失注分析とは?
失注分析すべき理由と効果的な分析方法を解説

公開日:

2022年9月30日

この記事は21分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

失注分析とは?分析すべき理由と効果的な分析方法を解説 | Zoho CRM ブログ

営業活動を行うにあたっては、受注数や受注率に注目しがちです。しかし、営業の成果を高めるためには受注につながった数だけではなく、「失注」した数についても注目しなければなりません。

特に、商談などで自社の商品やサービスを購入してもらえないと悩んでいる企業にとって失注の要因を分析することは大切です。しっかりと分析をすることで今後の営業活動にもプラスに働くので、あまり意識していなかった場合は失注分析について取り組んでみてください。

この記事では、失注分析をすべき理由や効果、具体的な分析方法を紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

失注とは

ビジネスにおける失注とは、簡単に説明すると「受注に失敗すること」です。具体例をあげると、お客様に対して自社の商品のプレゼンをしたにもかかわらず、受注に至らなかったもしくは受注された取引がキャンセルとなったケースも含まれます。

失注が続くと会社としての売上が伸び悩むだけではなく、営業担当者が費やした時間や労力も無駄となり、モチベーションの低下にもつながってしまうのです。

会社としての対応は問題をそのまま放置するのではなく、なぜ失注となるのかその原因を解明することが大切でしょう。これらの対策を「失注分析」と言い、今後の営業活動に活かすためにも大切な対応です。

失注と逸注の違い

失注のほかには逸注(いっちゅう)という言葉があります。失注は商談などで提案した商品やサービスが成約に至らなかったケースや、受注がキャンセルになったことを指します。

逸注についても基本的には同じ意味となり、顧客からの受注を取り逃がすことを表す用語として使われています。

逸注のことを失注と呼ぶこともあるので、特に大きな違いはありません。

よくある失注の要因

失注の要因としてあげられる例はいくつもあります。ここでは代表的な例を5つあげていますので、失注防止のためにも当てはまっていないか確認してみてください。

リード育成が不十分

リード育成(リードナーチャリング)は、見込み顧客の購入意欲を高め、受注につなげていくためのマーケティング方法のことです。

リード育成の部分が不十分であると、顧客は購入意欲が薄まってしまい「やっぱり必要ないかな」と契約にいたらないケースが増えます。

見込み顧客を獲得することができたら必ず顧客の熱量をしっかりと見極め、タイミングを見計らって顧客に必要な情報をスムーズに提供しなければなりません。そうすることで顧客との信頼関係を構築することができ、購入意欲も高まる可能性がアップします。

リード育成をしないことは顧客を長期間放置するのと同じなので、長く続くと他社と契約されてしまうなど失注の要因の一つとなります。

スケジュールや価格の説明が不十分

営業担当者個人の問題が主な要因となって引き起こるケースですが、スケジュールや価格などの重要な説明が不十分であると契約まで至らないケースが増えます。しっかりと説明しないことは、見込み顧客の不安や疑問を解消できないままとなりますので、契約はできないと判断されてしまうのです。

特に商品やサービスの評判は良いのに失注が多いと感じている場合は、営業担当者による問題が要因となっていることも考えられますので、見込み顧客が知りたいと思う情報をすべて伝えられているか確認してみましょう。

商品に問題があるケース

商品自体に問題がある場合は成約に至らないことが増えます。これらのケースでは商品の根本的な見直しが早急に必要です。そのまま放置していると契約されないのはもちろんのこと、競合他社と比較し、そちらのほうが優れていると判断されたら顧客が流れ続けてしまいます。

失注を増やす要因の一つとなりますので、例えば「不要な機能が多い」「操作が複雑で使いこなすのが難しい」など、これらの声があがっているなら素早く対応することで問題が解決するケースもあります。

顧客にとってのメリットを伝えきれていない

失注が増える要因の一つに、顧客にとってのメリットが伝えきれていないことがあげられます。

例えば、ただ単に資料を読み上げるだけのプレゼンとなると、専門的知識を持っていない顧客の耳には入ってきません。

大切なのは商品やサービスを購入することで顧客にとってどのようなメリットが生まれるのか伝えることです。プレゼンではメリットを具体的に伝え、なるべく専門用語なども少なくしてわかりやすく説明すると理解してもらいやすくなるでしょう。

アプローチしていく 対象を間違えている

営業活動では、対象とする顧客を間違えていると成約に至らないケースが増えてしまいます。例えば、既に決められた業者としか取引をしない場合や、そもそもその商品やサービスを使う必要がないところに営業をしてもなかなか成約には至りません。

対象者を間違えると失注が増えてしまう可能性が高くなるので、闇雲に営業をかけるのではなく、誰にアプローチするのが吉か検討してから営業することが大切です。

失注を防ぐためには

失注を防ぐのに最適な方法が失注分析に取り組むことです。先程は失注分析が必要な理由についてリスト形式で紹介しましたが、ここではさらに詳しく失注を防ぐためのポイントを解説します。

価格・機能・サービスを見直す

失注の要因の一つによくあげられるのが「価格、機能、サービス」です。契約に至らないケースが多い場面では、これらの見直しをすることで失注を防ぐことができるでしょう。具体的に価格から見直すべきポイントを紹介します。

よくある失注の要因の一つにコストの問題がありますが、その中でも他社のほうが安いといって断られるケースでは、競合に負けないような魅力や付加価値をプレゼンすることで心を動かせる可能性が高まります。

コストの問題は顧客が価格に納得してくれないなど対策できないケースもありますが、それでも競合が選ばれているのであれば商品やサービスの価格を見直すか、それに負けない魅力を伝えられるよう工夫しましょう。

もう一つの失注の要因としてよくあげられるのが機能やサービスです。「価格的には問題はないけど、求めている機能が入っていない」や「他社商品から切り替えるほどのメリットがない」など、これらが契約を断られる原因の一つとなっているケースもあります。

この場合は商品の機能やサービスを見直すことで改善が可能です。見直す際には顧客からの声をしっかりと分析しながら、よりマッチする機能やサービスに修正することが大切です。顧客が求めているものを提案することができれば機能やサービスで失注になることを防げるでしょう。

他社製品が選ばれている理由を分析する

失注を防ぐためには、他社製品が選ばれている理由も分析することが大切です。その理由としては、自社よりも他社の商品やサービスのほうが選ばれているケースでは、自社製品よりも何かしら優れているポイントがあるからです。

そのポイントを明確にすることによって、「自社製品にはこの機能がないから負けているのか」など分析がしやすくなります。

契約に至らなかった理由を探す際、どうしても自社製品に目が行きがちですが、実は他社製品にヒントがあることも多いので、しっかりと分析することで顧客が求めている商品やサービスを提供できるでしょう。

自社の強みを活かす

競合他社を分析し、自社にしかない魅力がある場合は、その強みを見込み顧客にアピールできるようにしましょう。自社にしかない強みがあるのに、それを伝えていないとなるとせっかくのチャンスが失われ、機会損失にもつながります。

商品やサービスで他にはない魅力や、サポート面の充実さなど、細かく自社の強みを出すことは顧客が検討するうえで重要な要素になります。そのため、自社の強みを活かしきれていないと感じているなら、しっかりと分析をしたうえで営業活動をすることをおすすめします。

見込み顧客に理由を直接聞いてみる

見込み顧客からの声は、今後の課題を解決するために最も重要なものであり財産です。失注理由を直接聞き出すことができれば、気が付かないうちに提案ミスが発生していたり、調べてもわからない競合他社の優位性などを知ることができたりするケースもあります。

しかし、断られてしまった顧客に対して無理に聞き出そうとすることは逆効果になります。できる限り率直に理由を聞くのではなく、営業での不手際がなかったか確認をし、防衛心理を下げたところで本音を聞くようにしましょう。

失注分析の効果

失注分析は、大きく分けると「営業プロセス」「マーケティング戦略」「製品開発」の3つの分野で役立ちます。ここでは、3つの分野における失注分析の効果について具体的に紹介するので参考にしてみてください。

営業プロセスにおける失注分析の効果

営業プロセスは、リード獲得から契約までにおける一連の営業活動の流れのことを言いますが、失注分析をすることで営業プロセスの中で課題とされるポイントを明確にすることができます。

具体的には、アプローチや商談の部分で契約に至らなかった場合など、どの段階に問題があるのか可視化できます。

課題となることを分析し、営業担当者に伝えることで瞬時に修正対応することが可能です。このように、営業プロセスを具体的に改善することができるため、受注率アップにもつなげられます。

マーケティング戦略における失注分析の効果

マーケティング戦略では、顧客に対して商品やサービスをどのくらいの価格で提供するか具体的に決めることが大切です。

自社だけで決定するケースがほとんどですが、営業活動をしていく中でなかなか成約に至らなかった場合、失注分析をすることでマーケティング戦略のどの部分に問題があったか明確にできます。

例えば見込み顧客がコスト面を懸念しているとわかれば、従来よりも価格を見直すか、コストに見合った機能や強みをアピールするなどして対策ができます。

マーケティング戦略は、常に練り直して最適な方法で進める必要があるため、そのためにも失注分析は必要不可欠なのです。

製品開発における失注分析の効果

失注分析をすることで顧客が求める製品開発・提供につながるケースがあります。例えば、製品がニーズと合わないなら、顧客の意見を聞いて分析することで製品改善が可能です。

また、競合他社が選ばれている状況なら、なぜ他社製品が選ばれているのか分析できるため、それによって差別化できるポイントを見つけたり、他社にはない自社の強みをアピールできたりします。

失注分析をしなければ、なぜ受注率が上がらないのかその原因を突き止めることができません。これらの理由を明確にするためにも必要不可欠となるため、なかなか成約されないなどの悩みを抱えているなら失注分析を検討してみてください。

失注分析の方法

失注の原因をコストだけで判断してしまうケースは多く見受けられますが、できれば大まかに考えることはせず、できれば営業プロセスや営業担当者、提供する商品やサービスの業界など、細かく分けて分析することが大切です。

一つひとつの要素をより細かく調べていくことで自社の課題を明確にでき、改善へと繋がるでしょう。

この見出しではこれから失注分析に取り組もうと考えている企業向けに、具体的な方法を紹介しますので参考にしてみてください。

営業プロセスを分析する

営業プロセスは下記のようなサイクルで進められます。

  1. 見込み顧客の獲得
  2. 打ち合わせ・商談
  3. 提案
  4. 成約
  5. アフターフォロー

上記のように、さまざまなプロセスで構成されており、どの部分に問題が発生しているか分析することが大切です。

例えば、打ち合わせの段階で失注が発生しているのであれば、それは営業担当者のミスとなるため、営業担当者を分析しなければなりません。

また、提案後に成約がされなかった場合は提案内容が弱いため、プレゼン資料の見直しなどが必要になるでしょう。

このように、営業プロセスといっても細かく分類されており、それぞれ調べなければならない項目が異なります。

具体的に分析する方法としてはいくつかあげられますが、どの段階で失注につながったか調べるためにも営業担当者によるアンケートを実施するのが良いでしょう。

営業担当者の分析

失注の原因がコスト以外である場合、次に多い原因が営業担当者によるものです。成約の有無は商品やサービスの力も大切ですが、営業担当者がいかに魅力を伝えるかがポイントになります。

また、営業担当者は人それぞれ能力や得意としていることが異なります。例えばある担当者は、交渉力はないけどプレゼンの評価は高いとなれば、プレゼンだけ任せて交渉は他の担当者に任せるという流れに持っていくことも可能です。

このように、営業担当者を分析することでそれぞれのスキルなども把握しやすくなり、分析前よりも適切な営業活動ができることによって受注率アップにつなげられます。

競合他社や業界の分析を行う

失注分析では競合他社や業界について調べることも忘れてはいけません。例えばコンペなどで顧客が自社製品ではなく他社製品を選択した場合、なぜ他社を選んだのか明確に調べることが大切です。

競合他社や業界について調べるためには、他社製品との比較をしたり、顧客の担当者と話して成約に至らなかった理由を聞いたりするのも良い方法でしょう。

失注分析の具体的な取り組み

失注分析は大きく分けると上述で紹介した3つのポイントです。しかし、今まで取り組んだことがない場合は、何から手をつければいいのかわからないと悩むケースも多いでしょう。

ここでは、失注分析に必要な具体的な取り組みについて紹介するので参考にしてみてください。

自社の営業担当者と話し合う

分析の精度を高めるためには、組織全体の連携が必要不可欠です。そのため、担当者一人ひとりとの話し合いの場を設けましょう。話しやすい環境を整えるためには1on1ミーティングがおすすめです。

営業担当者と話し合うメリットとしては、それぞれの強みや弱みを把握できることです。強みは今以上に伸ばしていき、弱みの部分は研修や経験豊富な営業担当者から教育を受けられる場を提供するなど、具体的に動いていきましょう。

営業プロセスの見える化

分析に欠かすことができないのが、営業プロセスの進捗状況の見える化です。進捗状況を見て確認することができれば、より原因を特定しやすくなるでしょう。

営業プロセスの見える化は、できればデータとして記録されるようにすると管理もしやすくなるので、営業支援ツールなどの活用がおすすめです。

長期的にデータを集めて管理する

失注分析は、短期よりも長期的に調べることをおすすめします。その理由は長期的にデータを取ることによって、より信頼性の高い情報を得ることができるからです。

しかし、データを取り続けるのには相当な労力が必要です。特にエクセルなどフラットな状態からデータを管理するためのシステムを作るとなると、人手も必要になり現実的ではありません。

「営業プロセスの見える化」でも話しましたが、営業支援ツールなどがあれば簡単に管理することが可能なので、担当者の負担を軽減するためにも導入を検討してみてください。

失注があっても顧客との関係はできる限り継続する

提案した商品やサービスの成約に至らなかった場合でも、その場で関係を切るような行動はしないようにしましょう。万が一断られたとしても、別の機会で顧客になる可能性は十分にあります。

また、定期的に連絡を取り合うことによって信頼関係も生まれてくることもあります。信頼されれば「次は契約してみようかな」という気持ちになることもあるため、顧客との関係性は長く続けられるようにしましょう。

失注分析の効果を高めるポイント

失注分析を行うためには、必ず意味のあるものにしなければなりません。ただ単に分析を行うだけでは先につながりません。

効果を高めるためのポイントとしては、大きく分けて2つあるので参考にしてみてください。

定期的に失注分析を行う

失注分析の効果を高めるためには、なるべく短い頻度で定期的に行うことをおすすめします。その理由としては、顧客や競合の状況は常に変わっていくからです。そのため、直近の傾向を把握しておくためにも短いサイクルで回していくことが対応するために重要なことと言えます。

具体的には一週間に一度は営業部署での会議を実施したり、活動内容や結果などを振り返ったりすることでより対策もしやすくなるでしょう。

原因がわかったら必ず改善のための行動をする

失注の原因を突き止めることはとても大切なことですが、その原因を次に活かせなければ意味がありません。原因を突き止めることができたら、改善には何が必要か具体的に案を出しましょう。

失注分析を的確に行うためには?

ここまで失注分析は営業活動にとってとても大切な部分であることを紹介しましたが、できれば効率よく、手間のかからない方法で調査をしたいと考えている企業が多いのではないでしょうか。

そんな営業活動をサポートするために活用できるのが営業支援ツールです。具体的に失注分析での活用におすすめなのが「CRM」と「SFA」の2つです。

失注分析のサポートに活用されているCRMとは

CRMは顧客管理システムとも呼ばれており、簡単に説明すると顧客情報の管理を効率化するためのツールです。

管理できる情報としては、メールのやりとりや商談、見積書、請求書など営業プロセスに必要な情報です。これらを一元管理できますので、失注分析においてもデータの見える化の実現が可能となり幅広い業界で活用されています。

顧客管理は用紙で保管されるケースもありますが、活用しやすい状態で管理されていることが大切です。特に管理がしづらく、失注分析もやりづらいと感じているならCRMの導入を検討しましょう。

CRM導入のメリット

CRMは失注分析にも活用される優れたツールですが、実は導入することでその他にも幅広いメリットを得られるのです。具体的に顧客管理を行うことのメリットは下記のとおりです。

  1. 情報の属人化を防止できる
  2. 担当者の活動状況を可視化できる
  3. 営業の情報を一本化して管理できる
  4. 管理コストを大幅に削減できる

CRMのような便利なツールを活用することで、上記のメリットが得られるほか、活用方法次第では自社の売上をアップさせるためのサポートツールとしても役立ちます。

具体的には顧客情報を記録できれば、そこから失注の原因なども容易に確認でき、素早く改善を図れます。そのため、情報をすぐに活用できるよう管理されているCRMは、営業活動になくてはならない存在と言えるでしょう。

失注分析のサポートに活用されているSFAとは

最近ではSFAという言葉もよく耳にするようになりましたが、これはSales Force Automationの訳です。日本では営業支援ツールとも呼ばれています。

CRMは顧客管理や案件管理などさまざまなデータを蓄積させることができるツールです。一方、SFAはCRMによって蓄積されたデータを活用し、営業活動の支援を行うツールを言います。

簡単に説明すると営業活動の効率化がSFAであり、ルーチンワークの自動化や採択な営業プロセスの構築・管理など、さまざまな業務を支援してもらえます。

実際に導入することで営業担当者の負担を大きく軽減させられることから、今では幅広い業界が愛用しているツールの一つです。

SFA導入のメリット

SFAはCRM同様、失注分析に役立つツールとして知られています。具体的にSFAを導入することでもたらすメリットについては下記をご覧ください。

  1. ルーチンワークの効率化ができる
  2. スコアリングで優良顧客を判別可能
  3. 営業プロセスの分析と改善ができる

営業担当者は、打ち合わせや商談などに多くの時間を割いていると思われがちですが、実は報告や記録などの入力作業にも手を付けなければなりません。これらのことから、意外と思われがちですが商談にかけられる時間はそれほど多くないのです。

しかし、SFAを導入することでこれらのルーチンワークを効率化できます。メールの自動送信やレポートの自動作成など、あらゆるルーチンワークを自動化できるため、売り上げに直結する営業活動に専念しやすくなるのです。

また、SFAは失注分析に必要な営業プロセスの分析と改善にも力を貸してくれます。担当者が体系的に各工程を進行するようコントロールしてくれるため、活動結果に対して課題を見つけ出し、営業チーム全体で改善ができるようになります。結果、全体的な営業力強化につながり、売上アップにもつなげることが可能です。

失注分析に最適なCRMとSFAの選び方

失注分析にCRMとSFAを活用することであらゆるサポートをしてもらえますが、現在では幅広いツールが提供されています。その中から最適なものを選ぶことが大切ですが、選ぶ際にどのポイントを重視すべきかよくわからないと感じている方も多いでしょう。

この見出しでは、これから失注分析に取り組む企業に向けて、CRMやSFAの選び方について紹介します。

目的としている機能が備わっているか

導入するにあたって、最も大切となるポイントが「目的に合った機能が備わっているか」です。

失注分析が主な目的の場合は、CRMであれば自社の営業プロセスに関わるすべての情報を一元管理できるかがポイントでしょう。せっかく導入したのに求めていた機能がないとなれば後悔することになりますので、求めている機能が備わっているか確認しましょう。

SFAに関しても同じです。失注分析であれば営業プロセス管理やコマンドセンター、営業担当者の割当、リードスコアリングなど豊富な機能があると安心と言えます。

このように、機能は導入するうえで必ず確認しておきたいポイントなので、営業チームで話し合いながらどのツールがベストか検討してから導入しましょう。

操作性に問題はないか

社内にCRMやSFAが定着するためには、操作性が重要です。例えばどれだけ豊富な機能が搭載されていても、専門的知識がないと操作ができないとなると定着させるのは難しいでしょう。

操作性についてはそれぞれの企業で好みなどがありますが、できればドラック&ドロップのみの操作で編集が行えるものや、ビジネスモデルに合わせてレイアウトを自由自在に変えられるなど、操作性にもこだわっているものなら安心です。

特にドラック&ドロップでほとんどの編集ができるものなら、作業効率も大きく上がります。入力作業があると結局エクセルなどと変わらない操作性となり、導入した意味がなくなりますので、操作性に問題がないかチェックすることが重要です。

操作性を確かめるためには、なるべく無料トライアルなどを利用できるツールを利用しましょう。一定の期間無料で利用できれば操作性を確かめられますし、複雑だと思えば無料期間で解約すれば料金は発生しません。

導入してから後悔をしないためにも、念入りに確かめながら導入するか検討しましょう。

運用し続けられる料金設定であるか

CRMやSFAツールの料金設定は、基本的に月額料金であることがほとんどです。そのため、導入する際には「この料金設定なら毎月負担なく続けられる」と思うツールを選びましょう。

せっかく失注分析のために導入したのに、毎月のコストがかかりすぎて解約してしまったとなっては意味がありません。

そのため、できればリーズナブルな価格設定で使いやすいと感じるツールを選びましょう。

サポート体制が整っているか

普段からデスクワークが中心に業務を行っている場合は問題ありませんが、あまりPCに触れる機会が少ない企業ではサポート体制が整っているか確認しておきましょう。

例えば導入支援サービスなどがあれば、要望に応じてどのような企業でもCRMやSFAを利用できるよう支援してもらえます。また、利用トレーニングなどを実施していれば、使い方の解説や初期設定なども支援してもらうことが可能です。

このようなサポート体制が整っていれば「失注分析に取り組みたいけどPCの操作に自信がない」などのケースでも安心なので、不安要素があるなら導入サポートを実施しているツールを選びましょう。

失注分析とは?まとめ

今回は失注分析について詳しく解説しました。まとめると「なぜ失注に至ったのかその原因を突き止め、どのように改善していくべきか考える」までが失注分析の役割です。

多くの場合は、どのような理由で成約に至らなかったのか理由を聞くだけで、今後改善するための取り組みがされていません。

しっかりと改善し、実行に移すことで以前よりも成約数が増えたり、売り上げをアップさせられたりします。

しかし、失注分析には手間と労力がかかります。さまざまな内容を分析する必要があるため、営業活動を支援できる専用ツールの導入がおすすめです。

特にCRMやSFAは顧客管理や営業支援に最も適したツールとなっているため、まだ導入されていないならぜひ活用について検討してみてはいかがでしょうか。

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執筆者 菊池 紗矢香

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