創業100年の老舗デザイン商社、営業の見える化で顧客満足度を向上 リアルタイムの顧客情報が若い人材の考える力を育て、ボトムアップの組織に

お話を伺った方

・ソリューションサービス部(営業部)ゼネラルマネージャー 人見周作様(中)
・インサイドビジネス部 ゼネラルマネージャー 青柳仁様(右)
・業務部 ゼネラルマネージャー 湊谷寿様(左)

まず、御社の企業紹介をお願いします。

当社の社名“Too”には「ピリオドの前にあるものを越え常に挑戦する」という意味が込められています。まもなく創業100年を迎える私どもは、大きく変化を続ける世界で常に次の時代を見据えて進んでまいりました。表現とコミュニケーションは、いつの時代でも常に最先端の技術とアイデアに牽引されています。Tooは表現したい人をサポートし、デザインの新しい価値の創造につとめ、デザイン文化貢献企業を目指しています。

Zoho CRM導入前はどのような課題がありましたか?

最初に導入したのは私が27名の営業部門の部門長だった2014年7月でした。

その頃の課題は、営業活動入力(日報)が各部門によってやり方が違う、また実施できていない、顧客DBが本社、支社、支店での個別運用で共通基盤となっていない、お客様の業種や規模などの情報がストックできておらず、分析や集計も望むようにはできていないなどの課題がありました。また、多く開催している各種イベントのリード情報が社内に散乱し、イベントフォロー活動が徹底できていない状況もありました。 

Zoho CRMを導入したきっかけは?

導入するツールは「外回り営業が多いためモバイルからでもアクセスできること」「自分たちで簡単にカスタマイズできる拡張性があること」「導入しやすい価格」「セキュリティ面の安全性」がありました。解決するツールを個人的に探し、当初は他社ツールを社内に提案しましたが、価格や導入にかける人員等の規模が大きく「それだけの費用をかけるだけの勝算があるか」という意見がありました。そのとき、社内に個人的に「Zoho」を利用していた人がいたことがきっかけで「Zoho CRM」を知りました。価格、設定作業など、部門単位でスモールスタートができる導入のしやすさ、そして必要な機能があることが決め手でした。

Zoho CRMの価格、設定作業など、部門単位でスモールスタートができる導入のしやすさ、そして必要な機能があることが決め手でした。

導入からどのくらいの期間で部内に浸透しましたか?

当社の社員はOA機器、ネットワーク機器、クラウドサービス等を販売していますのでITへの馴染みはありますが、創業100年を超える企業ということもあり、昔ながらの営業体質でもありました。社外での営業活動を重視し、情報を社内にストックする習慣はなく“個人商店”的な面もあったため根付くには時間はかかりました。元々、顧客情報の管理や売上管理は事業部で使っていたツールがあり、営業先から戻ってきてから入力していましたが、それも100%できているとは言えない状況でした。 導入にあたり、部内での反対意見はありませんでしたが、進めていく際には入力できる人、できない人の差はあり、当初は2~3日で続かなくなるなど、8割の社員は入力できていなかったと思います。

その後、1年半は試行錯誤しながら部での導入を推進する中で、全社的なプロジェクトとして格上げし、青柳、湊谷もプロジェクトに加わりました。導入成功のためには、このタイミングで全社をまきこむ必要があると感じたからです。プロジェクトが大きくなったことで、導入を進めながら更新をしていくことができ、社内への浸透速度が速くなっていました。以前のように「ある程度形にしてから」と1人で推進を続けていたら今のようには進んでいなかったと感じています。 全社での導入前に「Zoho CRM」で、どのような効果がでているかは随時報告していたので、全社的にも「社内で取り組むべきだ」という声が上がってきていました。また、部門長が集まる会議で出るほとんどの課題が「Zoho CRM」で解決できるものということもわかっていました。

全社導入にあたり、工夫したことはありますか?

現在は社内の販売推進・マーケティングに関わる200名以上のメンバーで利用していますが、全社浸透には約1年かかりました。最初の導入勉強会では良いも悪いも反応がない少ない状態でしたが、3人で拠点を周り、社員に説明をしました。導入前「自分たちでフォームを作って管理している」という声もありましたが、実際に現場に聞くと数年触っていないという状況もありました。反発より「面倒くさい、やらされている、仕事が増える」という雰囲気でした。 まずは、社員のメリットが分からなければ浸透しないと感じ、スマートフォンで入力できることで今までのように会社に戻って日報を作成していた運用より楽になるということを伝えながら進めました。社員のメリットが浸透し、社員に使いたいと思ったてもらうことが転換期になりました。

全社プロジェクト開始後の新たな課題はありましたか?

CRMの機能は、営業のタスクが明確であれば設計も簡単にできます。しかし、導入してまず分かったことは、部門ごとでタスクの立て方が異なることでした。営業部門は地域も含め10チームあり、規模も主力商品も違います。現場それぞれの仕様に合わせると進まないと感じました。 その課題の中で「Zoho CRM」は、立てつけが簡単で、「まずやってみる」と試すことができる、違うと思ったらどんどん変えられることですばやく進めていくことができました。現場のやりたいことをまず形にして、違うなと思うことを拾っていく。進める中で見えてきた共通項を抽出し、反映する。スモールスタートで導入しながら改善できたことが大きかったと思います。結果、「Zoho CRM」の導入を通じて営業タスクの整理ができました。 全社プロジェクトになったことにより、他の活動とセットで進めることができることも導入成功の理由だったと思います。 

全社でのZoho CRM導入で感じた効果はありますか?

(お客様への効果)

まず、「営業活動の見える化」、「お客様の情報の見える化」ができるようになり、お客様との関係強化につながっていると感じています。 当社には2万社のお客様に継続してお取引いただいています。商材の幅が広く、コンピュータ、OA/プリンタ、ネットワーク機器、ソフトウェア、クラウドサービスなど商材別に管理していますが、お客様ごとにどんな商品・サービスを提供できているか、より視覚化することができました。営業社員がお客様にご提案できていない領域を把握できるようになり、より良いご提案ができる活動に結び付けることができるようになりました。お客様に対して最適なタイミングに幅広いご提案ができることで顧客満足度向上に努めています。また、営業担当が変わることもありますが、その際の情報伝達に漏れがなく、引き継げるようになりました。 新規のお客様に関しても、今まではイベントごとにリストをバラバラに保管してあり、継続的な活動もできていませんでしたが、「Zoho CRM」導入後はフォロー進捗が見えるようになったことは大きな変化です。

(社員への効果)

また、社内のセールスコンテストと「Zoho CRM」の活用をリンクさせた取り組みを行いました。販促は売上が重視されます。結果として売上や販売台数が重要ですが、「Zoho CRM」の導入でどれだけのお客様にご提案できたかという活動も評価の指標にしました。結果、お客様への積極的なご提案の数だけでなく、「Zoho CRM」の入力をすることで周囲に自分の活動を宣言でき、成功事例、失敗事例などのメモも他のメンバーと共有できるようになりました。リアルタイムに項目ごとのグラフで誰がどのような活動をしているか、各社員のストロングポイントも明確になり、今までは、商材でしか評価できていなかったところを顧客目線で評価できるようになりました。この社内セールスコンテストで過程も評価されることが浸透し社員の活用も大きく進んでいます。 グラフで見えることは意外な効果もありました。当社では数十年前に営業番付表を作る文化があり、ITを毛嫌いしがちなベテランの社員が番付表を「昔やっていた」と乗ってくれました。 本来は基幹システム側から自動的に抽出される資料を見て把握できれば良いということもあるかもしれませんが、当社はその仕組みがなかったことが幸いして、営業が主体的に入力するようにできたことがプラスになりました。社員が入力せず、販売実績だけが表示されるのでは、このような効果は出なかったと思います。

現在では、ベテラン、トップセールス社員の中で自分のルールで管理していた人が「このような機能はないか?」など提案をしてくれるようになり、トップセールスの管理ノウハウも取り込み始めています。また、マネジメント層でない若い社員が「Zoho CRM」の仕組みを使って仕事を見える化しながら新しいマネジメントの仕方を模索しているなど、ボトムアップが出来てきています。 最近、プロジェクトメンバーと「今の若手は、「Zoho CRM」で見ることのできるような情報を活動のベースにすることが当たり前の感覚になっている。もし当社でまだ情報整備が進んでいなかったら、今のような活躍を後押しできなかったかもしれない」と話したことがありました。 会社として情報整備をすることで若手が活躍する土壌を作れたことが非常に大きな成果です。

(経営層への効果)

経営層からは、統計、営業活動、どのようなお客様がいらっしゃるかなど、見える化が出来ていることで、現場と対話するときに、リアルタイムのデータを見ながら次は何をするかなどの話ができることを高く評価しているという声を聞いています。 昔は情報を書きだし、エクセルに取り込み、グラフを作るなど集計に時間をかけてやっていましたが、部門長会議で共有する情報は全体的な数字のため、現場で個々の話にするとしたら、また別の資料が必要になっていました。業種、規模に合わせて、今後の戦略を立てられるようになってきたのは「Zoho CRM」を導入してからと実感しています。

実際に新規顧客開拓120%増、日報入力のための残業を削減したことから約5%の営業活動効率化を達成しています。

今後の課題は?

嬉しいことですが、メンバーのリテラシーが非常に高くなってきています。今後、さらに高い要望が出てきたときに、技術的にも戦略的にも今のままでは解決しきれていないと感じています。現在の盛り上がりをどう継続し、さら広げていくかが今後の課題です。

そして当社には多くのお客様にお取引をいただいています。既存のルートでお客様にお会いし、その結果を入力することで数字ができる。新規のお客様を成約いただけるかに活用することはまだ十分でないと感じています。 一方で一般的には新規顧客のために新しいツールを導入しがちですが、当社はいかに既存のお客様のフォローを大切にするかを重要視しているため、そこを最初に取り組めたのは良かったと思っています。

社員に対しては、コンサルティングスキルを営業社員に浸透させたいと思っています。何を話し、どのようなステップを踏むことが良いのか、営業のスキルアップに活用できると実感しています。お客様からご要望を引き出し、「Zoho CRM」で情報をストックし、そのデータを活用することでお客様に良いご提案として還元できるサイクルを作っていきたいです。お客様の規模や使い方などに合わせたご提案など、精度とスピードが上がると思っています。 営業の効率を上げることによって、お客様の声をお伺いする時間も増え、当社の目指す「お客様に寄り添う営業」が実現すると思っています。

株式会社Too

クリエイティブ市場を盛り上げ、お客様が本業に専念できる環境を築くことのできる「デザインのことがわかるジェネラリストへ」

  • 本社所在地:東京都港区虎ノ門3-4-7 虎ノ門36森ビル
  • 代表:代表取締役社長 石井剛太
  • 設立:1970年(創業:1919年)
  • 資本金:100,000千円
  • 従業員数:413名 
  • 事業内容:デザイン・出版・編集・印刷・CG・映像分野における画像処理機器の開発・製造・販売・保守及びシステムインテグレーション、コンピューター用品の販売、OA機器・OA用品の販売、技術サービス及びサポート、デザイン用品及び機器の開発・製造・販売
  • URL:https://www.too.com/

Zoho CRMの活用方法

  • 営業名刺のデータ化
  • リード管理/イベントフォロー活動進捗管理(イベント開催時の集客リストを適時取り込み)
  • 既存顧客DBを取引先に取り込み
  • 営業活動の日報入力
  • 既存顧客の導入製品の見える化
  • 販促活動の進捗管理
  • サブスクリプション管理/アラートメール自動化
  • 導入機器/リース契約管理
  • ダッシュボードやレポートを利用した全社情報共有