CRM/SFA 導入事例エクセルで散在していた顧客情報を
Zoho CRM で一元化。
異なる3つのサービスをまたいだクロスセルを
実現する一方、将来に向けたインサイドセールスにも布石。

企業がどれだけ多くの顧客情報を収集したとしても、売上につながる何らかの施策へ生かす手段を持たなければ、それはただの“名簿”に過ぎない。
顧客情報が「点」だとすれば、それらを集約し、何らかの価値を見出し、新たな施策を生み出すCRMはいわば「線」。つまり、顧客情報は優れたCRMツールと出会うことで、ようやくその真価を発揮するとも言える。

今回紹介する中部電力ミライズコネクト株式会社は、そんなCRMツールの導入により顧客情報が持つ本当の価値を見出した企業のひとつだ。
「見守り」や「子育て支援」、「アルバイトのマッチング」など、多様化する“くらし”にまつわるさまざまなサービスを提供する同社ではそれまでエクセルで管理していた顧客情報を、Zoho CRM へとスイッチ。これにより以前は難しかった異なるサービスを横断するクロスセルを実現する一方、リードに対して非対面の営業活動を行うインサイドセールスへの布石も着々と進めている。
Zoho CRM 導入の背景と、現在の活用方法、今後の展望などについて、Zoho CRM の導入を主導した、同社マーケティング本部システム部・生田佳寛氏に話を聞いた。

「当初、事業開発部で導入したZoho CRM ですが、導入後社内で評判となり、今では3つのプロジェクトでも活用するまでに。初めての人でもすぐに使える操作性が魅力です」

中部電力ミライズコネクト株式会社
マーケティング本部 システム部 課長代理

生田佳寛氏

― はじめに、中部電力ミライズコネクトについて教えてください。

生田氏:中部電力ミライズコネクトは、中部電力グループの販売会社・中部電力ミライズ株式会社と三菱商事株式会社との二社によって2021年に設立されました。
当社では「生涯にわたってお客様によりそう」をコンセプトに掲げ、中部電力ミライズが電力やガスといったエネルギーを提供する中で築いてきた顧客とのつながりや、三菱商事が持つ幅広いネットワークやナレッジに、デジタルを組み合わせることで、お客様の日々のくらしやライフイベントにおけるさまざまなニーズにお応えするサービスを提供することを目指しています。
具体的には、中部電力ミライズの家庭向けWEBサービスを通じ、コストコの惣菜や生鮮食料品をご家庭にお届けするサービス『Kacchao(カッチャオ)』をはじめ、スキマバイトアプリ運営を行っているシェアフル株式会社と連携し、「すぐに働きたい人」と「すぐに働いてほしい企業・店舗」をつなぐアルバイトマッチングサービス『シェアフル』を提供するなど、暮らしに根差したさまざまなサービスを展開しています。
私はその中で、システム部に所属し、今ご紹介したプロジェクトを含む10種ほどの複数プロジェクトを、横断的に業務の支援を行っています。

複数の異なるサービスをクロスセルしていくために、
必然だった、「脱エクセル」とZoho CRM という選択

― 今回、Zoho CRM を導入するにいたった経緯はどのようなものだったのでしょうか。

生田氏:先ほど少し触れた、シェアフル株式会社と連携して提供するアルバイトマッチングサービスを所管する事業開発部から「顧客管理をどのようにしていこうか?」という相談を受けたのがそもそものはじまりです。
事業開発部ではアルバイトマッチングサービス、駐車場のシェアイングサービス、福利厚生サービスという大きく3つのサービスで提供していたのですが、顧客管理はすべてエクセルで行っている状況でした。
3つのサービスについてそれぞれ各マスターファイルがあり、それを更新することで顧客管理を行っていたのですが、少しずつ顧客情報が増えていくにつれファイルが肥大化し、ファイルを開くのにさえ時間がかかるような状況に…。当然、エクセルですから共同編集もできない。
このような状況で各サービスが個別に営業進捗管理用のエクセルを用意してしまい、情報の分散がさらに加速。結果として、アクセスしたい顧客情報がどこにあるのかわからないという状況になっていました。
また、もともと事業開発部では3つのサービスをクロスセルしていきたいというニーズがありましたが、顧客情報が一元管理できてないとなかなかそこが難しい状況でした。さらに、個別のサービスの顧客情報は、担当プロジェクトのメンバーしか分からないという顧客情報の属人化という課題もありました。

― 数あるCRMの中からZoho CRM を選ばれた理由は何ですか。

生田氏:CRMの導入に際しては、はじめに複数のツールの比較検討から始めました。
その中で当社としては主に、「日本国内での取り扱いがあり、日本語のドキュメントとサポートがしっかりしている」、「顧客管理、営業支援に関するソリューションが行える」という2つの点を評価のポイントに置きました。
その後、候補に挙がった複数のCRMツールについて、実際のテスト環境の中で当社がエクセルで管理してた内容を実際に構築。その過程で、設定の柔軟性や操作性を比べていった結果、最も優れていたのがZoho CRM でした。
また、安価にもかかわらず豊富な機能が扱えるという、高いコストパフォーマンスもZoho CRM を選んだ決め手の一つです。

― Zoho CRM の導入プロセスについて教えてください。

生田氏:2021年10月から12月の3か月で導入したのですが、最初の1か月は先ほど申し上げた「どのCRMツールを選ぼうか?」という比較検討に充てました。
その後、2か月目に入ったタイミングでそれまで使っていたエクセルのデータをZoho CRM にインポート。このデータのインポートに際しても、Zoho CRM は非常に使いやすかったため、大きな混乱はなくスムーズに行えました。
そして3か月目にデータの移行と運用開始に際してのマニュアルの整備を行い、2021年の12月末に運用開始した…というのが大まかな流れです。
導入の3か月間は、週次で実際にZoho CRM を運用する事業開発部側とミーティングを重ねながら、どのような機能が必要かといった要件の細かな調整を同時に進めていきました。その甲斐もあってか、3か月という短期間ながら「導入期間中はずっとZoho CRM にかかりっきりということもありませんでした。

Zoho 田畑:今回、私は営業担当者として中部電力ミライズコネクト様がZoho CRM を導入されるご様子を間近で拝見させていただいたのですが、導入のプロセスが非常にスムーズで、「これぞベストプラクティスだ」と常々感じていました。
というのも、新たなシステムを導入するお客様において、システム部門のご担当者が弊社にお問い合わせ、システム検討をリードされるケースが多いです。

その際に、実際にシステムを利用されるユーザー部門との意見のすり合わせが深く行われずに、新たに導入するシステムが現場の課題や期待値と乖離が生じる場面を私たちは目の当たりにしてきました。
ところが、中部電力ミライズコネクト様の場合、生田様を中心としたシステム部門の方が、実際にZoho CRM を活用する事業開発部のみなさまと細やかに意見をすり合わせて要件をまとめていかれた。その結果、実際に使用される人が本当に求めるシステムが短期間で完成されました。このあたりの進め方が中部電力ミライズコネクト様は素晴らしいなと感じていました。

生田様:ありがとうございます。
今回のZoho CRM 導入に関しては、事業開発部の中で「こういうことを実現したい」という要件がかなり明確に固まっていました。
そのため私たちシステム部門としては、その明確なゴールに向かってスケジュールをしっかり組んで進めていくことに注力できました。
導入の初期に関しては、ちょっとした操作方法などヘルプだけでは理解できない部分がでてきたのですが、そんな時、田畑さんに質問するとすぐに教えていただけてとても助かりました。

「Zoho CRM は使いやすい」という評判が社内で広まり、
今では3つのプロジェクトで活用するまでに拡大

― 導入されて1年ほどが経過しましたが、現在の活用状況はいかがでしょうか。

生田氏:当初は、事業開発部が他部門より先行してCRMを導入、利用を開始したのですが「Zoho CRM はすごく操作性がいい」という評判が社内に広まり、高齢者の見守りサービス「テラシテ」のチームや、当社内「分析チーム」などでも導入しています。
分析チームとは当社が提供するさまざまなサービスを通して蓄積していくお客様のデータの分析で得られたノウハウを社外に提供していこうというチームです。

これら3つのプロジェクトで、それぞれ顧客情報管理と商談管理を中心にZoho CRM を活用しています。
Zoho CRM を導入することによって、もともとエクセルで管理していた顧客情報が、一元管理できるようになった。これだけでも、業務の効率化につながっていると感じています。
また、この一元管理によってZoho CRM上で各サービスの進捗状況が確認できるようになったので、当初課題としてあったサービスをまたいだクロスセルに関してもスムーズに行えるようなりました。

― カスタマイズや他サービスとの連携などはされていますか。

生田氏:Zoho のウェブサイト制作ツールのZoho Sites と連携させています。
Zoho CRM で作成したウェブフォームを、Zoho Sites で作成したウェブページに埋め込み、そのウェブページにZoho のメール配信機能を組み込む。この連携により、Zoho CRM に登録している顧客に対して、新サービスのリリース告知などのPRをメールで配信しています。
メールは配信するだけでなく、配信した後にお客様が実際にメールを開封したかなどについても、レポーティング機能を使って定期的にチェックしています。当社ではメールの配信結果をレポートとしてまとめているのですが、その中で配信したお客様の開封状況がレポートで表示されてるので、その情報に基づいて一人ひとりのお客様に対してお電話する…という形です。
これにより、たとえばメールの開封率がわかるだけでも「今後どのお客様へ優先的にアプローチしていけばいいか」といった情報が見えるようになり、結果として業務効率化につながっていると感じています。
実際、問い合わせフォームから流入したお客様に対して、アプローチをかけたところ受注につながったケースもあります。
エクセルで顧客管理をしていたころはまったくできていなかった、このような取り組みが可能になったのもZoho CRM のおかげだと思います。

はじめての人でもすぐに使えるのがZoho CRM の利点。
インサイドセールスの第一歩が踏み出せたという評価も

― Zoho CRM に対する社内での評価はいかがでしょう。

生田氏: 事業開発部では徐々に新入社員が増えてきているのですが、Zoho CRM に初めて触れる彼らでもつまづくことなくすぐに使えており、スムーズな業務遂行ができていると感じています。
ちなみに当社では新入社員に対してもZoho CRM の個別レクチャーや勉強会などは行っておらず、最初の導入時に作成したマニュアルを個別に目を通してもらうだけです。
一方、経営陣からは「Zoho CRM の導入で、インサイドセールスの第一歩が踏み出せた」という評価をもらうなど、高い評価を得ています。

― 現在、Zoho CRM の導入を検討されている方へメッセージをお願いします。

生田氏:Zoho CRM は顧客管理から営業支援まで実にさまざまな機能が備わっています。
でもはじめからそのすべてを使いこなそうとすると、どうしても習得するのに時間がかかってしまうはずです。
ですから、まずは当社のように「脱エクセルによる顧客情報の一元化」というシンプルな部分にフォーカスするような、スモールスタートがいいのではないでしょうか。
そこから日々の業務で活用していく中で、顧客情報を蓄積していき、たとえばメール配信機能など、外部ツールとの連携を含めたZoho が持つ幅広い機能を少しずつ使っていく。そうすることで、着実に社内に浸透していき、自ずと業務効率化が図れると思います。
実際、当社でも今はまだワークフロー機能をあまり活用できていないのですが、今後は少しずつ業務の中で踏み込みながら活用していけたらと考えているところです。

中部電力ミライズコネクト株式会社

  • 所在地:愛知県名古屋市中区栄4丁目5-3 KDX名古屋栄ビル
  • 業種:サービス
  • 社員数:53名(2022年7月現在)
  • ビジネス:BtoB/BtoC
  • 事業内容:日本国内におけるくらし全般のサービス提供に関する事業
  • 設立:2021年
  • URL :https://miraiz-connect.co.jp/

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