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CRM/SFA 導入事例案件管理の精度を高め、機会損失を大幅減!
プロ選手のユーズド品に新たな価値を創出する、
バリュエンスジャパンのZoho CRM 活用術

プロスポーツやエンターテインメントの世界で生じるユーズド品を、ファンや地域社会に還元し、新たな価値を創出する──。

バリュエンスジャパン株式会社が運営する「HATTRICK(ハットトリック)」は、プロ選手が実際に使用したユニフォームや役目を終えたバナーを活用したオークション・アップサイクル、売上の一部による寄付や災害支援活動など、多彩な取り組みを展開しています。

そんな同社が、事業の急成長に伴い、案件管理や進捗把握が複雑化する中で選んだのが、Zoho CRM 。同時進行する多数のプロジェクトを効率的に可視化し、チーム全体で機会損失を減らすための武器となった導入効果について、HATTRICK責任者の福重瑛貴氏に話を伺いました。

「Zoho CRM を導入することで“やるべきこと”が具体的に可視化され、以前は3~4割ほどあった機会損失を1割くらいまで減らすことができました」

バリュエンスジャパン株式会社 HATTRICK事業課 課長
福重瑛貴氏

―はじめに、バリュエンスジャパン株式会社と、その中で福重さんが統括するHATTRICK事業課について教えてください。

福重氏:当社、バリュエンスジャパン株式会社は、ブランド品や骨とう品、美術品といったラグジュアリー商材を中心に、リユース事業をグローバルに展開しています。自動車や不動産といった領域にも事業を広げており、「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」というミッションのもと、多様なサービスを提供している会社です。代表の嵜本晋輔が元Jリーガー(ガンバ大阪在籍)という経歴を持っており、その経験からスポーツの持つ潜在的な価値に着目したことが、現在のスポーツ事業の原点になっています。

その中で私が担当しているのが「HATTRICK(ハットトリック)」です。これはスポーツやエンターテインメント領域に特化した取り組みで、現在は205社のスポーツチームやエンタメ団体とお取り引きをしています。具体的には、クラブや選手が保有する不要になった商材をお預かりし、オークションやEC、リアルな販売会などを通じてファンや地域社会に還元しています。

事業は今年で4年目を迎え、これまでに約2,400件のプロジェクトを実施しました。たとえば、プロ選手が実際に使用したユニフォームや用具を販売したり、売上を子どもたちや地域社会への支援、寄付や災害支援に活用したりと、社会貢献型の取り組みも積極的に行っています。さらに近年では、不要品をリメイク・リサイクルして再び価値を生み出す取り組みにも挑戦しています。

急拡大する事業。倍増したプロジェクトをエクセルでは管理しきれない状況に

―今回、Zoho CRM を導入するにあたっては、どのような課題を抱えていたのでしょうか?

福重氏:きっかけは、事業のスケールが一気に大きくなったことです。
HATTRICK事業はもともと別会社で運営していたのですが、それを当社へ事業譲渡した2021年6月からバリュエンスが運営を担うようになりました。その結果、取引先の数もプロジェクトの数も1.5倍から2倍に膨らみ、事業が急速に拡大していったんです。

ところが当時は、数字や案件のステータス管理をすべてアナログで行っていたため、どうしても管理が追いつかない状況でした。具体的には、エクセルを用途別にいくつも作成して、ファイルAを見てはファイルBに移り、さらにファイルCも開いて…という形で複数のシートを並行して管理していたんです。

ファイル自体もOneDrive上で共有し、更新・保存を繰り返すやり方だったので、どうしても更新漏れや情報のタイムラグは避けられませんでした。

また、ステージ管理そのものは一応できていたものの、リアルタイム性や正確性に欠ける点が課題でした。事業の成長に対応しつつ、効率よく、かつコストを抑えて運用できる仕組みが必要だと感じたのがきっかけです。

―数あるSFA/CRMの中から、Zoho CRM を選ばれた決め手について教えてください。

福重氏:一番大きかったのはコストですね。事業規模が拡大する中で継続的に使っていくことを考えると、ランニングコストが無理なく抑えられる点は非常に重要でした。

もう一つ重視したのは導入後のサポート体制です。多くのSaaSツールでは、契約後に「アカウントを開設しました。以降はお任せします」といった対応になることも多く、私たちにとってはそれが一番の不安材料でした。

導入はできても、結局エクセルに戻ってしまう…という状況は避けたい。Zoho CRM はその点、運用がスムーズに立ち上がるまで手厚く支援してくれる印象があり、実際に担当者の説明も非常に信頼できる内容で安心感がありました。

機能面に関して言えば、正直どの製品も基本的な部分はほぼ揃っていると感じています。ですから差別化のポイントは「導入後にきちんと使いこなせるかどうか」。私たち自身で確実に運用していけるという確信を持てたことが、Zoho CRM を選んだ一番の理由でした。

―ここからは実際にお使いのZoho CRM の画面を見ながらお話を伺えればと思います。現在主に使用しているタブにはどのようなものがありますか?

福重氏:もっとも頻繁に利用しているのは「案件」タブです。ここはカンバンビューで構成していて、各案件が「計画中」「見通しあり」「中止」「リスケ」「クロージング」といったステータスごとに整理されています。

このビューによって、いま進行している案件の数や金額、逆に失注や延期になった案件の状況を一目で把握できるんです。また、期ごとにどれくらいの案件が売上として見込めるのかも、一目で把握できます。

金額ベースと件数ベースの両方で視認できるため、営業・企画チーム全体の進捗や売上見通しをリアルタイムに共有できるようになりました。

valuencesec1「案件」タブをカンバンビューで活用。各案件の進捗や売上見込みを、件数・金額ベースで一目で把握できる。

―エクセルでは限界があった部分が、Zoho CRM でどう解消されたと感じますか?

福重氏:もちろんエクセルでも、列を「計画」「見通し」「開催中止」といった形に分ければ同じようなことはできます。ただ、Zoho CRM ではドラッグ&ドロップで案件を動かすだけでステータスが更新され、自動で件数や売上も再計算されるので、圧倒的に手間が減りますし、とても直感的です。

さらに、案件の詳細ページでは、開催日や売上、出品点数、主催会社の情報や競技ジャンルといった必要な情報をすべて一元的に管理できます。経営に報告する資料を作成する際も、ジャンル別やランク別にデータを抽出できるようカスタマイズしているので、フィルタリングや分析もスムーズです。案件ごとに必要な情報が一画面に整理されているのは非常に便利だと感じています。

valuencesec2案件の詳細画面。開催日や売上、出品数、競技ジャンルなど、必要な情報を一元的に管理できる。データはフィルタリングや抽出にも対応し、経営資料の作成や分析もスムーズに行える。

Zoho CRM で案件とタスクを一元化し、数字の進捗までリアルタイムに可視化

―案件管理に紐づくかたちで、さまざまな活動やタスクも発生すると思いますが、それらもZoho CRM上で管理されているのですか?

福重氏:そうですね。基本的に1プロジェクトに対して必要なタスクが自動的に生成されるようになっています。案件を作成すると、会社名を選ぶだけで業種や商材区分などの情報が自動入力され、さらに撮影や物流連携、掲載サイトの選択、取引先の承認状況、発生コストとその時期など、必要な情報を一括で登録できる仕組みです。

そのうえで保存すると、終了日から逆算して「今後の活動」として具体的なタスクが自動表示されます。たとえば完了日を8月末に設定すると、「企画提案は6月16日まで」「合意は7月16日まで」など、各プロセスの期限がリスト化されるかたちです。

このタスク情報をベースに、担当者ごとにやるべきことが一覧で表示されるので、メンバー全員が自分の役割を明確に把握できます。プロジェクト単位の案件管理と個人単位のタスク管理がシームレスにつながるのは大きな利点ですね。

valuencesec3案件の終了日から逆算してタスクを自動生成。「企画提案」「合意」など各プロセスの期限が一覧化され、担当者ごとの行動が明確になる。

―Zoho CRM のアナリティクス機能についてはいかがですか?

福重氏:はい、活用しています。たとえば(画像1)のように、ダッシュボードで売上目標や見通し、現状の数値を一目で確認できます。こうした進捗がリアルタイムで可視化できるのは非常に便利ですね。商材別やチーム別の売上状況も把握でき、営業担当者ごとの数字も確認できるので、メンバー同士が切磋琢磨するモチベーションにもつながっています。

valuencesec4(画面1)Zoho CRM のアナリティクス画面。売上や利益の進捗をリアルタイムで可視化している。

また、(画像2)のように、アナリティクス上では上期・下期に分けて月単位の売上や見通しも確認しています。仕様上、1画面に最大20項目まで設定できますが、その範囲で必要なデータを整理し、各メンバーが自分の数値や目標を常に意識できるようにしています。

valuencesec5(画面2)月単位の売上見通しを一覧化。チームや個人単位での状況も即座に把握できる。

―業務の中で、このアナリティクスはどのように使われているのでしょうか?

福重氏:基本的に、隔週で全メンバーが集まり、現状の進捗や目標との差分を振り返り、翌月に向けたアクションを議論しています。また週次ではチームごとに集まり、売上や案件の進捗を確認するMTGを行っています。その際、このアナリティクスの画面を見ながら「あといくら不足している」「今期はこれだけ超過している」など具体的な数値をもとに議論できるので、目標達成への意識づけとアクションの明確化に大いに役立っています。

―Zoho CRM を導入したことで、具体的にどのような変化がありましたか?

福重氏:営業メンバーそれぞれが「自分の数字が今どれくらいなのか」「あとどれだけ積み上げれば達成できるのか」「どのクライアントで売上を見込めているのか」といった点を、Zoho CRMによって把握できるようになりました。

週単位でモニタリングが可能になったことで、「今月は状況が厳しそうだから意識して取り組まないと」という曖昧な感覚ではなく、「今月はあと○円必要だから、そのために○件動こう」と具体的な行動に落とし込めるようになったのは大きな変化ですね。

また、従来は案件管理の抜け漏れが多く、全体の3~4割は機会損失になっていた感覚がありました。それがZoho CRM導入後は1割程度まで減少し、明らかに精度が上がったと感じています。特に、期初に翌期1年分の案件計画をすべてCRMに登録する仕組みにしたことで、「この案件を成立させるには、いつまでに提案が必要か」といったアクションが自動的に可視化されます。その結果、営業とサポートが役割分担しながら、計画からクロージングまでのPDCAを着実に回せるようになりました。

満足度は“ほぼ100点”。将来はAIと連携し、営業活動をさらに進化させるビジョンも

―導入時に決め手とされていたサポートについて、実際の導入後の満足度はいかがでしょうか?

福重氏:満足度で言えば100点満点に近いと思います。

確かZohoでは一定期間を過ぎると専任の担当者が付かなくなる仕組みがあったので、私はその期限までにできる限り多くのコミュニケーションを取るようにしました。

その時のご担当者には本当に感謝しています。画面のスクリーンショットを送っていただきながら具体的に説明してもらえたり、Q&A対応も単なる答えにとどまらず、「はい、そうです。でも別のやり方もありますよ」と常にプラスアルファの提案をいただけたんです。そのおかげで理解が深まり、自分たちの運用に落とし込みやすかったと感じています。

―今後、Zoho CRM をさらに活用していくうえで、取り組んでみたいことはありますか?

福重氏:やはりAIの活用ですね。今は売上や案件の管理についてはZoho CRM を使ってしっかりとできていますが、今後はより客単価やLTV(顧客生涯価値)を高めていくために、CRMやMA、BIといった領域を横断的に組み合わせていきたいと考えています。

その際にAIが組み込まれ、分析や提案をサポートしてくれると非常に面白いかな、と。

たとえば客単価や商品単価の推移をAIが自動的に分析し、それに基づいて「こんな施策を打つと効果が期待できる」といったアクションプランを提案してくれる。

そうした仕組みを取り入れることで、人がゼロから考えるのではなく、人とAIが力を合わせてビジネスを進められるようになる。将来的にはそうなったらいいですね。

―現在、Zoho CRM の導入を検討している企業に向けて、メッセージをお願いします。

福重氏:導入にあたっては、「Zoho CRM を使って何を達成したいのか」という目的をしっかり設定することが一番重要だと思います。そこを詰めずに、ただ漠然と導入しただけでは、売上が勝手に伸びたり、業務が劇的に効率化したりすることはありません。

だからこそ、最終ゴールでなくても構いませんが、「導入してどんな効果を得たいのか」「どんな課題を解決したいのか」といった中期的な目標を明確にしておくことが大切です。そのうえでZoho CRM を活用すれば、どのくらいの成果や効果が見込めるのかが見えてきます。

目的がはっきりしていれば、導入後もスピーディーに意思決定し、カスタマイズを加えながら、自社の目標に沿ったアクションを実行できるようになります。ですので、まずはZoho CRM 導入の前段階で、その「目的の整理」をしっかり行うことをおすすめしたいです。

バリュエンスジャパン株式会社

  • 所在地:東京都港区南青山5-6-19 MA5
  • 業種:リユース事業
  • ビジネス:BtoC、BtoB
  • 事業内容:ブランド品・貴金属・宝石等の買取・販売、オークション事業、不動産事業、自動車事業、スポーツ事業
  • 設立:2019年9月10日
  • URL :https://www.valuence.inc/

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