カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、「顧客を成功に導くための取り組み」です。具体的には能動的に顧客や利用者に働きかけ、成功体験へと導いていくことを指します。
BtoBにおける顧客の成功体験とは、商品やサービスを利用することで顧客のビジネスに利益が生まれることを指します。
BtoCにおいては、顧客が自社の商品やサービスを利用することで「使ってよかった」など満足したという実感を与えることが成功体験へとつながります。
このように、顧客が利益や満足感を感じられるよう、課題と見られる問題を前もって解決したり、要望があれば改善するための取り組みをしたりするなど、
提供する側から能動的に動いていくことがカスタマーサクセスです。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスと似たような言葉にカスタマーサポートがあります。カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、
サービスや商品を利用する顧客をサポートする面では近い役割を持っていますが、両者の目的は明確に異なります。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、顧客から問い合わせがあった場合に、その質問やトラブルを解決することを目的として行動します。つまり「受動的」であるということです。

カスタマーサクセス

一方、カスタマーサクセスは商品やサービスを通じて顧客が望む結果を得られるように「能動的」に支援し、顧客満足度の向上や顧客との関係構築を目的とした取り組みです。

簡単にまとめるとカスタマーサポートは「何か言われてからその課題を解決するために行動する」ものであり、
カスタマーサクセスは「顧客から求められなくても継続的な課題解決や成功に向けて行動する」ものです。
こうした違いから、商品やサービスに対する満足感を高めて、継続的に利用してもらうためには、
カスタマーサクセスが必要不可欠であることがわかります。

カスタマーサクセスに
取り組む企業の割合

株式会社リンクがIT企業の経営層・マネジメント層400人向けに行った調査によると、カスタマーサクセスの認知度は5割以上にのぼり、その中の約7割が「事業戦略として重要」と考えていることが分かりました。

しかし、「現在のカスタマーサクセスの取り組み状況を教えてください」と題した調査では、209名中、現在取り組んでいる企業が45.5%であり、今後取り組みたいと考えている企業が45%でした。

カスタマーサクセスの重要性は理解しているものの、実際に導入している企業が45.5%である理由の一つには、人員不足や専門部門がないなど人員や組織に関する課題が浮き彫りとなっています。

出典:「カスタマーサクセスに関する意識調査

カスタマーサクセスの取り組み状況

67.0%の企業が全社または部門単位で
カスタマーサクセスを重要施策と位置づけて
推進している

カスタマーサクセスが注目される理由

このように注目度が増しているカスタマーサクセスですが、その理由は大きく
分けると2つあげられます。

ビジネスモデルの変化

カスタマーサクセスが注目されている理由の一つに、サブスクリプションモデルの普及が挙げられます。 サブスクリプションモデルビジネスとは、月額や年額単位で利用料を支払うビジネスモデルのことです。身近な例として、HuluやApple Musicなどが挙げられます。また、BtoC向けだけでなく、Microsoft365 などBtoB向けのビジネスモデルも多いです。 商品やサービスを購入・所有する買い切り型と呼ばれるビジネスモデルとは異なり、利用するときのコストが抑えられ、気軽に開始できるメリットが得られるサブスクリプションモデルは急速に普及されています。 しかし、サブスクリプションは解約したいと思えばいつでも利用解除が可能なことから、顧客離れしやすいという課題が挙げられます。 サブスクリプションのサービスを提供する上で、継続的に利用してもらうことは最も重要なので、カスタマーサクセスは必要不可欠であると言えるでしょう。

インターネットの普及

今の時代は、インターネットを利用すれば商品やサービスを探すのに苦労することがなくなりました。キーワードを検索すれば求めている商品をすぐに探し出すことができて便利ですが、提供する側からすると競合も多くデメリットに感じる部分でもあるのです。競合が多いと差別化が難しく、消費者からするとあらゆる選択肢の中から選べるため、他社の商品のほうが満足できると言われてしまえばすぐに解約されてしまいます。このような顧客離れを防ぐためにも商品やサービスの品質向上に加え、顧客に成功体験を与えられるよう追求できるカスタマーサクセスが重要になるのです。

カスタマーサクセスがもたらすメリット

カスタマーサクセスを導入することで得られるメリットは、大きく分けて2つあります。その中でも特に最もメリットに感
じられる2つの効果について紹介するので参考にしてみてください。

解約率(チャーンレート)を下げられる

カスタマーサクセスに取り組むことで、顧客が将来的に抱える課題を先回りして解決することができます。 前もって対応することで、顧客は不満を感じることなく快適に商品やサービスを使い続けられるため、満足度を高められて結果として解約率を下げる効果が期待できます。 簡単に説明するとトラブルやクレームなどの発生を未然に防ぐ効果がありますので、解約につながるような原因を前もって対処したいならカスタマーサクセスへの取り組みがおすすめです。

二次収益の拡大につながる

カスタマーサクセスによって商品やサービスに満足を感じられた顧客は、その成功体験を他の人へと発信してくれます。人は良い商品やサービスは誰かに勧めたくなる感情を持っていますので、顧客が新規顧客を獲得してくれる可能性も高まるのです。 顧客が顧客を呼ぶサイクルは、営業担当者が顧客一人ひとりにプレゼンをするのとは効果が大きく異なります。営業となると警戒心が高くなりますが、友人や家族から勧められた商品やサービスは警戒心なく使ってみようと感じるものです。 カスタマーサクセスはこのように収益が生まれやすいサイクルを生んでくれるので、導入して後悔することはないでしょう。

カスタマーサクセスの主なKPI

KPIは企業や組織の目標を達成するために行う活動の行動指標のことです。カスタマーサクセス
には大きく分けて3つのKPIを見る必要があるので参考にしてみてください。

解約率

カスタマーサクセスの目的から考えても、顧客に長く製品を使ってもらえなければ意味がありません。そのため、KPIとして解約率を設定するのは必要不可欠になります。
解約率の計算方法は下記の通りとなりますので、気になる方は参考にしてみてください。

・解約率=解約数÷顧客数×100

アップセル率・クロスセル率

アップセルは、顧客が現在契約している内容をアップグレードしてもらうことです。
一方、クロスセルは顧客が購入した商品やサービスとは別のものを購入してもらうことです。
これらの両者を実現できると顧客のLTVが高まり、収益アップを見込むことができます。
カスタマーサクセスの取り組みが、どれだけのアップセル・クロスセルに貢献できたかは、設定しておきたいKPIの一つと言えるでしょう。

顧客ロイヤルティ・NPS®

顧客ロイヤリティとは、顧客が商品やサービスに対してどのくらい愛着や信頼を感じているかというものです。 そして、NPS®とは顧客ロイヤリティを測るための指標を指します。 特にサブスクリプションでは顧客からの信頼や愛着を持たれなければ解約につながってしまいます。それらを防ぐためにもNPS®は大切です。 NPS®は日本語で顧客推奨度と訳されることがあり、測定方法としてはアンケートを用いられることがほとんどです。

カスタマーサクセスの具体的な流れ

カスタマーサクセスに取り組むにあたり、具体的にどのような流れで進めるべきか悩んでいる方も多いでしょう。大きく分ける
と3つのステップがありますので参考にしてみてください。

STEP1

顧客にとっての成功を明確にする

カスタマーサクセスの効果を最大化するためには、顧客にとっての成功を明確にすることが大切です。BtoBであれば顧客の事業にもたらされた成果や業績などが対象となるでしょう。
まずは根本的な成功とは何かを明確にすることが大切になりますので、この部分は一番初めに着手することをおすすめします。

STEP2

目的にマッチした顧客を探す

商品やサービスをアプローチするにあたって、手当り次第にアプローチする方法はよくありません。誰に届けたいのかを明確にすることによって、より高い効果を得やすくなります。 ターゲティングという面は取り組むにあたって最も重要な部分となりますので、目的が決まったら自社にマッチする顧客を選択してからアプローチしましょう。

STEP3

顧客に成功を感じてもらう

STEP2まで実現して実際に顧客を獲得できたら、あとは顧客に成功を感じてもらうだけです。契約が継続されるかどうかは顧客に成功体験を与えられるかがカギとなりますので、ターゲットとして決めた顧客にむけて実践を繰り返しましょう。基本的なことはこの3つのSTEPとなっておりますので、これから取り組もうと考えている方は参考にしながら実行してみてください。

カスタマーサクセスの立ち上げ・運用に
CRMツールは必須

カスタマーサクセスに取り組むにあたって、KPI管理やデータ分析のためにもCRMツールの活用をおすすめします。
たとえばCRM/SFAツール「Zoho CRM 」なら、顧客とのファーストタッチポイントから商談開始、受注、アフターフォローに至るまでの全てのデータを一元管理できます。顧客の購買履歴や対応履歴も蓄積できるので、KPI管理も行いやすいのが特徴です。 また、アンケートツールともかんたんに連携できるため、集計・分析に手間とコストがかかることもありません。 以上のような特徴から、CRMツールはカスタマーサクセス推進に欠かせないツールとなっています。

カスタマーサクセスとZoho CRM を
組み合わせ得られる大きなメリットとは

CRMは、顧客との長期的な関係を構築することを目的とした顧客管理ツールであり、カスタマーサクセスと組み合わせること
で以下のメリット・効果を得られます。

顧客データベース上でスムーズに活動が可能に

CRMには、顧客のさまざまな情報が一元的に集約されており、このデータベース上で電話やメールなどのやり取りを行ったり、カスタマーサクセスのプランを練ることもできます。

顧客に寄り添ったカスタマーサクセスが可能に

自動で顧客の情報を蓄積していくCRMは顧客を理解する上で欠かせないツールに。顧客一人ひとりをよく理解した上で提供するサービスはその質が格段にアップします。

アプローチなどさまざまな対応を自動で処理できる

顧客が行動を起こしたタイミングでメールを送信したり、自動で最適な商品を提示するなど、アプローチにかけるコストを下げて質を向上させる便利なツールです。

リアルタイムに可視化し、分析から改善を加速する

KPIの達成状況などをリアルタイムに可視化しながら、今のカスタマーサクセスの状況や課題をクリアに。改善の対策が素早くとれ、日々より質の高いサービスを提供するカスタマーサクセスの活動を支えます。

カスタマーサクセスに役立つ
Zoho CRM の5つの機能

顧客管理機能

Zoho CRMは顧客情報のデータベースとして、一元的にあらゆる顧客情報を管理します。初回の接触からダウンロードした資料や参加したイベント、また興味をもったメールや閲覧したページなど、これまでにどのような接点を重ねて来たのかを蓄積します。顧客と一緒に課題解決に取り組むカスタマーサクセスの活動では、こうしたデータベースを活用して「誰と」「どのようなアクションを取っていくか」などの判断に大いに役立ちます。

ニーズ/課題分析機能

Zoho CRMは、メールへの開封・クリックなどの反応やWebサイトでの訪問ページ、SNSでの自社に関連する投稿のモニタリングに至るまで、さまざまな顧客の行動状況を記録できます。こうしたデータからニーズ/課題を把握したり、またAI(人工知能)が類似する顧客のデータから興味のありそうな商品・サービスなどを提示します。

プロモーションメール配信機能

Zoho CRMには、メール配信の機能も備えています。テンプレートを利用して、CRMに蓄積されたデータに基づき特定の条件に該当する顧客には特定のプロモーションメールが配信されるように設定することができます。

アプローチの対象リストを抽出

カスタマーサクセスの活動のターゲットとなる顧客のリストを自動で作成します。作成したリストをさらに特定の商品に限定したり、自分が担当する顧客のリストなどを作成していくことも可能です。これにより、日々の活動をスムーズに行うことが可能になります。

分析レポート機能

Zoho CRMの分析レポート機能を活用して、カスタマーサクセスの成果をリアルタイムに可視化することができます。KPIを設定してその達成状況をグラフで表示することはもちろん、顧客満足度を判別する指標を設定してその成長度合いをファネル形式で表示することも可能です。

カスタマーサクセスZoho CRM
役立てている企業活用例

ユースキン製薬株式会社 
企画部プロモーショングループ
マネジャー 髙嶋俊継 氏

Zoho CRMでエンドユーザーの顧客ロイヤルティを可視化して、売上アップにつながるOne-to-Oneマーケティングの基盤を構築

「Zoho CRM の活用によって顧客とのコミュニケーションが可視化できただけでなく、ロイヤルティ向上へ具体的に取り組めるようになりました。」

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株式会社イナバ写真館
代表取締役 吉田弦矢 氏

Zoho CRMの導入によりデータを活用し、顧客との絆を強化。10年連続の120%超の売上成長に貢献

「お客さまとの関係構築やコミュニケーションの促進に欠かせないCRMとして、写真館が導入できる現実的かつ最適解がZoho CRMです。」

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株式会社星野リゾート
ブライダル広告ユニット 鎌田 隆 氏

業務スピードが圧倒的に向上!
プロセスの最適化でキャンセル率50%減を実現

「情報共有・把握のスピードが圧倒的に早くなり、お客さまの状態やニーズが速やかに判断できるので、お客さまの意向に沿った接客が可能になりました。」

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まずは、お気軽にZoho CRM をお試しください

Zoho CRM は、潜在顧客/見込み客をスムーズに分類して、
売り上げにつなげるアプローチを開始できるCRMツールです。

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