従業員満足度(ES)とは

従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)とは、従業員が仕事や会社に対してどの程度満足しているかを示す指標です。労働力不足が深刻化する現代において、ESは多くの企業が重要視し、調査や改善施策に積極的に取り組んでいます。

従業員満足度を改善するメリット

01

離職率の低下

02

生産性の向上

03

企業イメージの良化

従業員満足度が高まることで人材の定着や生産性アップが期待できるのはもちろんですが、働きやすい企業としての評価は採用や営業活動にも好影響をもたらします。Great Place To Work JapanやOpenWorkが実施する「働きがいのある会社」ランキングの受賞対象になることもあるでしょう。

Great Place To Work Japanの「働きがいのある会社」ランキング2025結果

大規模部門(1,000人以上)中規模部門(100-999人)小規模部門(25-99人)
1位DHL Expressアチーブメントあつまる
2位CiscoアトラエMahalo
3位HiltonフロンティアホールディングスKINGSMAN TOKYO

従業員満足度を正確に調査するには

01
調査に対するコミットメントと期待値の調整
02
匿名性の担保
03
従業員満足度調査の標準「eNPS」
04
必ず自由記述欄(回答の理由)欄を設ける
05
集計結果はできるだけ速やかにフィードバックする

調査に対するコミットメントと期待値の調整

調査の精度に大きな影響を与えるのは、実は設問の設計ではなく、調査実施前のコミュニケーションです。

調査実施の告知は単なる人事部からの事務連絡にとどまらず、社長や役員自らが「会社をより良くするためには、時には耳の痛い意見もぜひ聞かせてほしい」というメッセージを積極的に発信するようにしてください。

またすべての要望に応えることは難しいため、「給与を一律に引き上げることはできませんが、働きやすさの向上や評価制度の見直しは検討いたします」といった形で、事前に変革の範囲を共有することが重要です。これにより、期待値のズレから生じる失望感や次回以降の回答拒否を抑制できます。

匿名性の担保

自社で運用する簡易的なアンケート(Googleフォームや社内イントラネットなど)では、正確な回答を得ることは決してできません。なぜなら、「人事評価に影響するのではないか」「上司に特定されるのではないか」といった不安が、回答者の回答を無難なもの、すなわちノイズに変えてしまうからです。

外部システムの利用

回答の秘密保持を確実にするため、必ず第三者機関が提供するツールをご利用ください。また、「人事部は集計データのみを閲覧し、個別の回答内容を特定することはありません」と明確に伝えることが、正確な回答を得るための第一歩となります。

回答属性の粒度

部署や年代をあまり細かく絞り込みすぎないことが重要です。例えば、「30代・営業部・男性」と絞り込んだ結果、対象者が2〜3人程度になると、社員は特定を恐れて本音を記入しにくくなります。したがって、調査の最小単位は5〜10名以上となるように設定することが望ましいです。

従業員満足度調査の標準「eNPS」

質問項目が多すぎると、後半になるにつれて回答が雑になる(回答疲れ)が懸念されます。そのため、設問は鋭く、かつ本質を突いたものに絞ることが重要です。従業員満足度を測る最もシンプルで効果的な指標として、eNPS(Employee Net Promoter Score)の導入を推奨します。

eNPS℠とは

eNPS(Employee Net Promoter Score)とは、従業員が自社をどの程度推奨するかを基に、ロイヤルティやエンゲージメント(愛着や貢献意欲)を測定する指標です。

eNPSは、もともと顧客のロイヤルティを測定するための指標であるNPS®(Net Promoter Score)を従業員向けに応用したものです。具体的には、従業員が「自分の職場で働くことを親しい友人や知人にどの程度勧めたいか」を数値化することで、従業員の本音や職場に対する総合的な意識を定量的に把握することが可能です。

この質問に対して、従業員には「0点(まったくそう思わない)」から「10点(非常にそう思う)」までの11段階で評価してもらいます。

回答結果は、以下の3つのグループに分類されます。

推奨者(Promoter): 9〜10点をつけた人
中立者(Passive): 7〜8点をつけた人
批判者(Detractor): 0〜6点をつけた人

そして、eNPSスコアは、「推奨者の割合(%)」から「批判者の割合(%)」を差し引いて算出されます。

eNPS =(推奨者の割合(%))-(批判者の割合(%))

eNPSスコアは-100から+100の範囲で示され、数値が高いほど従業員のエンゲージメントが高いと評価されます。

eNPSは楽天、サイバーエージェント、メルカリをはじめとする多くの日本企業や外資系企業で導入されており、従業員満足度およびエンゲージメント調査の事実上の標準となっています。

※ eNPS℠は「ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ」の役務商標です。

必ず自由記述欄(回答の理由)欄を設ける

eNPSだけでは「なぜそのスコアになったのか」が明確にならないため、必ず自由記述と組み合わせて運用することが重要です。この際、「何か意見があれば書いてください」という曖昧な設問はNGです。以下のように具体性を持たせます。

「あなたが経営者だとしたら、まず何を変えますか?」
「業務効率を下げている最大の障害は何ですか?」

集計結果はできるだけ速やかにフィードバックする

調査結果が公表された後に従業員が「何も変わっていない」と感じると、次回の調査への信頼度が著しく低下します。これを「サーベイ・ファティーグ(調査疲れ)」と呼びます。調査を実施に際しての基本原則は、以下の通りです。

即時の結果開示

詳細な分析が完了する前でも、集計が終了した時点で概要を全社に共有します。これは、「不都合な数字を隠しているのではないか」という疑念を払拭するためです。

ネガティブデータの直視

ネガティブなデータを正面から受け止めることが重要です。スコアが低い項目こそ課題として積極的に公表し、会社が自らの弱みを認める姿勢を示すことが重要です。

「小さな改善」の実践

制度改革のような大規模な取り組みだけでなく、「休憩室の設備を新調した」「会議時間を短縮した」といった、調査結果に基づく小さな改善を速やかに実施し、その成果を示してください。「書くことで変化を実感する」経験こそが従業員とのエンゲージメントを強化し、次回以降の調査における正確な回答にもつながります。

従業員満足度調査の課題と解決策

匿名性の確保

前述した通り、従業員満足度調査にあたっては匿名性の確保が大切です。しかし完全匿名性のeNPSをExcel やGoogleフォームで実施するのは困難です。Excel ではファイルを受け渡す必要が生じてしまいますし、Googleフォームを匿名化すると二重回答が防止できません。

そこで解決策となるのがエンゲージメント調査ツールです。Zoho PeopleeNPS機能は回答を匿名にするオプションを備えています。働きがいに関するアンケートにはデフォルトでさまざまなテンプレートが用意されており、全従業員に対する調査もすぐに実施できます。

peopleesenps

集計の手間

従業員満足度調査の課題はなんといっても集計の手間です。社員数が多ければ多いほど、サーベイの収集と集計の手間は深刻です。にもかかわらず、調査結果は即時開示が求められます。

また、よりよい洞察を得るためには過去比較や部門間比較も重要ですが、Excel等で集計する場合はこれらのレポートを手作業で作成しなければなりません。

そこでおすすめしたいのが、エンゲージメント調査ツールの活用です。例えばZoho People に備わったeNPS機能なら、集計結果がひと目で分かるレポートダッシュボードをリアルタイムで提供してくれます。集計にかかる人事部門の手間を大幅に削減し、フィードバックをお待たせすることがありません。

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また、特に集計に時間がかかるのが自由記述欄です。自由記述欄の重要性は前述の通りですが、多用なコメントを機械的に分類するのは不可能ですから、ここは人力で対応しなければなりません。

ここでもエンゲージメント調査ツールが役立ちます。Zoho People では、選択式の設問と自由記述の回答を組み合わせて収集できるため、従業員の満足度や課題を定量・定性の両面から把握することができます。

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