メルマガの開封率とは?
メルマガ開封率の平均値と業界比較
メルマガの開封率を向上させるためには、まず業界全体の平均値や自社が属する業界の水準を理解することが重要です。
ここからは、全体平均と業界別の開封率を詳しく見ていきます。
全体平均
一般的に、メルマガの開封率は15%~25%が平均的な範囲とされています。
ただし、これは配信リストの質やメールの内容、件名の工夫など、多くの要因に影響されます。
そのため、自社のメルマガの開封率を評価・改善する際には、一般的な平均値に加えて、業界別のベンチマークを参考にすることが重要です。
まずは、自社が属する業界の平均開封率を上回ることを目標に設定すると良いでしょう。
業界ごとの開封率
では、業界ごとの開封率の平均値を詳しく見ていきましょう。
CRMやメール配信ツールなど多くのビジネスアプリケーションを提供するグローバルSaaS企業 Zoho Corporation は、業界ごとの平均開封率や平均クリック率を集計しています。
以下は、2023年の主要業界別の平均値(US データセンター)です。
※本ベンチマークレポートではボットによる開封やクリックが除外されています。

業界 | 平均開封率 | 平均クリック率 | 平均登録解除率 |
自動車 | 20.8 | 1.1 | 0.1 |
銀行 | 16.4 | 2.4 | 0.1 |
製薬 | 23.8 | 1.4 | 0.1 |
電子機器 | 20.0 | 1.1 | 0.1 |
卸売・小売 | 27.2 | 1.1 | 0.2 |
ファッション | 28.7 | 2.2 | 0.1 |
通信 | 21.5 | 1.2 | 0.2 |
プロフェッショナルサービス | 27.2 | 4.9 | 0.3 |
人事および関連サービス | 17.3 | 1.4 | 0.2 |
人材紹介および人材派遣 | 18.7 | 1.1 | 0.1 |
専門ブログ | 22 | 1.6 | 0.2 |
セキュリティ | 21.2 | 1.2 | 0.2 |
清掃サービス | 25.8 | 1.4 | 0.1 |
エンターテイメントとイベント | 25.2 | 4.0 | 0.2 |
アート・クリエイティブ | 22.8 | 1.4 | 0.2 |
ホスピタリティ | 31.8 | 2.2 | 0.9 |
観光 | 26.0 | 1.1 | 0.1 |
旅行・運輸 | 26.0 | 1.1 | 0.2 |
クラブ・趣味 | 37.2 | 1.5 | 0.1 |
ネットワーキング | 24.4 | 1.5 | 0.3 |
公共サービス | 33.1 | 1.5 | 0.1 |
政治非営利団体 | 34.8 | 1.9 | 0.1 |
政治 | 28.3 | 1.3 | 0.6 |
公益事業 | 19.5 | 1.4 | 0.2 |
その他 | 13.1 | 2.3 | 0.1 |
平均 | 24.1 | 1.6 | 0.2 |
出典:Email Benchmark Reports 2022-2023,Zoho Corporation Pvt. Ltd.
このように開封率に差が生じる理由は、業界ごとのターゲットの関心度やメールの内容の性質に起因します。
例えば、政治非営利団体(34.8%)やクラブ・趣味(37.2%)は読者の共感や関心を集めやすく、開封率が比較的高くなる傾向があるようです。
一方、銀行(16.4%)、人事および関連サービス(17.3%)、人材紹介および人材派遣(18.7%)は、メルマガのみならずアプリの通知など、顧客にとって多くの情報が届く競争の激しい分野と言われています。特にリストへ一斉配信を行うような、パーソナライズやセグメント配信が十分に活用されていないケースでは、開封率が低めになる傾向があるようです。
メルマガ開封率をKPIに設定する重要性
メールマーケティングの成功には、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定と継続的な改善が不可欠です。中でも開封率は、メールが読者に届き、関心を引きつけたかを示す基本的な指標であり、現在のメールマーケティング施策を把握する上で欠かせません。この指標を追跡することで、件名や配信タイミングなど、具体的な改善点が明確になります。さらに、開封率の向上は、その先のクリック率やコンバージョン率といった他の重要なマーケティング成果全体にも良い影響を与えるため、メルマガ戦略の基盤として重要なのです。
メルマガ開封率を上げる12の具体的な方法
メルマガの開封率を向上させるには、戦略的なアプローチが欠かせません。
ここでは、メルマガの開封率を上げる実践的な12の方法を詳しく解説します。
- 1. 件名で関心を喚起
- 2. 件名は簡潔に
- 3. 件名に数字を
- 4. プリヘッダー
- 5. 差出人名
- 6. 配信時間・曜日
- 7. 配信頻度
- 8. 配信リスト
- 9.迷惑メール防止
- 10. セグメント
- 11. レスポンシブ
- 12. A/Bテスト
1.件名で有益性・緊急性・具体性を打ち出す
件名はメール開封を左右する最も重要な要素です。
読者にとって「何のメリットがあるのか」や「どのような悩みに応えてくれるのか」が明確で、かつ緊急性や具体性を感じられる件名にすることで、開封意欲を高められます。
過去に当社が実施したウェビナーの集客メールの中で、開封率が高かった件名は、読者の課題に応えることを打ち出した内容でした。
例:
「今週開催|マーケティングオートメーション(MA)を始めませんか?」
「CRMだけでいいですか?Zoho CRM Plus とは|3/16ウェビナー」
前者の例は、MAに興味があるターゲットに絞ってセグメント配信を行ったことで、66.7%と非常に高い開封率を記録しました。
2.件名の文字数は少なめに。冒頭で重要な情報を伝える
件名は短く、分かりやすい表現であることが求められます。
多くのメールクライアントでは件名の表示可能な文字数に制限があり、特にスマートフォンでは20文字程度しか表示されません。
そのため、冗長な表現は避け、冒頭部分で要点を伝えるようにしましょう。
3.件名に数字やキラーワードを活用する
数字やキラーワードは、件名に視覚的なインパクトを与え、読者の目を引くために効果的です。
メールの件名に「5つのポイント」のような具体的な数字や、「必見」「限定」といったキラーワードを使うと、視覚的なインパクトを与え、読者の関心を引くことで開封率を高められます。これらの要素を組み合わせることで訴求力はさらに向上しますが、過度な使用は避け、内容との整合性を保つことで、読者の信頼を損ねずスパム扱いされるリスクも減らせます。
例:
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4. プリヘッダーテキストを活用
プリヘッダーテキストは、件名のすぐ下に表示される補足情報で、件名だけでは伝えきれないメリットを読者に伝え、開封を促します。特にスマートフォンでは件名と並んで表示されるため、限られたスペースで内容を簡潔かつ魅力的に伝えることが、読者の第一印象を左右し、メールを開封する価値を感じさせる鍵となります。
例:
件名:【明日開催】成果につなげるメルマガのTIPS10選解説
プリヘッダー:比較表付き資料を参加者全員に進呈!

5. 差出人名は読者が親しみやすいものに
メールを開封するかどうかを左右するもう一つの重要な要素が「差出人名」です。
差出人名が読者にとって信頼でき、親しみやすい名前であることが開封率向上に大きく貢献します。企業名だけでなく、「Zylker|高田」のように担当者名やブランド名を組み合わせることで、読者との距離を縮め、開封率を高める効果が期待できます。一貫した差出人名で信頼を築きつつ、イベント告知など目的に合わせて柔軟に変更するのも良いでしょう。
例:
営業からの連絡 → 「Zylker|高田」
技術サポート →「Zylker カスタマーサポート」
イベント集客 → 「Zylkerイベント運営事務局」
6. 配信時間・曜日を最適化
メルマガを配信するタイミングも開封率に大きく影響します。読者の生活スタイルを考慮し、メールを開封しやすい時間帯や曜日をテストして最適化しましょう。
以下は、メルマガを配信する際に開封率が高いとされる曜日と時間帯を、対象者ごとに表にまとめたものです。

例えば、同じB2Cであっても、ビジネスパーソン向けのメルマガは、平日の通勤時間帯や昼休み、帰宅時間帯に送信すると開封率が高くなります。一方、消費者向けのメルマガは、週末や特定のイベント前後に配信することで反応が得やすくなるという違いがあります。
また、受信者ごとに最適な配信時間に送り分けるツールを使うのもおすすめです。

7. 配信頻度を適切に調整
配信頻度が高すぎると「スパム」と感じられる可能性があり、低すぎると忘れられてしまいます。
業界でのトレンドやターゲット層に応じて最適な頻度は異なりますが、まずは月1~4回から始めて、自社にとって適切な配信頻度を見極るのがよいでしょう。
なお、送り過ぎを防ぐために、配信メール数に上限を設定するツールを使用するのもおすすめです。

8. 配信リストを定期的に精査
配信リストの質はメルマガのパフォーマンスに直結します。
非アクティブなユーザーや無効なアドレスが含まれていると、到達率やドメインの評判が低下し、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられやすくなるため、開封率の大幅な低下に繋がります。そのため、定期的にリストを精査し、非アクティブなアドレスの削除や再エンゲージメント施策を通じて、常にアクティブで質の高いユーザーにのみ配信を行うことが重要です。
精査を行う際には、メール配信ツールの分析機能を活用し、開封履歴やクリック履歴をもとにユーザーを分類するのがおすすめです。さらに、非アクティブなユーザーに対しては「再エンゲージメントメール」を送信し、アクティブユーザーとして復帰させる取り組みも有効です。
9. 迷惑メールにならないようにする
メールが迷惑メールフォルダに入ると、開封される可能性はほぼなくなってしまいます。これを防ぐには、スパムと判断されやすい過剰な表現を避け、読者に自然で有益な内容を伝えることが重要です。
加えて、SPF、DKIM、DMARCといったメール認証技術を適切に設定し、送信元の信頼性を高めることで、メールの到達率を向上させ、迷惑メールフォルダへの振り分けを防げます。
参考:メールの到達率を高める、メルマガ配信ツールの活用方法とは
10. セグメント配信を活用
全員に一律の内容を送るのではなく、読者の興味や属性に合わせてセグメント分けを行い、パーソナライズした内容を送ることで、開封率を大幅に向上させることができます。
例えば、読者の購買履歴や閲覧履歴に基づいて、「新規顧客向け」「既存顧客向け」「特定サービスに興味を持つ読者向け」などのセグメントを作成し、それぞれに合わせた内容を配信することで、読者は「自分のためのメール」と感じやすくなり、開封やアクションの可能性が高まります。
セグメント配信は、顧客が必要とする情報を提供することでメールの価値を高め、顧客体験と長期的なエンゲージメントの向上にもつながるため、積極的に活用しましょう。

11. 閲覧デバイスを意識したデザインを採用
多くの読者がスマートフォンでメールを閲覧するため、モバイルフレンドリーなデザインは開封後の離脱を防ぐ上で不可欠です。具体的には、短く簡潔な文章、画像を適度に活用した分かりやすい構成、あらゆるデバイスで適切に表示されるレスポンシブデザイン、そして読みやすいフォントサイズを心がけることで、ユーザー体験を向上させ、メールの訴求力を高めることができます。

12. A/Bテストを実施して改善点を発見
異なる件名や配信元名でA/Bテストを行い、どのバリエーションが最も高い開封率を達成するかを分析します。
A/Bテストで開封率を改善する場合は、以下の要素がテスト対象になります:
- 件名:内容やトーンを変えた複数の件名をテストし、どれが最も開封されやすいかを分析します。たとえば、「セール開催中:本日まで!」と「今だけ!全商品20%オフ」のように、異なる訴求方法を試してみましょう。
- 配信元名:配信元名は、読者がメールを開封するか否かの判断に大きな影響を与える要素の一つです。企業名、ブランド名、担当者名など、さまざまな組み合わせをテストすることで、最適な配信元名を見つけましょう。

なお、A/Bテストでクリック率を改善する際は本文(ボタンの配置や画像の有無、色使いなど)をテストします。これらを繰り返すことで、自社にとって効果的なメール施策を確立できます。
メルマガ開封率を上げた成功事例
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