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CRM/SFA 導入事例Zoho CRM を中心に営業DXを推進。
商談プロセスと在庫の適切な管理で機会損失を防ぎ、
年間販売台数は業界1位に!

個々の営業担当者が持つスキルや経験に依存していた営業活動を、ITツールを用いて「顧客中心」へと転換し、営業活動の効率化を目指す営業DX。今や多くの企業が採り入れ始めているこの営業DXだが、目に見えた成果につなげられている企業は決して多くない。
理由はさまざまだが、不便でクセがありながらも長年親しんだ旧システムへの愛着や習慣が障壁となり、なかなか新システムへ移行できない、というケースも散見される。
そんな“システム切り替えアレルギー”を克服し、短期間で営業DXを軌道に乗せたのが、今回紹介するワケンビーテック株式会社。京都市を拠点に医療関連製品を製造・販売する同社では長年運用してきた自社開発システムをZoho CRM へとリプレイスし、めざましい成果を挙げつつある。
Zoho CRM を中心としたITツールの有効活用により営業DXを現在進行形で推し進める、ワケンビーテック株式会社 営業本部執行役員本部長・稲葉 明弘氏に話を聞いた。

「Zoho はZoho CRM を中心にまるでパズルを組み合わせていくかのように実現したいことをかたちにできるシステムです」

ワケンビーテック株式会社 営業本部 執行役員本部長
稲葉 明弘氏

― はじめに、ワケンビーテック株式会社について教えてください。

稲葉氏:私たちは、主にライフサイエンス分野に携わる研究者に対して、製品を販売することで研究活動をサポートしている会社です。顧客は大学や企業、国の機関などでさまざまですが、主に研究機関に対して医療機器や研究機器などを販売しています。
コロナ禍で一躍知れ渡ったものに「PCR検査」というものがありますが、私たちはそのPCR検査のための検査機器を販売している…と言うとイメージがつかみやすいでしょうか。具体的には「安全キャビネット」という医療従事者の安全を守るための製品で、おそらくこれが一般の方にとって最も身近な製品かと思います。
私自身は長年、別の外資系企業で営業活動に従事していたのですが、ご縁があってワケンビーテック株式会社へ転職。現在は、営業本部執行役員本部長という営業部門全体を管理する立場で、Zoho CRM の導入にも携わりました。
以前勤めていた外資系企業の場合、「営業は営業だけをやる」というのが基本スタンスで、システム導入に深く関与することはまずないのですが、今回は営業全体を統括するという立場でありながら、システムの導入に深くコミットするという貴重な体験でした。

部署ごとに独自のシステムを運用していたため、一貫した顧客管理が困難に

― Zoho CRM を導入する以前は、自社のシステムを運用していたとのことですが、どのような課題があったのでしょうか。

稲葉氏:私たちの業界というのは、メーカーが直接お客様へ製品を販売するのではなく、「販売代理店がお客様へ製品価格を提示し、メーカーから仕入れた製品をお客様に購入してもらう」という構造になっています。
このような構造の中で、「代理店」と、「メーカー業」では、やることがかなり異なります。ワケンビーテックのグループ会社は元々ディーラー業から始まっている会社なので、商社・メーカー業を行っている私たちにとっては、自社のシステムでは欲しい情報が手に入らないようなシステムでした。
自社のシステムは、ディーラー向けシステムなので「お客様に製品を届ける」という機能は十分なのですが、私たちが見たいものは営業活動の管理であったり、顧客情報の管理、あるいは商談プロセスの管理。しかし、旧システムではそれらの情報が一切見られない状況で、エクセルとシステム両方とにらめっこしながら、1日がかりで在庫と売上を確認する…といったような極めて非効率的なオペレーションを行っていました。
また当時は、社内の部署ごとに独自のシステムを運用してたいので、営業は営業のことしかわからない、サポートチームはサポートチームのことしかわからないという状況。顧客を中心にビジネスを展開する、顧客情報管理という概念さえありませんでした。このような状態でしたので、全社で共通のシステムを導入できれば、顧客情報を中心にあらゆる部署が連携し、最終的に顧客満足度の向上まで見据えたビジネスができるはずだと考えるようになりました。

― そこからZoho CRMを導入するに至った経緯を教えてください。

稲葉氏:2017年7月に当社の別の社員がZOHO のイベントに参加した際、今回導入パートナーとして協力いただいた株式会社データサービスさんと知り合ったのがきっかけです。
そこからいろいろ検討した結果、翌8月にZoho CRM を導入することに決定しました。この「1か月」というスピード決定の背景にあったのが、
Zoho CRM に対する当社の高評価です。 ひとつは導入コスト。他社の製品と比較しても、Zoho CRM は特に初期導入コストが非常に魅力的でした。自社で同様のシステムを構築した場合、おそらく10倍ほどのコストを要したのではないかと思います。
そしてもうひとつの決め手が、クラウド製品ならではの柔軟なカスタマイズ性。これは当社たちに限ったことではありませんが、会社は成長していくに従い当初なかったさまざまな新たなニーズが発生します。その際、柔軟性の高いZoho CRM であれば先々発生しうる未知のニーズにも十分対応できるだろうと考えました。

― 新たなシステムへの切り替えに際して、社内コンセンサスはすぐに得られたのでしょうか。

稲葉氏:反対こそなかったのですが、当時のエクセルと自社システムで時間をかけて対応していた業務が「いかに意味がないことか」という部分の合意形成に苦心しました。私が入社した当時はまだ「在庫=悪」という考えがはびこっていて、「在庫がないから物を売る機会をロストする」というケースが日常茶飯事。だから、現場の営業担当者からは「在庫がないから売れません」と平気で言ってくるわけです。
いやいやそれ違うよ、と。「在庫=悪」ではなく、「販売機会をロストすることが悪」なのであって、だからそれが起きないようにはするには、やはり在庫含めた管理、営業のプロセス、商談のプロセス…そういった管理するシステムが必要でしょう、と。
とはいえ、人は長年染みついた習慣を簡単に変えられません。当社の社員も長年独自のシステムの運用に慣れてしまっていた。ですから、ことあるごとにミーティングを開催し、少しずつ意識を変えていきました。

― 実際にZoho CRM を導入して、どのような効果を得られましたか。

稲葉氏:実務的な部分では、Zoho CRM を導入する前は営業は営業、マーケティングはマーケティング、カスタマーサポートはカスタマーサポート…と、部門ごとに独自に管理していた顧客情報を一元管理できるようになりました。
また、それにより顧客情報を中心に営業、マーケティング、カスタマーサポートといった部門の垣根を越えて一つに。開発からメンテナンスまでを一気通貫でサポートできるようになり、お客様に対しての提供できるサービスの質も改善。顧客満足度も向上できました。
これがマンガみたいな話なんですけど、国内における「安全キャビネット」の売上が年間販売台数1位を獲得できました。
もちろん、コロナ禍という特殊な状況における急激な需要の高まりも追い風になったと思いますが、Zoho CRM が寄与してくれた部分も少なくありません。
たとえば商談プロセスや在庫を一元管理する中で、需要と供給のバランスが取れていない時期もあります。でも、Zoho CRM を導入した現在、私たちは豊富なデータを持っているので、万事先んじて製品を仕入れられる。こういったデータを活用したビジネスを積極的に展開することで、販売機会のロストを減少。競合メーカーが需要と供給追いつかないっていう状態をワケンビーテックは輸入製品で回避できた。こうしたデータを中心に構築した戦略で驚くべき結果につながったと考えています。

チャットボットの有効活用で、些細な問い合わせが商談につながるケースも

― Zoho CRM 以外では、Zoho SalesIQ も活用されているそうですね。

稲葉氏:はい。Zoho CRM から使い始めたところ、マーケティング部門から、「Zoho を使ってこれまでできなかったマーケティング活動を実現したい」という声が挙がってきました。その一つが、Zoho SalesIQ です。
具体的な使い方としては、当社のウェブサイトを訪問したお客様の足跡を追跡して、セールスに繋げていく。あるいはお客様へメルマガなどを定期的に送信することで、例えば「お客様はきちんと開封して読んでくれたのか?」、あるいは「お客様は当社のWebを訪問したのか?」といったことを逐一チェックできる。 こうしたマーケティング活動のモニタリングできますし、「どういうコンテンツを提供すればより読んでもらえるのか?」という情報のブラッシュアップにも繋がります。 まだ運用を開始して間もないですが、この先非常に大きな役割を担ってくれると感じています。

― 貴社のウェブサイトを尋ねるとチャットボット「ビーちゃん」が出迎えてくれます。

稲葉氏:もともとはサポートデスクを設けて、電話やウェブフォーム、メールなどによる問い合わせを受け付けていました。しかし、それらのお問い合わせも顧客情報になりえますから、「やっぱり、一元管理していきたいね」と。
それに、電話だけの対応だと私たちのリソースも限られます。その点、チャットボットを組み込むことで、「業務の手が空いてる人が対応する」ということも可能です。このような業務リソースの有効活用という点だけでなく、電話での問い合わせであればスルーしてしまうようなやりとりもチャットであれば記録として残る。これも大きなメリットだと感じています。
この記録をもとに「この件はどう対応しようか?」と社内で話し合い、「この件は営業が対応します」、あるいは「CSで対応をお願いします」といった割り振りが容易にできる。実際、このようなプロセスを経て、営業が対応して商談まで繋がったっていうケースもありました。そのまま「イエスかノー」で答えてたら、多分商談にはつながらなかったと思います。
チャットでの記録を振り返ってみると「このお客様はどうしてこんな質問をしてくるのだろう?」という気づきがあり、それを社内で共有して有効な対応をとる。そうすることで、電話対応にはないメリットが得られるのです。

Zoho CRM に連携することで、これらの情報も逐次同期され、Zoho CRM 上で確認することができ、マーケティング部門やサポート部門と営業部門の連携強化にも役立っております。

(Zoho CRM の画面とチャットボットのスクリーンショット)

― 営業部門では、Zoho Analytics もご活用いただいています。

稲葉氏:会社全体の数字をポンと出すのはもちろん簡単なのですが、当社では図Aのようにファネル管理をしていまして「今月の失注がどれくらいで、販売できるものがどれくらいで、クロージングを迎えている案件がどれくらいか」という情報を、Zoho CRM に蓄積されたデータをもとに可視化しています。
例えば右上のグラフを見れば、「本当はここでクローズしなくちゃいけないのに、10件も残ってるぞ!」ということがひと目でわかります。
また、「特定の営業担当者がいくら売り上げているか?」であったり、「どれだけのアクションをしているか?」なども一目瞭然です。

図A(ダッシュボードのスクリーンショット)

またこちらの図Bはマーケティング部から上がってくるもので、「今、お客様がどんな情報を欲しているか?」がリアルタイムで把握できるようになっています。これを使えば、営業先で最新の進捗状況をお伝えできますし、「今こういうお客様がWebへ訪問してきてくれたから、すぐにアプローチしてくれない?」といったスピード対応も可能です。

図B(Zoho CRM の管理画面のスクリーンショット)

今後は、Zoho を活用してインサイドセールスをさらに強化していきたい

― 画面を見ると複雑な操作をしているように感じますが、導入にあたり操作マニュアルなどは用意されたのでしょうか?

稲葉氏:いいえ、特にマニュアル等は用意していません。
Zoho は直感的に使えるシステムですし、使う人にやる気さえあれば触れていくなかで自然に操作をマスターできるようになっています。
関数がわからなくったって自分で見たいデータを簡単に作れるレポート機能がZoho CRM にあるので、本当にやる気さえあれば、一人でも自分専用のデータが出せる。ですから、利用を促進するためには、マニュアルの有無ではなく「なぜこのシステムが重要なのか?」という部分を訴え続けることが重要なのかなとは思っています。
もちろん、こうしてスムーズに活用できている背景には、Zoho 認定パートナーのデータサービスさんの存在があります。企業は一つのものをやり出せば、また違うことをやりたくなるものです。その新たなニーズに叶えるために、データサービスさんにカスタマイズしてもらう。そうすることで、私たちのニーズに合ったような形に必ずZoho が叶えてくれるんです。

― Zoho CRM を中心に、Zoho ツールを活用した今後の展望をお聞かせください。

稲葉氏:やはり身近なところでは、自分たちの業務効率をさらに向上させることでしょうか。
「いかにアウトサイドセールスとインサイドセールスの両輪を回すか?」という点が重要かということは、現場の人間は皆理解しています。
ですから、「これからアウトサイドセールスをもっと鍛えよう!」いうよりも、インサイドセールスを強化しつつ、そこで得た情報を確実にセールスがクロージングしていくという方向に行った方がこれからの時代はいいのかなと私自身は感じています。

― 最後に、Zoho CRMの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

稲葉氏:Zoho はZoho CRM を中心に、あたかもパズルを1ピースずつ組み合わせていくかのように、企業が実現したいことが実現できるシステムだと感じています。
ですので「だまされたと思って、とにかく一度Zoho CRM を導入してみてください」というのが私からのメッセージですね。
実現したかったことを一つ実現すると、その先にまた新たな「実現したいこと」が出てくるものです。でも、Zoho があればその先々にあるニーズも実現できる。もうZoho から離れられませんね。Zoho は裏切りません。

ワケンビーテック株式会社

  • 所在地:京都府京都市左京区一乗寺西水干町17番地
  • 業種:医薬品・バイオ
  • 従業員数:54名
  • ビジネス:BtoC、BtoB
  • 事業内容:試薬及び理化学機材の製造販売、精密機器類等の製造並びに販売輸入
  • 設立:1990年3月26日
  • URL :https://www.wakenbtech.co.jp/

導入支援パートナーについて

株式会社データサービス

弊社は1964年設立のIT業界では長い歴史を持ち、2015年12月より、Zoho CRMをはじめとした各サービスの導入支援を提供。他社にはできない開発やカスタマイズを提供しており、評価をいただいております。

  • 本社所在地:〒163−1426 東京都新宿区西新宿3丁目20番2号東京オペラシティタワー26階
  • 設立:1964年8月1日
  • 従業員数: 296名(2022年4月1日現在)
  • 業種:ITサービス
  • パートナー認定: 認定パートナー
  • ビデオ会議対応:
  • 対応地域: 全国
  • 対応サービス: Zoho Analytics, Zoho Campaigns, Zoho Connect, Zoho CRM, Zoho Desk, Zoho Forms, Zoho Invoice, Zoho Meeting, Zoho Projects, Zoho SalesIQ, Zoho Sites, Zoho Survey, Zoho WorkDrive, Zoho CRM Plus, Zoho One
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