CRM/SFAを使ったリード管理の自動しよう

レッスン6では、CRM/SFAツールを設定し、リード管理の環境を構築する方法を学びました。このレッスンでは、設定したCRM/SFAツールを活用し、リード管理の自動化に取り組みます。具体的には、リードの自動分類、スコアリングの設定、フォローアップメールの自動送信、営業部門へのリード引き渡しの自動化などについて学びます。
※CRM/SFAツールの例としてZoho CRM が登場します。

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CRM/SFAを使ったリード管理の自動しよう
目次

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このレッスンで学べること

このレッスンでは、CRM/SFAツールを活用して、Webフォームで獲得したリードをスコアリングを活用して分類し、それぞれに適したフォローアップを行い、営業部門へスムーズに引き渡すための設定方法を学びます。

それぞれのレッスンで学べること

リード管理の準備

  • CRM/SFAツールを用意する
  • ユーザーの役割の整理
  • リードのステータスの管理
  • 自動返信メールの作成
  • Webフォームの作成

リード管理の自動化と営業との連携
※レッスン 7

  • リードスコアリングの概要と重要性
  • 属性スコアと行動スコア
  • リードの分類(コールド、ウォーム、ホット)
  • Zoho CRMでのスコアリング設定
  • 各リードステータスに合わせた自動メール配信
  • 営業チームへのリードの引き渡しの自動化

獲得したリードの分析
※レッスン 8

  • 獲得リードの分析
  • Webフォームの分析と改善

CRM /SFAを活用したリードスコアリング

Webフォームで獲得したリードの中には、すぐに商談化できるものもあれば、まだ購買意欲が低いものも含まれています。そのため、すべてのリードに同じ対応をすると、営業チームの負担が増えるだけでなく、商談化の可能性が高いリードを見逃してしまうリスクもあります。そこで重要になるのがリードスコアリングです。

リードスコアリングとは、リードの購買意欲や関心度を数値化し、優先順位をつける手法です。例えば、「メールを開封するたびに加点3点」というようにスコアを設定します。リードスコアリングは、一般的にリードの「絞り込み」の段階で活用されます。スコアリングを通じて今すぐ対応すべきリードと、まだ育成が必要なリードを区別することができます。

スコアの付与には、「属性スコア」と「行動スコア」の2種類があります。今回はZoho CRM を活用して、両方のスコアリングを活用する設定方法を学びます。

リードスコアリングの設定

ここでは、Zoho CRM を活用し、リードスコアリングを設定する具体的な手順を見ていきます。

まず、スコアリングを設定する前に必要な準備を行い、その後、属性データと行動データをもとにスコアリングルールを作成していきます。

スコアリングを設定する前の準備

リードスコアリングを設定する前に、Zoho CRM のデータ項目を整理し、スコアリングルールに必要な情報を登録しておく必要があります。

例えば、Zoho CRM のデフォルトでは「業界」や「役職」などの項目に、自社のターゲットに合った選択肢が登録されていないことがあります。そのため、スコアリングルールを適用するために、必要なデータを追加・カスタマイズする作業が重要です。

今回は例として、「業界」項目に「製造業」「小売業」などの選択肢を追加する手順を説明します。「業界」項目に新しい選択肢を追加する手順は以下の通りです。

text=業界項目に任意の業界を追加する手順
  • [設定]→[カスタマイズ]→[タブと項目]→[見込み客] を選択
  • [項目] タブをクリックし、 [項目の作成と編集] を押下
  • [業界]の[•••] を選択し、 [プロパティの編集] を押下
  • [選択リストの値] の [+] をクリックし、「製造」「小業」と入力し、[完了する] を押下
  • [保存して閉じる]ボタンを押下して設定を反映

準備が完了したら、実際のスコアリングルールの設定に進みます。

スコアリングルールの設定

それでは実際にリードスコアリングを設定していきます。今回は、例として、下記の属性データと行動データの2つのスコアリングを設定し、リードを分類する方法を見ていきます。

属性データによるスコアリングの例:

項目

条件

スコア

業種

製造業

+15点

小売業

+10点

従業員数

10~30名

+20点

31〜50名以上

+15点

役職

経営者/役員

+20点

部長

+15点

課長/マネージャー

+10点

行動データによるスコアリング例:

項目

条件

スコア

資料
ダウンロード

資料ダウンロード

+20点

Zoho CRM では、データを管理する単位である[タブ]ごとにスコアリングルールを設定できます。今回は見込み客に対してスコアリングを行うため、[見込み客]タブでスルールの設定を行います。スコアリングルールの設定の手順は以下の通りです。

スコアリングルールの作成手順

手順

内容

スコアリングルールの設定

  1. [設定]→[自動化]→[スコアリングルール]→[新しいスコアリングルール] ボタンを選択します。
  2. 以下の項目を設定します。
  • 名前:スコアリングルールの名称です。どのような行動に対するスコアリングなのかがわかる名前をつけましょう。
  • 例:スコアリングルール_サンプル
  • タブ:今回は見込み客に対するスコアリング設定であるため、 [見込み客] を選択します。
  • レイアウト:標準のレイアウトに適用するため、 [標準] を選択します。

スコアリング条件の設定

  1. 上記の属性・行動スコアの例に基づき各条件を設定します。
  2. 次に、ページ最下部の [データにスコア項目を追加しますか?]
    の横にある [続ける] をクリックすると表示される [スコアリングルールの項目の設定] の項目名に「スコアリング」、「スコア」に「Score」を選択し、 [保存する] を押下します。
    この設定により、スコアの値に応じた条件分岐が設定できるようになります。

この設定により、リードの行動や属性に応じて自動でスコアが付与され、条件に応じてリードを分類できるようになりました。

スコアリングルールに基づいてステータスを管理する

スコアリングを設定しただけでは、営業チームが「どのリードに優先的にアプローチすべきか」を判断しにくい場合があります。そこで、スコアに基づいてリードを自動的に「コールド」「ウォーム」「ホット」などのステータスに分類し、適切なアクションを取れるようにします。

今回は例として、下記の基準を基にリードを各ステータスごとに分類していきます。

スコアリングルールとリードステータスの対応例:

項目

スコア

コールドリード

0〜30点

ウォームリード

31〜70点

ホットリード

71点以上

スコアに基づいてステータスを自動変更する

リードのステータスを手動で管理すると、更新の手間がかかり、対応の遅れにつながるリスクがあります。そこで、Zoho CRM のワークフロールールを活用し、スコアリング結果に応じてリードステータスを自動的に更新する設定を行います。手順が以下の通りです。

リードステータスを自動で変更するワークフロールール

<リードステータス分類ワークフロールールの作成手順>

手順

内容

ワークフロールール作成手順

  1. [設定] → [自動化] → [ワークフロールール] に進み、 [+ルールを作成する] をクリックします。
  2. [タブ] は「見込み客」、 [ルール名] は「リードステータス分類ワークフロールール」とします。 [次へ] をクリックします。
  3. [タイミング]を [データのスコア] → [増加] → [スコアリング_サンプル] に設定し、 [次へ] ボタンをクリックします。
  4. 条件1で、[スコアリング]が[0〜30]の間になるように設定し、 [完了する] ボタンをクリックします。
  5. [すぐに実行する処理]にて、[項目の更新]を選択し、[項目の更新処理を作成する]ボタンを押下します。
  6. 以下の項目を入力し、[保存して関連付ける]ボタンを押下します。
    ・[名前]:コールドへのスタータス変更
    ・[項目]:見込み客ステータス
    ・[更新する値]:コールド
  7. 手順4〜7を繰り返し、「ウォーム」「ホット」のステータス変更ルールも作成します。
    ウォーム:スコアが[31〜70点]の間
    ホット:スコアが[71点以上]
  8. [保存する]ボタンを押下して完了です。

ワークフロールールの検証

設定した後は、意図どおりに機能するか検証することが重要です。検証を行うことで、設定ミスや予期せぬ挙動を早期に発見し、必要の応じて修正できます。ここでは、サンプルデータをZoho CRM にインポートし、スコアリングルールとステータスを自動で変更するワークフロールールが正しく適用されているかを確認していきます。

academy_サンプルデータこちらからダウンロードできます。インポートの手順は以下の通りです。

Excelデータのインポート手順

<Excelデータのインポート手順>

手順

内容

ステップ1:
インポート

  1. 見込み客画面 で [見込み客を作成] ボタンの横にある [▼] を選択し、 [見込み客をインポート] を押下します。
  2. 表示された [見込み客をインポート] 画面で、 [参照] を選択し、リード情報が記載されているExcelファイルをアップロードし、[次へ] ボタンを押下します。
  3. 次のステップでは、インポートするデータの操作方法を選択します。今回は、新しいリードを追加する場合なので、 [見込み客の新しいデータとして追加する] を選択し、 [次へ] を押下します。既存リードの情報更新を行う場合は、 [見込み客の既存データの更新のみを行う] を選択します。
  4. Zoho CRM にインポートする際、アップロードしたExcelファイルの項目とCRM内の項目が一致しているか確認します。項目が正しく関連付けられていないと、例えば電話番号欄にメールアドレスが誤って入力されるといったエラーが発生する可能性があります。
  5. 項目が正しく関連づけられていることを確認したら、 [次へ] ボタンを押下します。
  6. インポートが完了すると、メールとポップアップでインポートの完了通知が届きます。

インポートが完了したら、実際にスコアが正しく計算され、ステータスが自動更新されているかをチェックします。手順は以下の通りです。

  • [見込み客]タブを開く
  • 任意の見込み客を選択し、詳細画面を開く
  • 見込み客の詳細画面で、[スコア]項目を確認
  • 設定したスコアリングルールに基づいて、スコアが正しく更新されていることを確認

例えば、見込み客:斎藤康二さんのスコアは、以下の条件で加点されています。

項目

条件

スコア

従業員数

10~30名

+20点

職位

課長/マネージャー

+10点

行動

資料Aダウンロード

+20点

合計スコアが50点で、見込み客ステータスがウォームに変更されていることが確認できます。

スコアリング設定

リードが「コールド」「ウォーム」「ホット」に適切に分類されていることを確認できたら、次のステップとして各ステータスごとに適切なアプローチを設定していきます。

それぞれのリードに適したアプローチを実行する

スコアリングに基づいてリードのステータスが自動的に「コールド」「ウォーム」「ホット」に分類されるようになったため、次に、それぞれのリードに適したアプローチを実行する必要があります。

例として、各ステータスに応じたアプローチ方針は以下の通り定めました。

各リードステータスに応じたアプローチ方針

リードステータス

フォローアップ方針

アクション

コールドリード

ナーチャリング対象

業界や市場調査などの情報を提供

ウォームリード

ナーチャリング対象

製品情報や競合製品との比較情報を提供

ホットリード

営業へ引き渡し

商談設定・電話フォロー

上の方針の通り、コールド・ウォームリードには、メールなどを通じてそれぞれの購買意欲に合わせた情報を最適なタイミングで提供し育成(ナーチャリング)を行い、ホットリードは営業に引き渡して対応していきます。しかし、これらの対応を一つひとつ手作業で行うと、管理が煩雑になり、対応漏れや遅れが発生するリスクがあります。

商談の機会につなげるためには、リードに迅速かつ適切に対応することが重要です。 そのため、リードの状態に応じたフォローアップを自動化し、対応プロセスを効率化することが求められます。ここからは、各リードステータスに応じた具体的なアプローチと、対応を自動化する手順について見ていきます。

コールドリードへのフォローアップ

コールドリードは、自社の製品やサービスについての認知度が低く、まだ購買検討をしていない段階のリードです。この段階のリードに対しては、認知度向上と興味喚起を目的としたメール配信を行い、関係性を構築することが重要です。特に、コールドリードは具体的な課題解決策を探していないケースが多いため、直接的なセールスではなく、有益な情報提供を通じて関心を引き出すアプローチが効果的です。以下に、コールドリード向けのフォローアップメールの一例を示します。

件名: 【製造業の皆様へ】業務効率化を実現する最新クラウドシステム活用事例

メール本文

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社A〇〇です。

近年、製造業を取り巻く環境は大きく変化しており、業務効率化は喫緊の課題となっています。
特に中小企業の皆様においては、限られたリソースの中でいかに生産性を向上させるかが重要です。

そこで今回は、中小企業の業務効率化に特化したクラウドシステム活用事例をご紹介します。

  • 事例1: 〇〇株式会社 – 生産管理の自動化による業務効率向上
    詳細はこちら: [事例1の概要とURL]
  • 事例2: △△商店 – 受発注管理のクラウド化で作業時間を50%削減
    詳細はこちら: [事例2の概要とURL]

これらの事例では、クラウドシステム導入による業務効率化が実現されています。ご興味をお持ちいただけましたら、下記より詳細資料をダウンロードください。

[資料ダウンロードURL]

今後も、製造業の皆様に役立つ情報をお届けしてまいります。

引き続きよろしくお願いいたします。

ナーチャリングでは、時間をかけてリードを育成していく必要があるため、複数の種類のメールコンテンツを用意しておきましょう。

コールドリード向けメールのテンプレートを設定する

メールの配信にあたって、メールテンプレートを活用します。テンプレートを使用することで、毎回メールをゼロから作成する手間を削減できるだけでなく、ナーチャリングメールの運用をより効果的に行うことが可能になります。

た、ナーチャリングの目的に応じて複数のメールをテンプレート化しておくことで、リードの反応を分析しやすくなり、どのメールがナーチャリング効果が高いのかを可視化できます。

さらに、テンプレートを活用すれば、担当者ごとに異なる内容のメールが送られるリスクを防ぎ、一貫したナーチャリングを行うことが可能になります。メールテンプレートを作成する手順は以下の通りです。

メールテンプレートの作成手順

<コールドリード向けメールテンプレートの作成手順>

手順

内容

テンプレートの新規作成

  1. [設定] → [カスタマイズ] → [テンプレート] → [新しいテンプレート] を押下します。
  2. 今回はリードに対してメールを送信するため、 [見込み客] タブを選択します。Zoho CRM では、送信先やメールの内容を適切に管理するために、タブごとにテンプレートを分けて作成することができます。
  3. [次へ] をクリックして、テンプレート作成に進みます。
  4. 今回は、HTML の詳しい知識がなくても簡単にテンプレートを作成できる、白紙の状態から新規作成する方法で作成します。[基本] セクションの [はじめから作成する] の [選択する] をクリックして、テンプレート作成画面に進みます。

テンプレート名と件名の入力

  1. 画面上部の [テンプレート名] と [メール件名] を入力します。
    例えば、以下のように入力します。
    テンプレート名を入力してください:コールドリード_興味喚起_事例紹介メールテンプレートの件名を入力してください:【製造業の皆様へ】業務効率化を実現する最新クラウドシステム活用事例
  2. メール本文を作成します。例文は当手順の最下部に記載してあるので参考にしてください。必要に応じて、「〇〇様」の部分に「${見込み客.姓}${見込み客.名}」のような差込フィールドを挿入して、リードの名前を自動で表示するように設定します。差込フィールドは、「#」を入力することで、候補が表示されます

特定電子メール法への対応

メールマーケティングを行う上で、迷惑メールの送信を規制し、受信者の利益を守るための法律である特定電子メール法を遵守することが非常に重要です。違反すると罰則が科せられる可能性もあるため、注意しましょう。特定電子メール法では、メールに以下の3つの項目を記載することが義務付けられています。

  • 送信者情報
  • 配信停止リンクまたは配信停止を通知する連絡先
  • 問い合わせ先
  1. 画面左の [テキスト] → [テキスト] を選択し、テキスト欄を挿入します。
  2. 手順最下部の例文を参考に、送信者情報、配信停止リンク、問い合わせ先を記載します。
  3. 「弊社からのメール配信を希望されない方はこちらをクリックしてください。」の「こちら」の部分に、配信停止用のリンクを設定します。「こちら」を選択し、画面上部の [リンクの作成] をクリックします。
  4. [リンクを追加する] 画面で、[リンクの種類] を「配信停止リンク」、[配信停止リンク] を「標準」を選択し、[保存する] ボタンをクリックします。
  5. 同様にプライバシーポリシーへのリンクも設定しましょう。

このように、Zoho CRM のテンプレート機能を使えば、特定電子メール法に必要な情報を簡単に記載できます。

テンプレートの保存

  1. [保存する] ボタンをクリックし、 [今すぐ保存する] を選択します。
  2. 保存先は、分かりやすい場所を選び、 [保存する] をクリックすれば完了です。ここでは、「共有テンプレートフォルダ」を選択しています

特定電子メール法用の本文例

特定電子メール法用の文章

株式会社ABC商事|マーケティング担当
本メールに関するお問い合わせ
メール:sample@example.com|電話:01-2345-6789
〒xxx-xxxx xxxx県xx市xx区xxxx 1-1-1 xxビルxx階

弊社からのメール配信を希望されない方はこちらをクリックしてください。
当社のプライバシーポリシーについてはこちらを参照ください。

メール自動配信のワークフロールール作成

メールテンプレートの作成が完了したら、次に、コールドリードに対してメールを自動で配信する仕組みを作成します。ここでは、Zoho CRM の「ワークフロールール」を活用して、メールを自動的に送信するように設定します。ワークフロールールの設定手順は以下の通りです。

ワークフロールール作成

<コールドリード向けワークフロールール作成手順>

手順

内容

ワークフロールール作成手順

  1. [設定] → [自動化] → [ワークフロールール] に進み、 [+ルールを作成する] をクリックします。
  2. 今回は、リードを育成するワークフロールールを作成することが目的であるため、 [タブ] は「見込み客」、 [ルール名] は「コールドリード_興味喚起_事例紹介メール送信」とします。 [次へ] をクリックします。
  3. [タイミング]を [データのスコア] → [増加] → [スコアリングルール_サンプル] に設定し、 [次へ] ボタンをクリックします。
  4. 条件1で、[スコア]が[0〜30]の間になるように設定し、 [完了する] ボタンをクリックします。
  5. [すぐに実行する処理]にて、[メールの通知] → 作成したメールテンプレートを選択し、 [関連付ける] → [保存する] ボタンをクリックしたら、ワークフロールール作成が完了です。

ワークフロールールの検証

ワークフロールールを設定したら、正しく動作しているかを検証しましょう。見込み客データを確認し、スコアリングルールが正しく適用されているか検証します。

リード詳細画面

画面を確認すると、コールドリードに対して、事例紹介メールが送信されていることが確認できました。

ウォームリード向けメール配信

次に、ウォームリードを対象としたメール配信の設定を行います。ウォームリードは、自社や製品・サービスに一定の理解を持ち、購買意欲が高まりつつある段階のリードです。この段階のリードに対しては、具体的な製品情報や競合製品との比較、導入メリットを強調し、購買意欲をさらに高めるアプローチが有効です。

特に、ウォームリードはホットリードへと移行する直前の状態にあるため、適切な情報提供を行い、営業部門が迅速にアプローチできるよう準備しておくことが重要です。

以下に、ウォームリード向けのフォローアップメールの一例を示します。このメールでは、キャンペーンの案内を通じて、導入を促し、商談化のきっかけを作ることを目的 としています。

件名: 【業務効率化を強力支援】中小企業向けクラウドシステム導入キャンペーン実施中!

メール本文

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
株式会社ABC商事の〇〇です。

昨今の厳しい経済状況の中、中小企業の皆様にとって、業務効率の改善は喫緊の課題となっています。特に、人手不足が深刻な状況において、限られた人員で最大限の成果を上げるためには、ITツールの活用が不可欠です。

そこで、中小企業の業務効率化を専門に支援する弊社では、クラウドシステム導入を検討されている皆様に向けた特別キャンペーンを実施いたします。

弊社は、顧客管理(CRM)、販売管理、在庫管理、勤怠管理、グループウェア、会計システムなど、さまざまな業務に対応したクラウドシステムの導入を支援しており、お客様の課題やご要望に合わせて最適なシステムをご提案いたします。

今回のキャンペーンでは、以下の特典をご用意いたしました。

特典1:初期導入費用割引
初期設定費用が、キャンペーン期間中は20%オフとなります。

特典2:無料トライアル期間延長
通常2週間の無料トライアル期間を、1カ月に延長いたします。じっくりとシステムをお試しいただけます。

特典3:導入研修無料
システムの操作方法や活用方法に関する研修を無料でご提供いたします。導入後も安心してご利用いただけます。

特典4:優先サポート
導入後優先的にサポートを受けられる体制をご提供いたします。万が一のトラブル時も迅速に対応いたします。

この機会にぜひクラウドシステムの導入をご検討いただき、業務効率の大幅な改善を実現してください。

詳細はこちらをご覧ください。
[キャンペーンページURL]

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
今後ともよろしくお願いいたします。

ウォームリード向けのメールの配信も、コールドリード向けと同様にメールテンプレートを作成し、メールの配信はワークフロールールを活用して自動化します。

ウォームリード向けのワークフロールールでは、リードのスコアが31〜70点に達したタイミングで、自動的にメールが送信されるように設定します。それぞれの設定手順については、前述の手順を参考に進めてください。

ホットリードへの引き渡しと営業アプローチの自動化

ウォームリードがさらに育成され、スコアが71点以上に達すると、ホットリードとして分類されます。ホットリードは、購入を具体的に検討している段階のため、速やかに営業部門へ引き渡し、タイミングを逃さず営業がアプローチすることが重要です。

しかし、手作業で営業へ引き渡すと、対応の遅れや抜け漏れが発生する可能性があります。そのため、ワークフロールールを活用して、ホットリードに達したタイミングで営業担当者へ自動で通知し、架電やメール送付などのタスクを作成する仕組みを構築します。

ここでは、ホットリードが発生した際に、営業担当者「田中 吾郎」へリードを割り当て、架電対応のタスクを自動で追加するワークフロールール設定していきます。

ホットリードの営業担当者への割り当てとタスクの追加

ワークフロールール作成

手順

内容

ワークフロールール作成手順

  1. [設定] → [自動化] → [ワークフロールール] に進み、 [+ルールを作成する] をクリックします。
  2. 今回は、リードを育成するワークフロールールを作成することが目的であるため、 [タブ] は「見込み客」、 [ルール名] は「ホットリード_営業担当者自動割り当てとタスク追加」とします。 [次へ] をクリックします。
  3. [タイミング]を[データの操作] → [編集] → [特定の項目が更新されたとき] → [スコアリング]が71点以上に更新された場合に設定します。
  4. 条件1で、[担当者の割り当て]で営業担当者の[田中 吾郎]に設定します。
  5. [+処理] → [活動] → [タスクの割り当て] → [新しいタスク] ボタンをクリックし、タスク詳細を入力し、[保存して関連付ける]ボタンを押下します。
  6. 最後に[保存する]ボタンを押下したら、ワークフロールール作成が完了です。

ワークフロールールの検証

ワークフロールールを設定した後は、意図した通りに動作しているかを検証しましょう。見込み客データを確認し、スコアリングルールが正しく適用されているか検証します。

例えば、見込み客:田中吾郎さんのスコアは、以下の条件で加点されています。

項目

条件

スコア

職位

経営者/役員

+20点

従業員数

20名

+20点

業界

製造業

+15点

行動

資料Aのダウンロード

+20点

この例では、田中吾郎さんのスコアが75点に達し、ホットリードとしてステータスが更新されています。また、ワークフロールールにより、営業担当者が自動で割り当てられ、架電タスクが作成されていることを確認します。

リード詳細画面
リード詳細画面

上記の手順で、ホットリード発生時の自動通知とタスク追加を行うワークフロールールの設定が完了しました。このワークフロールールにより、営業担当者はホットリードに迅速に対応できるようになり、商談機会を最大限に活かせます。今後は、このワークフロールールの運用状況を定期的に確認し、必要に応じて設定を見直すことで、更なる効果の向上を図りましょう。

このレッスンでは、CRM/SFAツールを活用し、Webフォーム経由で獲得したリードを効率的に管理し、適切なアプローチを自動化することで、商談につなげる手法について学びました。

レッスン8では、さらにWebフォームから獲得したリードに対して分析を行い、リードの質を改善する手法を学びます。