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CRM/SFA用語集 顧客エンゲージメント

公開日:

2023年2月8日

この記事は6分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

顧客エンゲージメント

顧客エンゲージメントとは、顧客との信頼関係を築くことを目的とした、企業と顧客との関係の構築・維持・向上を意味します。

その目的は、企業と消費者の間に、取引を超えた継続的な関係を築くこと。具体的には、企業から顧客に対するアプローチにおけるあらゆる接点で価値を提供し、ロイヤリティを高めていきます。

顧客とのエンゲージメントが高いブランドは、収益性も向上。ギャロップの調査によると、顧客とのエンゲージメントが良好な企業は、顧客離れが63%少なく、顧客占有率が55%高く、全体として競合他社よりも23%業績が良いという結果が出ています。

顧客エンゲージメントが重要視される理由とは

顧客エンゲージメントは以下の4つの理由によって多くの企業が重視しています。

  1. 顧客満足度の向上: 顧客との信頼関係を構築することで、顧客満足度がアップします。
  2. 顧客リテンション率(顧客維持率)の向上: 顧客エンゲージメントを通じて顧客との信頼関係を築くことで、顧客のブランドへの信頼度がアップ。顧客リテンション率(顧客維持率)が高まります。
  3. ブランド戦略の向上: 顧客エンゲージメントを通じて顧客との信頼関係を築くことで、顧客がブランドをポジティブに評価。口コミなどのブランド戦略による効果がが高まります。
  4. 売上の向上: 顧客エンゲージメントを通じて顧客との信頼関係を築くことで、顧客の購買意欲がアップ。それにあわせて、売上が高まる可能性があります。

激化する市場競争

今日のように顧客エンゲージメントが重視されるようになった背景にあるのが、市場競争の激化。これにより顧客にとっての選択肢が増えた昨今は、顧客に選択され続けるために顧客のエンゲージメントがより求められるように。そこで、企業は顧客エンゲージメントを通じて顧客との信頼関係を構築。顧客のロイヤリティを高め、競争優位性を確保できます。

SNSで高まる発信力

企業はSNSの普及により、顧客に働きかけ、ブランドの認知度を高め、顧客エンゲージメントを向上できるようになりました。SNSの定期的な更新や、顧客からの問い合わせへの対応、インタラクティブなコンテンツの作成などにより、企業は顧客と親密な関係を構築。顧客ロイヤリティを高める一方、SNSを通じて顧客の声を収集し、製品やサービスの改善に役立てられます。

顧客生涯価値の向上

顧客エンゲージメントの向上は、顧客生涯価値の向上につながります。顧客と企業とのエンゲージメントが高まれば、リピート購入や他者への推奨(口コミ)、ブランドへの信頼がアップ。その結果、顧客との関係がより長く、より価値のあるものになり、顧客生涯価値の向上にもつながるのです。また、顧客生涯価値が高まれば、企業はより多くの貴重な顧客を維持。それらの企業と良好な関係を保つために、より多くのリソースを投資できるため、エンゲージメントの向上も促進されます。

顧客エンゲージメントを高めるメリット

企業は顧客エンゲージメントを高めることで、次の8つのメリットが得られます。

  1. 顧客ロイヤリティと顧客維持率の向上
  2. 顧客生涯価値の向上
  3. 顧客満足度と顧客体験の向上
  4. ブランドアドボカシー(ファン)とクチコミマーケティングの向上
  5. より良いカスタマーインサイト(洞察)とフィードバックの獲得
  6. 売上と収益の増加
  7. 競合他社との差別化
  8. 評判とブランドイメージの向上

顧客エンゲージメントと顧客体験、顧客満足度との違い

しばしば顧客満足度や顧客体験と混同される顧客エンゲージメント。確かに似通った意味合いもありますが、それぞれは別物です。
まず「顧客体験」は、消費者が企業について見聞したり、学ぶといった体験を通して自己に形成する認識です。
一方、「顧客満足度」は、消費者が対象となる製品、サービス、体験をどの程度好きか嫌いかを表すもの。
どちらも消費者と接する際には欠かせないものですが、顧客エンゲージメントには、信頼関係を築き、オーダーメイドのソリューションを提供するための「リスニング(聞くこと)」も含まれます。効果的なリスニングは、顧客エクスペリエンス全体に影響を与える強力なスキル。このスキルが高ければ、顧客の明確な職務、問題、意図する結果に基づいてソリューションをカスタマイズして提供していけます。

顧客エンゲージメントと顧客ロイヤリティの違い

顧客エンゲージメントと顧客ロイヤリティは、顧客とブランドの関係を示す2つの異なる概念です。顧客エンゲージメントとは、顧客がブランドに対して抱いている信頼、関与、興味、感情的なつながりの度合いを指すものであるのに対して、顧客ロイヤルティは、顧客が長期にわたってブランドを選択する傾向、忠誠心、再購買意欲を指します。
つまり、顧客エンゲージメントは顧客とブランドとの現在のつながりを表し、顧客ロイヤルティは顧客とブランドとの将来のつながりを表す点が大きく異なります。

顧客エンゲージメントの指標とKPI設定

顧客エンゲージメントの指標とKPIは、顧客との信頼関係、関与、関心、感情的な結びつきを測定します。
以下は一般的な顧客エンゲージメントの指標とKPIです:

  • Net Promoter Score (NPS): 顧客の推薦意欲を測定する指標。
  • Customer Satisfaction (CSAT): 顧客の満足度を測定する指標。
  • Customer Effort Score (CES): 顧客がサポートやサービスを受けるために必要な努力を測定する指標。
  • Customer Retention Rate: 顧客の継続的な参加率を測定する指標。
  • Customer Lifetime Value (CLV): 顧客が生涯にわたってブランドから購入する可能性のある総額を測定する指標。

これらの指標を使用してKPIを設定することで、顧客エンゲージメントの成功度を測定することができます。例えば、NPSのKPIを「平均NPSが7以上」とすることで、顧客の推薦意欲が十分に高いことを目標とすることができます。

顧客エンゲージメントを向上する方法

顧客エンゲージメントを向上する具体的な方法として、以下が挙げられます。

  • 顧客とのコミュニケーションを強化する: 顧客とのフィードバックやサポートなどのコミュニケーションを改善することで、顧客との信頼関係を構築することができます。
  • 顧客体験を改善する: 顧客がブランドとのインタラクション(やりとり)を楽しむことができるよう、顧客体験を改善することが重要です。
  • パーソナライズされたマーケティングを提供する: 顧客に合わせたマーケティングやサービスを提供することで、顧客との信頼関係を構築することができます。
  • 顧客とのインタラクションを増やす: 顧客とのインタラクションを増やすことで、顧客との信頼関係を構築することができます。
  • 顧客とのコミュニケーションを活用する: 顧客とのコミュニケーションを活用して、顧客のニーズや抱えている問題を把握することができます。

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