デジタルマーケティング10の指標

公開日:

2023年2月27日

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執筆者 菊池 紗矢香

デジタルマーケティング10の指標

"お疲れさま。最近サイトの調子はどう?"
この質問はとても漠然としていて、もし誰かに聞かれたとしても、「良い」「悪くない」「何が知りたいのでしょうか?」と答えるしかないでしょう。しかし、同じ質問を自問自答してみたとき、単純な答えがないことに気づいたのではないでしょうか。Webサイトの健康状態は、毎日何人の訪問者を楽しませているかということだけでなく、いくつもの評価点から導き出され、それぞれがリードコンバージョンにさまざまな影響を及ぼします。

しかしその前に、健全なWebサイトとは何かを定義する必要があります。Webサイトの目的によって、重要な指標もあれば、ほとんど影響を与えない指標もあります。それでも、企業はそれらの数値をトラッキングする必要があります。なぜならそれらの数値は、Webサイトのパフォーマンスを詳細に分析するのに役立つからです。
ここでは、理解しておくべき一般的な評価指標をご紹介します。これらの指標を考慮して、より良い数値が得られるような改善を行えれば、コンバージョン率の高いリードを獲得できるようになるでしょう。

1. Webトラフィック

Webトラフィックとは、ある時間帯にWebサイトを訪れた人の数で、最も一般的な指標です。パフォーマンスはトラフィックだけではありませんが、この指標はあなたのWebサイトがどれだけ人気があるかを示す素晴らしい指標です。トラフィックが多いということは、マーケティング努力が実を結び、消費者があなたのWebサイトに集まってきていることを意味します。それでも、彼らが行動を起こすかどうかは、あなたが運営するコンテンツの品質に依存します。
トラフィックが低ければ、解決策に取り組まない限り、あなたのビジネスは勢いを出せません。あなたのWebサイトを誰も訪問していなければ、何の機会も生まれません。トラフィックを増やすには、マーケティングキャンペーンの改善、SEO対策によるGoogleでの上位表示、モバイルデバイスやタブレット向けサイトの最適化、ロード時間の改善などのアクションが考えられます。Webトラフィックが少ない場合、以下に挙げる指標を測定するための十分なデータが得られていないことを意味します。
特定のページのトラフィックを見れば、どのコンテンツが他より優れているかを確認することができます。顧客は、あなたのWebサイト上の興味のあるリンクを訪れるので、何が有効かを知ることができます。ある種のブログやビデオが突然トラフィックを急増させた場合、そのようなコンテンツをもっと多く掲載することで、さらに強化することができます。

2. ユニークユーザー

トラフィック数をさらに絞り込むことによって、ユニークユーザー数を把握することができます。さらに、ユニークユーザーの中から新規ユーザーとリピーターの数を確認することもできます。新規ユーザー数は、新しいユーザーがどれだけアクセスしたかを示し、リピーター数は、既存ユーザーをどれだけ維持しているのかを示しています。
常に多くの新規ビジターを維持することができれば、あなたのWebサイトの成長に重要な役割を果たすフォロワーが蓄積されていることになります。十分な数のユーザーを維持できていない場合は、コンテンツの価値を向上させ、ユーザーを煽り、また来たいと思わせるようなコンテンツにしましょう。新規ユーザーが少ない場合は、SEO対策を実施したり、ソーシャルメディアやブログを活用してアクセスされやすいWebサイトを作ることです。

3. セッションごとの閲覧ページ数

ユーザーが平均何ページ閲覧したかによって、その訪問者があなたのWebサイトの内容にどの程度興味を持っているかを知ることができます。1セッションあたりの閲覧ページ数が多いほど、コンテンツや製品への関心が高いことを示しています。
しかしそれは、ユーザーが探している情報を見つけるのが難しく、サイト上で迷っている可能性もあります。ユーザーが1セッションあたりに閲覧するページ数が少なくても、コンバージョン率が良好な場合は、その数ページが取引を成立させるのに十分な情報を提供している可能性があります。このため、これらの数値は、ページの滞在時間や検索キーワードなど、他の指標と組み合わせて使用する方がよいでしょう。

4. トラフィックソース

毎日どれだけのトラフィックがあるのかだけでなく、そのトラフィックがどこから来るのかを知ることも重要です。トラフィックの少ないソースにフォーカスし、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかを理解し、それに応じて変更を加えることができます。トラフィックのソースは、ダイレクト、リファラル、オーガニック、ソーシャルメディア、有料広告の5つがあります。

ダイレクトトラフィックは、アドレスバーやブックマークからあなたのWebサイトに直接訪問した訪問者の数を測定したものです。これは、あなたのWebサイトがどれだけ親しまれているかを示しています。あなたのWebサイトがネット上で人気があり、訪問者が定期的にあなたのWebサイトにアクセスしたくなる場合、人々があなたのホームページに直接訪問する可能性は高くなります。

リファラルトラフィックは、外部ソースからあなたのWebサイトを紹介されて訪問してきたユーザー数を示しています。これらの紹介は、あなたが書いた投稿や、コンテンツを引用したブログやビデオ、Wiki、あるいは他のユーザーのソーシャルメディア投稿など、さまざまなチャネルから成り立っています。

オーガニックトラフィックは、検索エンジンで何かを検索して、あなたのWebサイトを見つけてきた訪問者の数です。SEOはオンラインマーケティングに不可欠な要素であり、SEOを向上させる努力は、オーガニックトラフィックに反映されます。

ソーシャルメディアは、あなたのビジネスやコンテンツがどれだけオンラインで人気があるかに比例して、大量のトラフィックをもたらします。共有できる記事、ブログ、画像、動画、ニュースを作成し、オンラインで消費者と関わり、話題を作りましょう。Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagramなどのソーシャルメディアで積極的かつ健全な存在感を確立させることで、Webサイトのトラフィックに大きな影響を与えることができます。

そして最後は広告からのアクセスです。デジタル広告に投資せずに、ネットビジネスを成功させるのは困難です。これは、口コミによるトラフィックが必要な場合に、まず口コミで情報を発信する必要があるのと同様です。しかし、より多くのトラフィックが必要な場合には、検索結果、ソーシャルメディア、ニュース、ブログ、アプリなどのプラットフォームで広告枠を購入して配信し、すべてのパフォーマンスをトラッキングしましょう。ある広告からは高いトラフィックが得られ、ある広告からは何も得られないということもあります。広告の効果を高めるためにも、広告媒体・広告枠とコンテンツの内容を十分に検討しましょう。最終的には、Webサイトのトラフィックを伸ばす必要があり、そのためには効率よく投資する必要があるのです。

5.直帰率

直帰率は、あなたのWebサイトを訪問し、すぐに戻るボタンや画面を閉じるボタンを押した訪問者の割合です。直帰は、読み込み時間の遅さ、リンク切れ、Webサイトの使い勝手の悪さ、じゃまな広告や不要なスクリプト、キーワード選択の不適合など、さまざまな要因で発生する可能性があります。また、広告において直帰率が高いということは、クリックした広告と遷移先のコンテンツの関連度が低いのかも知れません。Google Analyticsは誤ったアクションを記録することもあるため、直帰率は他の指標と組み合わせて使用すると、より正確に原因を突き止めることができます。
またモバイル端末での読み込みが速くなるよう、Webサイトを最適化することも、直帰率を改善する対策のひとつです。じゃまな広告、サインアップフォーム、ポップアップなどでユーザーの気を散らさないようにしましょう。Webサイトのデザインは、シンプルで親しみやすいものが一番です。中小企業は、キーワード対策や広告を実施しても、ホームページを遷移先として使う傾向がありますが、広告の内容と連動させたランディングページを作成するのが最善です。

6. 平均ページ滞在時間

ランディングページにアクセスした訪問者がすぐに離脱しないからといって、問題がないとは限りません。ユーザーがそのページの閲覧にどれだけの時間を費やしたかによって、多くの情報が明らかになります。魅力的で面白いコンテンツは、当たり障りのない、情報のないコンテンツよりも長い時間、ユーザーの注意を引きつけます。どのサイトがより良いパフォーマンスをしているかをモニターし、コンテンツ改善に役立てましょう。
しかし例外は必ずあります。例えば平均ページ滞在時間が長いのは、コンテンツが理解しにくいからかもしれませんし、滞在時間が短いのは、ざっと読んだだけで情報が得られるということかもしれません。また、「後で見よう」と画面を開いたままにしている場合もあります。このような場合、そのコンテンツが人々の時間を費やすに値するかどうか、十分な情報に基づいて判断することが重要です。

7. ランディングページ

訪問者は最初にどのページにたどり着くのでしょうか。あるセンセーショナルなブログが、驚くほどのトラフィックを生み出すことがあります。適切なメールを送ることでも、たくさんの訪問者を集めることができます。データ解析をすれば、何がきっかけであなたのサイトに訪れたのか、彼らが何を求めているのかがわかります。ランディングページを基に同じような興味を持つ人々をグループ化してオーディエンスをセグメントし、それに応じてマーケティングキャンペーンを作成するのもひとつの施策です。

ランディングページは、どの広告、メール、ブログがリードを獲得しているのかを教えてくれます。ユーザーは、あなたがそれらの広告で訴求した内容を探しにページにアクセスするので、こうした行動特性を考察することにより、コンバージョン獲得を改善させることができます。

8. 離脱ページ

離脱ページとは、訪問者がWebサイトから離脱する前にいた最後のページのことです。どの訪問者もいつかは離脱しますが、ここで重要なのは、顧客が期待していたアクションを行う前に離脱したのかどうかです。このアクションが完了していれば、どのページから離脱したかを気にする必要はあまりありません。しかし、そうでない場合は、その離脱がページの問題により発生したのかを分析する必要があります。
もしかしたら、ユーザーはあなたのWebサイトをチェックしていて、また戻ってきて続きを読もうと考えているかもしれません。しかし時には、そのページに何らかの問題があって離脱してしまうこともあり得ます。いくつかのページで離脱率が高い場合は、コンテンツを見直し、嫌悪感を抱かせないようにしましょう。サイト内で数回スクロールした後にユーザーが離脱した場合、そのユーザーが読んだものが原因で離脱した可能性が高いです。スクロールマップ・ヒートマップ分析などを利用して、ユーザーが離脱した正確な箇所を特定し、コンテンツを再設計しましょう。

9. 検索キーワード

Webサイト内に検索バーを設置することは、訪問者にとってとても便利です。特にたくさんのコンテンツが存在する場合は、検索バーを設置することが重要です。ユーザーにとって必要な情報へのアクセスが容易になり、また、運営側にとってみれば、ユーザーがWebサイトで何を探しているのかを理解するのにも役立ちます。特定のトピックを他よりもたくさん検索する人がいる場合は、トップページにクイックリンクを用意して、アクセスしやすくするのがよいでしょう。ヘッダーとフッターには、ユーザーが探しそうなリンクを配置し、サイトマップを掲載して、ユーザーがWebサイト内を移動しやすいようにしましょう。こうすることで、ユーザーはワンクリックで欲しいものを読むことができ、より早く意思決定ができるようになります。

10. アクション率

最後に、最も重要な指標の1つとして、ユーザーがWebサイトを訪問した後、どれくらいの頻度で希望するアクションを完了したかの割合があります。このアクションは、マーケティングキャンペーンの意図に基づいて異なります。メルマガに登録してほしいのか、アンケートに答えてほしいのか、それともブログを読んでほしいのか。このような意図を満たすサイトを作成した場合、人々はどれくらいの頻度でその行動を完了するのでしょうか?結局のところ、アクション率を改善することに、Webサイトの成功があるのです。
だからこそ、訪問者を惹きつける魅力的なサイトにすることが重要なのです。アクション率が思ったより低い場合は、その原因を突き止める必要があります。ほとんどの場合、この記事で紹介した指標のいずれかに関係しているはずです。そうでない場合は、訪問者が期待するアクションを完了してもらうために、戦略を変更する必要があります。コンテンツを改善し、ページを磨き、価値のあるプロモーションを実施し、訪問者の行動にインセンティブを与えましょう。
適切な分析ツールとCRMを使用すれば、Webサイトを利用して、すべてのユーザーにパーソナライズされた価値を生み出すことができます。Webサイトの内側と外側を知るには、指標を注意深く観察する必要があります。そして、これらの数値を常に改善することが、Webサイトをビジネスの強力なリード獲得源にし続けるための最善の方法なのです。
ここに記載されていない指標で、積極的にトラッキングしているものはありますか?
あなたの考えや意見をぜひコメント欄で教えてください。

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