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Zoho CRM - 2023年秋のアップデート

公開日:

2023年11月27日

この記事は13分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

Zoho CRM - 2023年秋のアップデート

平素よりZoho CRMに格別のお引き立てを賜りまことにありがとうございます。

当社はお客様の信頼にお応えするため、常にZoho CRMの機能とユーザーエクスペリエンスの向上に取り組んでいます。毎年新たに発生するビジネスの課題に対応していき、また将来の課題にも備えること。そして、セールス、アカウント管理者、貴社のお客様に最良のCRM体験を提供するため、様々な改善と新機能に取り組んでいます。
ここでは、Zoho CRM に追加された新機能や改善点について、以下にご紹介します。

貴社のお客さま向け機能のアップデート

CRMはビジネス環境を快適にするだけでなく、顧客体験を分析も叶えます。強い顧客中心性により、リリースしました。

パスファインダー

昨年、包括的なカスタマージャーニーを構築するCommandCenter 機能のジャーニービルダーをご紹介しましたが、これにパスファインダーが追加されました。

しかし、すべてのカスタマージャーニーが、計画した通りに簡単に進むとは限りません。この問題を解決するために、私たちはCommandCenterにジャーニービルダーを補完する「パスファインダー」のコンポーネントを追加しました。これは、顧客のビジュアルマップを作成することができます。そして、ジャーニービルダーを使って構築した現在のカスタマージャーニーとパスファインダーの結果を比較し、ギャップを特定してプロセスを改善することができます。

スファインダー

ポータルでウィザードが利用可能に

Zoho CRM のポータル機能は、顧客が自分で直接、CRMにアクセスし様々なアクションを実行できるようにセルフサービスを提供します。このポータル機能で、ウィザードが利用できるようになりました。ウィザードは、入力画面を段階的に分けることで入力をわかりやすく、またコントロールします。

SMS通知

ポータルでブループリントが利用可能に

ポータルでブループリントをサポートしました。これにより、ポータルユーザーにブループリント内の特定のトランジションのオーナーシップを与え、顧客やその他の外部利害関係者をマッピングさせ、ビジネスプロセスに積極的にループさせることができます。

Zoho CRM におけるポータルの価格改訂

ポータルのユーザーライセンス価格が1ユーザーあたり月600円に改訂されました。今後すべてのポータルユーザーのライセンス購入にこの新価格が適用されます。すでにご契約済みのユーザーについては、次回の支払いサイクルから新価格が適用されます。

ライセンス数旧価格改定後の価格
1 - 1,000¥1200/ユーザー/月600円/ユーザー/月
(年間契約の場合、500円/ユーザー/月)
1,001 - 10,000¥960円/ユーザー/月
10,001以上¥600円/ユーザー/月

配信停止ページのカスタマイズ

メール配信停止ページを完全にカスタマイズできるようになりました。配信停止ページのコンテンツや、その直後に表示される確認ページもパーソナライズすることができます。

配信停止ページのカスタマイズ

WhatsApp メッセージのテンプレート

ZohoCRM のWhatsApp for Business 連携にWhatsAppメッセージのテンプレート機能を追加しました。様々なテンプレートを設定し、顧客へ迅速な対応や通知が可能になります。

WhatsApp メッセージのテンプレート

SMS通知

Zoho CRM のSMS通知機能を使えば、顧客に重要な取引情報をSMSで送信することができます。自動化機能を利用して、あらかじめ設定したテンプレートに応じて自動でSMS通知が送信されます。

注:この機能は現在、インドのお客様のみご利用いただけます。

SMS通知

営業担当者向け

営業の業務をより快適にする新機能の追加やアップデートが実施されました。

ホーム画面とダッシュボードの強化

ホーム画面は、Zoho CRM にアクセスした際に最初に表示されるページであり、日々営業担当者が確認すべき重要なデータを表示します。今回のアップデートの設定がホーム画面で行えるようになりました。

  • 権限に応じたホーム画面の共有 - 役職に応じたホーム画面の共有に加えて、権限に応じた共有も可能になりました。
権限に応じたホーム画面の共有権限に応じたホーム画面の共有
  • 複数のホーム画面へのアクセス - ユーザーは最大10個のホーム画面を作成することができるようになりました。
複数のホーム画面へのアクセス複数のホーム画面へのアクセス
  • カスタマイズのコピーがダッシュボードに対応 - 一部の制限はありますが、ダッシュボードを 移行元アカウントから移行先アカウントに複製できるようになりました。

ルックアップフィルター

異なるタブのデータ同士を関連付ける際には、ルックアップ項目をクリックします。しかし、これでは大量のデータが表示される場合がありました。そのため、ルックアップ項目が事前に定義された条件(地域、在庫のある商品、有効/無効など)に基づいて、合致するデータのみが表示されるようにカスタマイズできるようになりました。

ルックアップフィルター
権限に応じたホーム画面の共有

割り当てのしきい値

営業担当者への割り当てが法外な量にならないよう、割り当てられるデータ量にしいき値を設定できるようになりました。

  • 割り当て数に制限を設定する - データを割り当てる最大数を設定することができます。
  • 積み残しに上限を設定する - 既存の積み残しが指定された上限内の場合にのみ、新しいデータが担当者に割り当てられるように設定することができます。
  • 自動再配分 - しきい値によって割り当てられないデータが発生した際に、定期的にチーム内で自動的に再配分されるように設定することができます。
割り当てのしきい値

通話タブの音声録音項目

Zoho CRMの通話タブに音声録音の項目が追加され、録音音声のリンクが追加できるようになりました。Zoho CRM のアクセス制限機能を利用して、この項目の閲覧/利用ができるユーザーを制限することもできます。

通話タブの音声録音項目通話タブの音声録音項目

メールマージ機能のアップデート

メールマージ機能とは、Zoho Weiter(文書作成ツール)と連携することで、CRMに登録された情報を引用して文書を自動で作成することができます。この機能は、見積書、注文書、契約書、送り状などに幅広く活用されています。メールマージ機能で、以下のアップデートが実施されました。

  • 在庫タブに対応 - 見積書、請求書、受注書、発注書タブでもメールマージ機能を利用してマージテンプレートを作成できるようになりました。
  • PDFのインポートに対応 - メールマージのテンプレートとしてPDFファイルをインポートできるようになりました。これにより、顧客に配布する際の記載内容を変更させないように制御することができます。
  • 画像ファイルに対応 - CRMに登録された画像ファイルをメールマージで取り込む対象として選択できるようになりました。
メールマージ機能のアップデート

Ziaの対応範囲を拡大

AIの活用が注目される現代では、Zoho CRMも最新のAI機能を搭載しています。今回アップデートされたAI機能の一部を以下にてご紹介します。

  • 割り当て - Ziaは、手動で作成されたデータにも担当者の割り当てを提案するようになりました。
  • スコアリング - Ziaは、様々な要因に基づいて見込み客をスコアリングし、営業チームがアウトリーチやフォローアップの優先順位をつけやすいようにします。
  • 既存データへの提案 - 一度レコメンデーションが実行されると、レコメンデーション設定後に追加されたデータに加え、既存のデータにも表示されるようになります。
  • レコメンデーションのセグメント化 - Ziaは、レコメンデーションをグループ化し、より効果的にアプローチできるよう、共通要素の特定をサポートします。
  • 次回の経験のためのコンテキスト - Ziaは、過去のやりとりに基づいて、次善の行動を、提案された行動を取るべき理由のコンテキストとともに提案します。
  • 連絡に最適な時間帯に失敗したアクティビティ指標 - Ziaは、連絡に最適な時間帯に送信/スケジュールされたアクティビティを分析し、失敗したアクティビティに関する洞察を提供します。
  • 件名の提案 - Eメールの場合、Ziaは読者の興味を引くような、興味深くキャッチーな件名を提案します。
  • ウェブフォームのA/Bテストでの提案 - Zoho CRMのウェブフォームテストでは、低パフォーマンスのウェブフォームに対するA/Bテストの提案、バリアントの提案、動的トラフィック割り当ての提案、テスト期間の延長の提案、信頼度スコアリングなど、AIの活用が可能です。

メモのワークフロー

メモに基づくワークフローを設定できるようになりました。この機能は、メモの追加・編集・削除だけでなく、メモの件名や内容に基づいて、自動化を設定することができます。
例えば、メモに「オンラインデモ」と記載をすると自動的にミーティングのURLを設定したり、「値引き依頼」と記載すると自動的に上長に通知させるなど、さまざまな設定が行えます。

戦略インフルエンサー

戦略インフルエンサー機能は、組織全体の傾向パターンに関する分析を行い、予測目標、異常、目標未達の理由、目標達成のための解決策などの洞察を提供します。

  • 目標達成の貢献要因 - 現在の目標達成に貢献したさまざまな要因を理解します。
目標達成の貢献要因
  • 異常検出 - 達成状況と目標に対する予測の異常を検出し、目標への影響をさまざな期間で特定します。
異常検出
  • ギャップ分析 - 予測値と実際値の差、および差の根本的な理由を決定します。
ギャップ分析
  • 予測 - Zia が特定した選択項目またはルックアップ項目の上位貢献値について、予測された目標値や影響をさまざまな期間で追跡します。
予測
  • 処方箋 - 予測された目標をどのように達成するか、また達成できなかった目標をどのように修正して改善していくかを学習します。
処方箋

予測のパフォーマンス分析

Zoho CRM の予測分析は、目標を設定し、それを達成するために企業全体で取り組むにあたり役立つ機能です。この予測分析に、以下の新機能が追加されました。

  • 業績傾向 - 現状の実績と目標を比較し、また将来的にどのような業績になるかの傾向を確認することができます。
業績傾向
  • 達成比較 - 日次、週次、月次で成果を比較し、成長を確認することができます。
達成比較
  • 予測比較 - 異なる予測期間に渡り、目標・実績・進行中の商談を比較し、業績の推移を確認することもできます。
予測比較
  • ユーザーパフォーマンスページ - ユーザーは、様々な予測指標とパフォーマンスデータの内訳とともに、特定の予測期間における個々のパフォーマンスを追跡する専用ページを持つことができるようになりました。
ユーザーパフォーマンスページ

予測カテゴリーのカスタム

目標に対する「実績の予測」を示すにあたり重要となる要素は、パイプライン中の商談、特に受注前の商談です。これまでは、受注前の商談を以下3つに分類し、システムによる予測計算を実施していました。

  • パイプライン - まだ営業プロセスの道のりが長い案件の場合
  • ベスト案件 - 受注の可能性が最も高い案件
  • コミット - 受注間近の成約待ちの案件

一方で、完了した案件は以下の2つに分類されます。

  • 受注
  • 失注

ビジネスプロセスにおいて、上記のカテゴリのいずれにも該当しない案件があると感じた場合には、2つのカスタムカテゴリを作成するオプションがあります。さらに、これらの各カテゴリーを表す色を変更することもできます(完了した案件を除く)。これらの新しいカテゴリーと更新された色は、予測作成、目標達成レポート、予測実績レポート、ユーザー実績レポートなど、さまざまな場所に反映されます。

受注失注

ショートカットキー

コピー(Ctrl + c)、貼り付け(Ctrl + v)、やり直し(Ctrl + z)などのようなショートカットキーをZoho CRM で利用するように設定できるようになりました。Zoho CRM では、タスクの作成、メールの送信、メモの追加、設定メニューの表示など、さまざまな操作に使用できるカスタムショートカットを、1 つのキーまたは 2 つ以上のキーの組み合わせでショートカットキーを自分で作成できます。

CRM管理者向けの機能アップデート

最後に、CRM管理者向けの最新機能についてご紹介します。

検索と統合、重複排除の強化

データの重複は混乱やミスを招きます。効果的に重複を排除するために、Zoho CRMでは重複排除システムを強化し、以下の機能追加を追加しました。

  • 検索条件のカスタマイズ - データ項目を追加/削除して検索条件をさらに絞り込めるようになりました。
  • 商談・タスタムタブに対応 - 重複排除の機能は、見込み客、連絡先、取引先、仕入先のタブだけでなく、商談タブやすべてのカスタムタブでも利用できるようになりました。

ユーザー項目に権限管理 が追加

Zoho CRMはこれまでも[ユーザー項目]を利用して、関連付けられているユーザーにデータへのアクセスを付与することができましたが、データのオーナー(このデータの担当者)と同じ権限を自動的に付与される仕様でした。今回、アップデートによりユーザー項目でアクセス権限の種類として表示のみ/表示と編集/すべての権限を選択できるようになりました。

ユーザー項目に権限管理 が追加

タブ間共通で利用できる共通選択リスト

共通選択リストを作成して、異なるタブで利用できるようになりました。選択リストの値をタブごとに選択することは手間がかかり、またタブごとに値がずれてしまうことでレポートにも影響するケースがありました。この共通選択リストはそうしたこれまでの課題を解消する便利な機能です。

タブ間共通で利用できる共通選択リスト

カスタムでドメインの関連付け

"https://crm.zoho.com"など当社のサービス名ではなく、貴社のドメインで提供できるようにカスタムドメインを導入しました。カスタムドメインを使用すると、https://(自社のブランドドメイン)上で、当社が提供する製品を介して貴社のお客さまにサービスを提供できるようになります。管理者は、自社で管理するドメインのDNS設定で参照元を追加して認証を行うだけで簡単に設定できます。

タブ間共通で利用できる共通選択リスト

管理ツールをさらに強化

2023年の初めにリリースされた[管理ツール]では、使用していないテンプレート、レポート、カスタムビュー、ワークフローなどの設定を一括削除することができます。
今回、組織の役職・権限、Webフォームを一括で確認・フィルターし、また削除できる機能が追加されました。これによりCRM管理をより円滑にし、使っていない設定に煩わされることを防止します。

管理ツールをさらに強化

サンドボックス(テスト環境)が他Zoho サービスとの連携に対応

複雑であったり、また大規模なZoho CRM の更新を展開する際には、本番アカウントに適用する前に、サンドボックス(テスト環境)でテスト検証を行うことを推奨しています。
今回のアップデートのより、サンドボックスでZoho CRMの他サービス連携をテストできるようになりました。現在は、Zoho Survey と Zoho Social との連携を行えるようになっており、他サービスとの連携にも順次対応していきます。

最後までZoho CRM の新機能をご確認いただき、
誠にありがとうございます。

新しいCRMの機能に関する情報はこれで終了です。これらの機能をご活用いただき、どのように改善できるかについて率直なフィードバックをお寄せいただければ幸いです。

さらに多くのエキサイティングな機能とアップデートを進めていますが、それはまだ先の話です。今は、これらの新しい機能を徹底的にテストし、実装していただき、改善の余地があると感じる場合はどうぞお知らせください。次のアップデートでお会いしましょう。

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