すべて表示する
このレッスンで学べること
前回のレッスンでは、リードを獲得した後にどのように管理し、優先順位をつけて営業へ引き渡すのか、その流れを具体的に学びました。このレッスンでは、CRM/SFAツールを使ってホットリードへと育成していくために必要なメール施策を、どのように準備し、実行し、効果を確認するのか、その基本的な流れを学びます。
このレッスンで学べること | |
メールを活用したホットリード育成 |
|
メール配信の準備をする
CRM/SFAを活用してメール施策を行うには、配信を始める前にいくつか基本的な準備が必要です。メールを確実に受信者に届けるための設定や受信者自身が自らメールの購読を解除できる配信停止の仕組みなどを、あらかじめ整えておきましょう。
配信元メールアドレスを登録する
メールの配信元(送信元)として使用するメールアドレスをCRMに登録します。ここで登録したアドレスは、差出人や返信先として利用されるため、個人のメールアドレスではなく、組織で共通して使用する代表メールアドレスを登録しましょう。
Zoho CRM では、[設定]→[チャネル]→[メール]→[組織のメールアドレス]を押下し、[新しいメールアドレス]から設定を行います。登録後、そのメールアドレス宛に認証メールが届くので、メール本文に記載されている認証コードをコピーし、CRM上で入力します。

送信ドメイン認証を行う
次に、送信ドメイン認証の設定を行います。これは、配信元のメールアドレスがなりすましではなく、正規の送信者であることを証明するための仕組みです。認証を行うことで、迷惑メールとして扱われるリスクを軽減し、メールの到達率を高める効果があります。
Zoho CRMのドメイン認証は、「ドメイン認証」と「レコード認証」の2つのステップで行います。先ほど登録したメールアドレスのチェックマーク横の✔[必須]を押下し、対象ドメイン名にカーソルを合わせると表示される[認証する]ボタンを押下します。画面に従って必要情報を入力してください。ドメインの認証が完了したら、レコードの認証も同様に進めましょう。すべての設定が完了すると、認証済みドメインに情報が追加されます。
自身で設定するのが難しい場合は、会社の管理者に相談し、設定を依頼しましょう。

メールの配信停止リンクを設定する
メールを配信する際には、受信者がいつでも配信を停止できるようにしておく必要があります。これは「特定電子メール法」により義務付けられており、受信者の意思に反するメール配信を防ぐための重要な措置です。
Zoho CRM では、配信停止リンクを作成する機能があります。受信者はこのリンクをクリックするだけで簡単に配信停止を行えます。配信する側にとっても、配信停止のリクエストを手動で処理したり、配信停止用のWebページを用意する手間がかからなかったりというメリットがあります。
Zoho CRM の[設定]→[チャネル]→[メール]→[メール配信停止リンク]を押下します。すでに[標準]のリンクが用意されているので、それを使用します。「標準」を押下した後に遷移する画面で、「標準ページ」横の(プレビューアイコン)をクリックすると、配信停止ページのプレビューが表示されます。

メール配信をする
CRM/SFAツールを使えば、事前に作成したテンプレートを使ってメールを作成し、ターゲットに応じた配信リストに向けて、簡単に送信することができます。
メールのテンプレートを作成する
メルマガのベースとなるテンプレートを用意しておくと、毎回メールの作成にかかる時間を減らすことができます。Zoho CRM には、HTML形式とリッチテキスト形式のテンプレート作成機能があり、用途やデザインに応じて使い分けが可能です。また、差し込みフィールドを使うことで、リードごとの名前や会社名を自動で挿入でき、パーソナライズされたメール配信も簡単です。
さらに、件名や内容を変えた複数のテンプレートを用意しておけば、A/Bテストもスムーズに実施でき、効果検証や改善にも役立ちます。作成したテンプレートは、テストメールの送信や開封・クリックなどの効果測定にも対応しており、改善につなげやすいのも特徴です。
今回は、例として「製造業向け調査レポート」をダウンロードした見込み客を対象に、コールドリード向け・ウォームリード向けにそれぞれ1つずつ作成します。
コールドリード向けのメール文面
件名:【御礼】製造業向け調査レポートのご請求ありがとうございました|業界動向と成功事例もご紹介
${見込み客.姓}様
お世話になります。
Zylker株式会社マーケティング担当です。
このたびは、「製造業向け調査レポート」をご請求いただきありがとうございました。資料はご覧いただけましたでしょうか?
近年、製造業では「▲▲の見える化」や「業務の効率化」といったテーマが注目され、多くの企業様が取り組みを進めています。
今回、そうしたトレンドや成功事例をまとめたホワイトペーパーを新たにご用意いたしました。ぜひ、あわせてご覧ください。
▼ホワイトペーパーのダウンロードはこちら
https://example.com/download
今後も、業界の最新動向やお役立ち情報を定期的にお届けしてまいります。
貴社の業務のヒントとしてお役立ていただけましたら幸いです。
ご不明な点などございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
特定電子メール法用の本文例
特定電子メール法用の文章
Zylker株式会社|マーケティング担当
本メールに関するお問い合わせ
メール:sample@example.com|電話:01-2345-6789
〒xxx-xxxx xxxx県xx市xx区xxxx 1-1-1 xxビルxx階
弊社からのメール配信を希望されない方はこちらをクリックしてください。
当社のプライバシーポリシーについてはこちらを参照ください。
メルマガのテンプレートの作成は、[設定]→[カスタマイズ]→[テンプレート]→[新しいテンプレート]から行います。

<メールテンプレートの作成手順>
手順 | 内容 |
テンプレート |
|
テンプレート名 |
|
特定電子メール | メールマーケティングを行う上で、迷惑メールの送信を規制し、受信者の利益を守るための法律である特定電子メール法を遵守することが非常に重要です。違反すると罰則が科せられる可能性もあるため、注意しましょう。特定電子メール法では、メールに以下の3つの項目を記載することが義務付けられています。
このように、Zoho CRM のテンプレート機能を使えば、特定電子メール法に必要な情報を簡単に記載できます。 |
テンプレートの |
|
本文の調整が完了したら、編集画面右上に表示されている[プレビュー]から、デスクトップと携帯それぞれの表示内容、及びリンクの遷移先に問題がないかを確認します。プレビュー画面右上の[テストメールを送信する]で送信先のユーザーを選択すると、選択したユーザーのメールアドレス宛にテストメールが送信されます。テストメールは、社内レビューを行う場合にも活用できます。
続いて、ウォームリードのテンプレートも同様に作成しましょう。
ウォームリード向けのメール文面
件名:「業務効率化を実現した事例の紹介と、貴社でも活用できるヒントをご紹介」
${見込み客.姓}様
Zylker株式会社マーケティング担当です。
以前、弊社の資料をご覧いただきありがとうございました。
その後、貴社のご状況に変化などございましたでしょうか?
今回は、同じような課題をお持ちだった企業様が、
弊社ソリューションを活用して成果を上げた導入事例をご紹介いたします。
▼導入事例を見る
https://example.com/case-study
もし、ご興味をお持ちいただけましたら、
簡単なオンライン相談や無料デモのご案内も可能です。
無理な営業はいたしませんので、お気軽にご連絡ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

メールを活用してホットリードを育成するには、1通のメールを送って終わりではありません。見込み客の状態に合わせて段階的に複数のメールを送り、徐々に関係性を深め、購買意欲を高めることが重要です。
保存したテンプレートは、複製することもできるため、メールの目的に応じたひな型をいくつか作成しておき、それを複製して使用すると、画像や文章を編集するだけで作業が完了するので便利です。

メール配信リストを作成する
メールの配信リストを作成する際は、[ビュー][フィルター]の機能を活用します。[見込み客]タブにはすべての見込み客情報が登録されていますが、左上のプルダウン式の[ビュー]で[自分の見込み客]を選択すると、自分が担当している見込み客だけを表示できます。
また、「カスタムビュー」という機能を使えば、特定の条件に合う見込み客だけを絞り込んだリストを作成することも可能です。例えば、「ステータスがコールドの見込み客だけを抽出した配信リスト」と「ステータスがウォームの見込み客だけを抽出した配信リスト」を、それぞれ実際に作成してみましょう。
まずは、[見込み客]タブを開き、左上の[すべての見込み客 ▼]→[新しいカスタムビュー]を押下します。リスト名を入力する画面が表示されるので、「コールドリードリスト」と入力し、絞り込みの条件や、リストに表示させる項目、共有対象を順に選択していきます。
今回は、ステータスが「コールド」である見込み客のリストを作成するため、条件を以下の通り指定し、あわせてリストに表示したい項目も選択していきましょう。


全て設定し終えたら[保存する]を押下すると、リストが表示されます。

メールを配信する
準備したテンプレートと配信リストを使って、メールを配信してみましょう。
ここでは、Zoho CRM の「ケイデンス機能」を活用します。ケイデンスとは、メール送信、通話、タスクの登録と行った一連のアクションを、あらかじめ設計したスケジュールに沿って自動で実行する機能です。さらに、メールの開封やリンクのクリックといったリードの反応をトリガーにして、次に行うアクションを自動で切り替えることも可能です。このように、ケイデンスを使えば、見込み客一人ひとりの行動に応じたアプローチを効率よく進めることができます。
ここでは例として、コールドリードに対して3通のメールを段階的に送信する設定を行います。

<ケイデンスの作成手順>
手順 | 内容 |
ケイデンスの |
|
フォローアップ1 |
|
フォローアップ2 |
|
フォローアップ3 |
|
ここでは、それぞれのメールを3日ごとに送信するように設定していますが、ケイデンスでは、あらかじめ条件を設定することで、例えば「メールが開封されなかった場合に同じ内容を再送する」「反応がなければ別のテンプレートでフォローアップする」といった対応も自動で実行できます。こうした分岐設定をうまく活用すれば、リードごとの反応に応じた柔軟なアプローチが可能になるため、状況に応じて使い分けましょう。
メールへの反応を分析する
メール施策を実施した後は、その結果を確認し、どのメールが効果的だったのか、どの見込み客が反応したのかを分析することが重要です。CRM/SFAツールでは、メール単体・全体傾向・顧客別といった複数の視点で配信結果を確認できます。ここでは、主に以下の3つの視点から、配信結果の見方を押さえていきましょう。
メール単体の成果を確認する
Zoho CRM は、テンプレートの管理画面から、特定のテンプレート単位で、リアルタイムで開封率やクリック率などの反応を確認できます。テンプレートごとの効果(開封率やクリック率など)を比較することで、効果的な件名や内容の傾向を掴み、今後のメール改善に活かすことができます。
ここでは「ナーチャリング_コールドリード_1通目」というメールのテンプレートを例に見てみましょう。

数値を見たいテンプレート名をクリックすると、プレビュー画面が表示されます。画面上部の[分析]を押下します。

分析画面では、開封数、開封率、クリック数、クリック率がグラフ形式で表示されます。日付と配信時間帯ごとに分析することもできるので、開封されやすい曜日や時間帯がいつかを特定し、次回以降の配信に活かすこともできます。

メール全体の成果を確認する
メール単体の成果に加え、配信全体の傾向を把握することも重要です。複数のメールの配信結果を一覧化したい場合は、[レポート]機能を使います。
Zoho CRM には、CRM内のデータを自動で集計して可視化できる[レポート]機能があります。よく使われる指標は、あらかじめ標準レポートとして用意されており、例えば、以下のような内容を簡単に確認できます。
メールの標準レポート | |
|
[レポート]タブを開き、左のメニューで「メール」を選択すると、メールに関するレポートの一覧が表示されます。

ここでは例として「開封率が上位10件のテンプレート」レポートを開いてみましょう。このレポートでは、テンプレートごとの送信数、開封数、クリック数などを一覧で確認できます。さらに、フィルターを活用すれば、表示するデータの期間も自由に変更できます。

配信の成果を自社独自の切り口で分析したい場合は、新しくレポートを作成することも可能です。ここでは、「月別・ステータス別のホットリードの登録状況」を確認するレポートを作成してみましょう。

手順 | 内容 |
レポート作成 |
|
顧客別に成果を確認する
配信全体の傾向を把握するだけでなく、個別の見込み客がメールにどう反応したのかを確認することも重要です。CRM上で顧客ごとの配信履歴を確認することで、開封したかどうか、リンクをクリックしたかどうかといった行動を把握できます。
Zoho CRM では、[見込み客]タブから任意の見込み客を選択し、詳細画面の[メール]セクションを開くと、過去に配信されたメールの履歴を確認できます。

開封済み・クリック済みのメールは、アイコンで表示され、マウスオーバーすると詳細情報が表示されます。営業担当が個別にフォローする際やスコアを更新する際の判断材料として活用できます。
また、開封・未開封などの条件をもとに、反応があった見込み客だけを抽出してリスト化することも可能です。例えば、「3月に送信したメールを開封したが、まだ商談化していないリード」を絞り込めば、次のアクションの優先順位づけにも活かせます。
メールの進捗を振り返る
段階的にメールを送信する場合、どの見込み客がどこまでメールを受け取ったのか、どのステップで反応があったのかを振り返ることで、シナリオの改善ポイントが見えてきます。Zoho CRM では、ケイデンスごとの進捗をレポートで確認できる機能があり、シナリオ設計の振り返りや、改善のヒントを得るのに役立ちます。
Zoho CRM の [ケイデンス] レポートでは、以下のようなメールに関する主な指標を確認できます。
- 開封率
- クリック率
- 返信率
- 不達率
- 配信停止
また、各ステップの進行状況として、次のような状態が確認できます。
- 送信済み:ステップメールが正常に送信された
- 開封済み:メールが受信者に開封された
- クリック済み:メール内のリンクがクリックされた
- 返信済み:メールに返信があったと記録されている(手動 or 自動)
- 不達:メールが届かなかった(エラー・アドレス不正など)
- 配信停止:受信者が配信停止リンクをクリックした
- 失敗:配信処理自体がエラーになった(設定・接続エラーなど)
レポートの確認は、[設定]→[自動化]→[ケイデンス]へ進みます。そして、確認したいケイデンス名(例:「ナーチャリング_コールド」)の右側にある[レポートを作成する]を押下すると、レポート画面が表示されます。

レポート画面では、各ステップが横に並び、ステップごとの実行件数や完了件数、送信済み・失敗などの数が棒グラフで表示されます。
また、[流れ図を表示する]を押下すると、各フローを一覧で確認することもできます。

このレポートを活用すれば、どのステップで見込み客の反応が止まっているかを可視化できるため、シナリオの改善や、次回の配信設計に役立ちます。
