「従来のCRM 」と「ソーシャル CRM」 の違い
それぞれの位置づけ
従来のCRM
収集・管理した顧客データに基づき、さまざまな対顧客活動を実行。営業担当者と顧客との商談や、サポート担当者による顧客の問題解決支援といった「コミュニケーションそのもの」が主な役割です。
ソーシャルCRM
顧客とのコミュニケーションや企業の認知を、ソーシャルをはじめとしたチャネルでのコミュニケーションの中で目指す。売り込むことなく、顧客の関心ごとをコミュニケーションの軸に、興味を喚起します。
対顧客コミュニケーションの特徴
従来のCRM
電話、メールといったおなじみの手段で顧客とコミュニケーションを実行。コミュニケーションは企業の労働時間内に行われます。
ソーシャルCRM
主体は顧客にあり、すべてのコミュニケーションは顧客の好きなタイミングで行われます。
ソーシャルCRMが注目される理由
ソーシャルメディアの普及
今や世界のソーシャルメディア人口は30億人以上。つまり、約5人に2人が日々何らかのソーシャルメディアを使っている計算になります。人々の生活に欠かせないものとなったソーシャルメディアは、製品やサービスを知る・調べるツールとしても定着。人々の購買活動の重要な入口にもなっています。
すべての企業にとってソーシャルメディア戦略は不可欠。ソーシャルメディアによって、企業は顧客と出会い、認知されるだけでなく、見込み客を獲得し、既存の顧客との関係性を強化することも可能です。
出典:「デジタル2019:グローバル・オーバービュー・レポート」
顧客の購買行動の変化
ソーシャルメディアの浸透によって、顧客の購買行動も変化しています。
ユーザーは、友だちや専門家、インフルエンサーとの交流を通して、製品・企業に関する評価や口コミなどさまざまな情報を収集します。ユーザーはソーシャルメディアを通じて、企業やブランドと長期的な関係性を維持できるようになりました。また、彼らは潜在的に、次のことを期待しています。
- どのソーシャルメディアでも変わらないユーザー体験
- カスタマーサービスによる、ソーシャルメディアを介した価値ある体験
- ソーシャルメディア上における、有益で関連性ある質の高いコンテンツの共有
- ソーシャルメディアを通じた積極的かつリアルタイムな対応 - 顧客がある課題につて
また投稿した場合、1時間以内に企業による解決案の提供を期待しています。
ソーシャルCRMの種類
組み込み型ソーシャル CRM
CRMには、すでにソーシャルメディア機能を内蔵しているものもあります。この機能により、自社に関連するメッセージや投稿があると、ソーシャルメディアの公式アカウントから通知が送られてきます。
スタンドアローン型ソーシャルCRM
ソーシャルメディア機能が組み込まれていないCRMでは、CRM内のソーシャルメディア機能やインサイト(分析ツール)にアクセスするために、スタンドアローンのCRMソフトウェアとサードパーティ製品との連携が必要です。
ソーシャルCRMを使うメリット
01
サポートチームの強化
CRMは、カスタマーサポートの担当者に、顧客の問題を特定しすばやく解決するために必要な情報を提供します。
02
顧客に対するより深い理解
リアルタイムのデータを取り込むことで、ターゲットとする顧客層に関する貴重な分析を提供。この情報をチーム内で共有すれば、パーソナライズされた一貫した顧客体験を潜在顧客に提供できます。
03
より適したコンテンツの提供
ソーシャルメディアから収集した情報を活用して、興味深く、魅力的なコンテンツを作成。適切なチャネルを通じて発信することで、獲得したい顧客層へスムーズにアプローチできます。
04
顧客との関係性を強化
ソーシャルメディアCRMから収集した情報を利用して、見込み客とより有意義な会話が可能に。親しみを感じてもらいやすくなり、見込み客との関係が深まります。
05
顧客からのフィードバック
ソーシャルメディアCRMを使えば、顧客からのフィードバックが瞬時に獲得可能。特別なツールを使うことなく、顧客の意見を収集し、製品・サービスを改善できます。
06
接触機会の増加で認知度の向上
ソーシャルメディアを通じて自社製品のファンやインフルエンサーを特定。彼らとのコラボレーションによって、市場や顧客との接触機会を増やし認知度を向上できます。
ソーシャルメディアを活用効果
ブランド認知度と顧客満足度向上に貢献
ソーシャルメディアでの発信を10%増加させた企業は、
7% ブランド認知度が向上
4% 顧客満足度が向上
ユーザーとのエンゲージメントの向上
「いいね!」「コメント」「メンション」「フォロワー」などのユーザーからのリアクションが10%増加するたびに、
12% ブランド認知度の上昇
3% 顧客満足度の向上
6% 購買意欲の増加
ソーシャルCRMの課題
重要な情報をいかに特定するか
ソーシャルCRMを活用するためには、膨大な量のソーシャルメディアデータの中から、ビジネスに役立つ情報の特定が必須。間違ったデータを選ぶと、チームの貴重な時間と労力を無駄にすることになりかねません。
新たなツールやトレンドのフォロー
ソーシャルメディアチャネルは増え続けており、常にアンテナを張っておく必要があります。また、それとは別に、常に変化する顧客の行動もフォローしていかなければなりません。
顧客データを戦略に生かす取り組み
ソーシャルメディアデータの量は膨大なため、重要な顧客情報がその中に埋もれてしまう可能性も。顧客データを整理し、顧客ごとに戦略を立てて、ソーシャルメディアCRMをどう使っていくかを考えることが欠かせません。
変わりゆくソーシャルメディア、ユーザーへの対応
移ろいの激しいソーシャルメディアや顧客の関心・ニーズに適応するには継続的な努力が欠かせません。取り残されないためには、最新のソーシャルメディアの傾向や顧客とのやり取りを常に把握することが必要です。
すぐに結果が出ないことへの焦り
ソーシャルプロフィールから顧客データを収集・整理して、効果的なカスタマーサービス戦略を立案し、その結果を分析する…という一連のプロセスには時間がかかる上、投資効果もすぐには得られません。粘り強く、良質なカスタマーサービスを提供し続けることが成功の鍵です。
Zoho CRM でソーシャルCRMを実現しましょう
- ソーシャルメディアに参加し、見込み客や顧客の投稿をモニタリング。企業や製品に対する興味・関心を把握し、顧客との良好な関係を築きます。
- 役割を割り当て、ソーシャルメディアCRMで誰が何にアクセスできるかを制御します。
- 「コメント」、「投稿」、「いいね」、「ツイート」、「リツイート」、「メッセージ」、「メンション」などの自社に関するソーシャルメディアアクティビティを分析。自社がどのように認識されているかを追跡します。
- ソーシャルメディアから獲得した見込み客をリードや連絡先としてZoho CRM アカウントに追加します。
- ソーシャルメディアデータをビジネス要件に応じてフィルタリングや分類し、効率的に管理・活用します。
- 活動履歴でソーシャルCRMのすべての活動を記録。履歴は必要に応じていつでも参照できます。
- リードや連絡先の追加など、予測可能なタスクは、指定した条件に基づき自動化。これにより、時間と労力が節約でき、手作業によるミスを減らせます。
よくある質問
- Q
企業はどのようにソーシャル CRM を使っていますか?
ソーシャルメディアアカウントをCRMアカウントと連携し、ビジネス戦略としてソーシャルCRMを運用。これにより見込み客や顧客と接点を築き、彼らの行動を把握し、ニーズに合った製品やサービスを提供する企業も増えています。ソーシャル CRM は、従来の対顧客コミュニケーションを補い、企業に付加価値を提供します。
- Q
「ソーシャル CRM 」とは何ですか? なぜ重要なのでしょうか?
ソーシャル CRM とは、ソーシャルメディアのアカウントと企業の CRM を連携したものです。人々の生活に浸透したソーシャルメディアは今や非常に重要なツールであり、潜在顧客が企業や製品について議論する場でもあります。これらの価値のあるフィードバックを逃さないためにも、CRMとソーシャルメディアを連携して活用することは不可欠です。
- Q
CRMはソーシャルメディアとどのように連携しますか?
CRM はソーシャル CRM を通してソーシャルメディアと連携できます。ソーシャル CRM は、CRM に組み込まれている場合もあれば、CRM と連携したスタンドアローンソフトウェアの場合もあります。この連携により、企業は顧客の興味やニーズに関する情報を得られ、営業活動などに役立てられます。
- Q
ソーシャルメディアがカスタマーサービスにもたらすメリットは?
ソーシャルメディアは、いわば企業と顧客間のリアルタイムな交流の場。そのため、ソーシャルメディアにおける会話は、従来のコミュニケーションチャンネルにおける会話よりも自然なものです。この特性から、企業は顧客の気持ちをより深く理解でき、顧客のニーズや関心に応えるカスタマーサービスを提供できます。
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