業績評価とは、従業員のパフォーマンスを体系的に文書化し、評価することです。一般的には、さらなる成長や開発が可能な従業員の能力を把握するために定期的に実施されます。業績評価は、従業員評価、業績レビューと呼ばれることもあります。
従業員を評価することで、従業員は会社における各自の役割を明確に把握できます。また、従業員のパフォーマンスについて詳しく話し合うことで、モチベーションが生まれ、達成感や目的意識が高まります。また、従業員に報酬を配分する場合、雇用主にもメリットが生まれます。定期的なパフォーマンスレポートにより、どのような場合にリソースを最も有効に活用できるかがわかります。また、雇用主は、組織における従業員のパフォーマンスを定量的に把握することで、既存の採用プロセスの検証や微調整を行うこともできます。
また、評価を実施することで、組織内のコミュニケーションが円滑になり、信頼感も生まれます。マネージャーは各従業員のスキルセットを把握でき、従業員は各自に期待されていることを適切に理解できるようになります。その結果、両者の期待値を管理し、信頼関係を構築できます。評価システムは、従業員への理解を深め、組織全体のビジョンを推進することで、組織としての成果を上げることにつながります。
360度評価のような完全に主観的な評価方法を採用している組織では、従業員の苦情や不満が増加しているケースが多く見られます。こうした苦情は、マネージャーが客観的な尺度ではなく、「好感度」で従業員を評価する傾向があることが大きな要因です。どのパフォーマンス評価も、ある程度は測定が可能ですが、公正で繰り返し可能な手法を適用し、評価を実施するたびに文書化する必要があります。
また、従業員は評価自体がストレスになり、集中できないという不満を抱く傾向もあります。このような状況は、多くの場合、従業員と雇用主の間に信頼関係の深刻な欠如があることが原因です。そのため、従業員は評価が不十分で、評価システムから得られるものは何もないと思ってしまいます。
市場での損失に直面している組織では、従業員に対してさらに高く、実情に合わない目標を押し付ける傾向があります。同じことがパフォーマンス評価にも当てはまります。そして、目標を達成する従業員より、達成できない従業員の方が多くなる傾向があります。その結果、組織全体の士気や満足度が余計に低下してしまいます。
組織の専門分野にかかわらず、最適なパフォーマンス評価には、4つの主な特徴があります。
評価の多くは、通常、年1回または半年に一度、実施されます。実施期間が短いほど、負担が増し、多くのリソースが必要になります。逆に、期間が長すぎると、従業員は方向性を見失い、フィードバックが不足する傾向があります。そのため、上司による定期的な非公式のフィードバックで評価を補足し、従業員を組織に適合させる必要があります。
評価プロセスは、組織のすべてのメンバーに対して、かんたんに繰り返し実施できるものでなければなりません。そうでなければ、多くの人にとって不公平な評価になってしまいます。評価の方法は、すべての従業員が誰でも自由に使えるようにすべきです。プロセスを明確化することで、従業員は自分に期待されていることを適切に理解できるので、組織との信頼関係が構築されます。
すべての評価には、個人的な偏見があってはなりません。端的に言えば、1人の従業員の1年間の業績を2人の上司が評価する場合、両者による評価が異なるべきではありません。プラスの評価もマイナスの評価も、対象期間内に従業員から得られた成果のみに基づくべきです。
最後に、すべての特徴の中で最も重要なのは、評価が「完全」でなければならないことです。評価では、従業員について入手可能なすべての情報を考慮する必要があります。評価は、従業員の実績などの基本的なものだけでなく、必要なトレーニング、パフォーマンスに対する自己評価や同僚による評価、仕事に対する満足度などの要素にも注目する必要があります。そうすることで、従業員と雇用主は、従業員の強みと弱みを完全に理解できます。前向きで意欲が高く、適切に評価されている従業員は、はるかに優れたパフォーマンスを発揮します。そして、期待を上回る成果を達成する傾向があります。Zoho Surveyを使えば、公平な評価システムを構築して、今後の改善の土台を築くことができます。