもなかったため、わからないことがあるとカイトに何でも相談していましたが、しっかりと応えていただきました。

営業活動の可視化、情報活用を促進  スケジュールの最適化で無駄な出張費を削減

―Zoho CRM の導入により、日々の営業活動はどう変わりましたか?

稲葉氏:日報は、Zoho CRM のアプリを使ってスマートフォンで入力しています。私は、学校を訪問した後、車に戻ってその場で記入しています。日報には、学校ごとに、誰に会い、何を話したか、どの商品を販促し反応はどうだったか、検討状況や先生の好みなども記入しています。また、先生からいただいたご意見はZoho CRM の問い合わせ機能を使って編集に届けています。商談の進捗は「目標設定」「提案中」「見込みあり」「受注」「失注」「競合他社による失注」「見込みなし」の7つステージで管理ています。営業活動のステージが可視化されることで、営業員は次の行動を起こしやすくなりました。また今期の商談ステージをどれだけ各営業員が動かしているのか、ヒートマップを利用することで色の濃さによって一目でわかるため、管理者はタイムリーに適切な指示を出すことができます。さらにZoho CRM のレポート機能により、先生からの見本の請求への対応や、アポイントの電話をした日時やその内容のメモを残すこともできます。

事例画像:商談の管理画面営業活動の商談ステージを可視化し、 営業員は効率的かつ攻めの営業活動を実現。
事例画像:Zoho CRMのホーム画面色の濃さによって各営業員の商談ステージにおける達成度が一目でわかる。 管理者はタイムリーにアドバイスが可能に。

―Zoho CRM の活用の様子と効果についてお聞かせください。

金岡氏:これまでは営業が学校訪問をすると、運動会や文化祭など各学校の行事と重なって、面談できずに帰ることもありました。しかしZoho CRMによって、あらかじめ学校行事の情報を共有しておくことで、ルートの最適化が図れ、効率的な出張計画を立てることができるようになりました。これにより、出張に関わる経費など年間100万円ほどのコスト削減を実現できています。

稲葉氏: チームコラボレーションソフト「Zoho Connect」を使って解説動画の作成や、チラシ制作などのプロジェクトごとのタスク管理を行っています。さらにコミュニケーションツール「Zoho Cliq」により、「各営業員の日報に管理職からのコメントが書かれた場合」「営業員が現場の先生からいただいた意見や要望をCRMの問い合わせに記入し、それに対して編集員から返信があった場合」に各担当者へ通知されるように設定しています。

経営や営業に役立つ情報を視覚的に表示、
現場との一体感を醸成し、全社一丸で市場開拓へ

―今後、Zoho CRM を利用し営業強化に向けて取り組みたいことはありますか?

稲葉氏:現在、Webサイトに公開されている情報を利用し、都立高校が採用している副教材のシェア率や進学実績などをグラフ化し、営業活動に役立てています。今後、Zoho CRM を使って経営戦略や営業戦略に役立てるためのさらなる情報の可視化を進めていきたいと考えています。また、「新刊の売上アップによるインセンティブの獲得」を目的としたプロジェクトを社内で共有するため「キャンペーン」を使用しています。これによって、営業員のモチベーションを高めていきたいと思っています。一般的な企業と比べ、教員から名刺やメールアドレスを入手しにくいという前提があります。その中で、獲得できた教員の連絡先情報をZoho CRM に管理し、DMなどによって営業活動の経費削減・効率化につなげていくことを検討しています。

事例写真:株式会社京都書房 稲葉 氏

―今後の経営課題を解決する上で、Zoho CRM をどう活かしていきますか?

金岡氏:意見交換を行うフォーラム機能を使って、今、重視すべきテーマである、大学入試共通テストに関する情報を共有するグループをつくりました。トレンドを追うために、また新しい副教材の市場を切り拓くために、Zoho CRM の情報をマーケティングに活用していくことは、今後の重要なテーマです。また営業力強化の観点から、Zoho CRM を使って面談率など営業のKPIを追跡する取り組みも始めています。 これまで営業が長期出張で社外に出てしまうため、現場との一体感の醸成は当社の大きな課題でした。Zoho CRM の導入により現場と一緒に動く環境を整備でき、全社一丸となって新たな挑戦ができる環境をつくることができたのは、大きな成果であると感じています。

株式会社京都書房

  • ビジネス:B to B
  • 業種: 出版
  • 従業員数: 21名
  • 所在地:〒612-8438 京都市伏見区深草フチ町5
  • 創業: 1962年(昭和37年)8月
  • 事業内容: 高等学校及び中学校向け国語教科用図書の出版と販売、
    高等学校国語科検定教科書の出版と販売
  • URL: https://www.kyo-sho.com/

導入支援パートナーについて

カイト合同会社(KITE, LLC)

Zoho CRM を中心としたクラウドテクノロジーの活用を通じ、クライアント各社のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
提供サービスは全て「生産性向上のための仕組みづくり」を主眼として設計されており、2014年の創業以来、延べ100社以上の企業様にご利用いただいております。

  • 本社所在地: 東京都千代田区一番町13−2 2F
  • 設立: 2014年
  • 従業員数: 5名(契約社員含む)
  • 業種: コンサルティング
  • パートナー認定: プレミアムパートナー
  • ビデオ会議対応:
  • 対応地域: 全国
  • 対応サービス: 全サービス
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