多様な人材が安心して働ける環境をZoho Peopleで実現。東京発のグローバル企業を目指す|株式会社インフォステラ導入事例

宇宙を飛ぶ人工衛星と地上に設置されたアンテナをつなぐネットワークプラットフォーム「StellarStation」を開発・提供する株式会社インフォステラは、そのビジネスモデルの新規性と高い技術力によって国際的に注目されている。

 

従業員23名(取材時)のスタートアップ企業ながら、既に従業員の半数以上が外国籍だという同社は、Zoho の人事ソリューション「Zoho People」の導入によってどのような課題を解決し、「効率よく安心して働ける環境」を整えたのか。東京発のグローバルカンパニーを目指すインフォステラの渡邉あゆみ様、ジョシュア・タン様にお話をうかがった。

 

株式会社インフォステラ ピープルオペレーションズ ディレクター ジョシュア・タン様(左)、オフィスマネージャー 渡邉あゆみ様(右)

――まずは貴社の事業内容をご説明いただけますか。

渡邉あゆみ様(以下「渡邉」):当社は迅速で柔軟な地上局ネットワーク「StellarStation」の開発を通して、衛星通信のインフラを作る会社です。

通常地上アンテナは、地球の周りを飛んでいる1つの特定の人工衛星とのみ通信する設定になっています。周回する人工衛星とそのアンテナが通信できる時間は1日24時間のうち平均40分程度で、地球上に多数あるアンテナの非稼働時間は97%を超えていると言われています。

そこで当社は、そのような多数の地上アンテナをネットワークに繋げて活用できるクラウド上のプラットフォーム、「StellarStation」を創出しました。地上局を中心とした衛星運用の新たなエコシステムをつくることで、さらなる宇宙空間の利用促進を実現しようとしています。

2016年1月に東京・渋谷にて本社を設立、現在は五反田へ移転し4期目に入りました。

――渡邉さん、タンさんはそれぞれどのような領域を担当されているのでしょうか?

渡邉:私はコーポレート部門にて総務・労務業務を主に担当しており、上長であるファイナンスディレクターと2人で主に動いています。すでに社員の半数以上が外国籍で、日本語が話せない者も多く、事業の特性上今後もその傾向は加速してゆく見通しです。そういった様々な背景を持つ社員たちで構成されている組織を運営していくにあたり、全員が安心して効率よく働ける最大公約数的な環境をつくることが私のミッションです。

ジョシュア・タン様(以下「タン」):私はPeople Operations チームのディレクターとして、主に採用や組織の計画を担当しています。同じコーポレート部門ということで、渡邉と一緒に働いています。

――現在、社員は何名ですか? またどのような職種の方がいらっしゃるのでしょうか?

渡邉:現在の従業員数は23名です。半分以上がエンジニアで、ソフトウェアとハードウェアそれぞれを開発するエンジニアが在籍しています。残りがセールスとコーポレート部門といったかたちです。

■多言語対応や休暇の管理を目的にZoho Peopleを導入。意外なほどスムーズに利用が進む

――Zoho People を導入されたのは2018年末から2019年の初めにかけてということですが、それ以前にはどのような課題がおありでしたか?

渡邉:たとえば休暇の日数も、以前はエクセルのような表計算ソフトで管理していました。全体に公開する性質のものではないので管理部門の数名だけが見られる状態にしており、あと何日休めるのかといった細かなコミュニケーションが従業員との間で個別に都度発生していました。

また、とある国産の人事管理ソリューションも利用していましたが、英語表示が不十分でした。入社時のセルフオンボーディングの機能なども、日本語がわからない者についてはこちらで代理入力が必要となり、うまく使いきれていない状況でした。

――その国産人事ソリューションからのリプレイス(入れ替え)を検討された際には、どのようなシステムが候補となりましたか?

渡邉:日本のシステムのほか、大手外資によるHRシステムも検討しました。ただ、日本企業によるものはやはり英語を含めた多言語の対応が弱く、一方で大手のものは初期費用が数千万円レベルでかかるなど、まったく当社のニーズに合っていませんでした。

そんな中、私の上長がネット検索でZoho People を見つけ、「Zoho People という海外製品は日本語にも英語にも対応するようだよ」と教えてくれたのです。日本にも拠点があるということで、実際にコンタクトしてみて、現在に至るという流れです。

――先ほどの課題、つまり多言語対応と費用の両面を満たすものがZoho しかなかったということですね?

渡邉:はい。また私にとっては日本に拠点があることも重要でした。「基本的に各企業の設定はセルフサービス」と伺ってはいたものの、日本独自の法改正等がある中でいざという時に相談できるという心理的な安心感がありました。

あと、当社はGoogle Workspace を採用しているため、セキュリティ面からGoogle アカウントによるシングルサインオン(SSO)で利用できることを求められていました。Zoho People はGoogle SSOに対応しているため、スムーズに社内の同意を得ることができました。

――導入にあたって苦労されたことはありましたか?

渡邉:それが、特段なかったのです! 裏側の設定画面が直感的で、関数などを使うこともなく、エンジニアのバックグラウンドもない私でも一人で設定を完了させることができました。主に利用している機能としては、休暇日数管理や申請/承認、社員ディレクトリ/組織図、給与明細の表示、それからタスクの割り振りなどです。

社員に使い始めてもらうときには20分ほどの簡単な説明会を開催し、ログイン方法や休暇の申請方法、確認できる項目などについて説明してから実際にログインしてもらいました。新しく導入するツール故に問い合わせなどがそのあと増えるのではないかと覚悟していたのですが、質問は全然なく、みな上手に使いこなしていたのが逆に意外でした。会社としての一大プロジェクトでしたので、スムーズに導入が進んで本当によかったです。

タン:私も入社後にアカウントを付与されてざっと見た際に、設定画面がとてもわかりやすいことに驚きました。「カスタマイズしていろいろ実現できそうだね」と渡邉に感想を伝えたことを覚えています。

■制度への理解が深まり、社内コミュニケーションがスムーズに

――現時点で、Zoho People 導入の効果をどのように評価されていらっしゃいますか?

渡邉:Zoho People の導入と併せて就業規則の休暇等の部分を整理し、実情にあった内容に改定・説明する機会を設けました。全員に平等に日数が割り当てられ管理されていることが明確になり、個々人がきちんと申請して承認されているという状態がZoho Peopleのおかげで実感できる状態になったと思っています。

また当社は、社外の社会保険労務士(社労士)と契約して労務関係の手続きをサポートいただいています。社労士の方にもZoho People のアカウントを1つ持っていただき、個人情報の共有・更新はZoho People 上で行う形をとっています。

――社員ディレクトリ/組織図などについてはいかがでしょう?

渡邉:去年から今年にかけて新入社員が増えてきており、例えば同じ部門内でもチームはどこなのか、肩書きは何か、レポート先(上司)は誰かなど、これからどんどんわかりにくい状況になっていくと思います。特に新しく入社した人にとっては、周囲の人たちに関する基本的な情報が検索するだけで得られて、コミュニケーションをとる時に役立つのではないかと。

――今後、組織としてますます拡大してゆく計画ですよね?

渡邉:はい。社長も日本人で日本企業ではあるのですが、事業の特性上「東京発のグローバルカンパニー」を目指す方針です。このため、導入する社内システムも日本だけで通用するものだけでは不十分だと考えています。今年開設した英国拠点のように、海外の拠点がこの先増えた場合にもその国の法律やルールに応じた設定ができることがZoho Peopleの強みだと思いますし、今後も期待しています。

また、経費精算ツールの英語対応が進んでおらず、外国籍社員がたまに分かりづらそうにしている場面を見かけます。機能面の拡充が日本向けにもう少し進んだら、Zoho Expense などの利用も検討したいと考えています。

タン:私は業務上のやりとりをすべて英語で行いますが、Zoho People はもともとの開発が英語ベースだということもあって、まったく違和感なく使いこなすことができています。今後は、オンボーディングにあたって雇用契約書などのファイルから情報を読み取って自動追加するような機能が実装されるとさらに使いやすくなるのではないかと思い、期待しています。

■柔軟かつリーズナブルな料金体系は、海外を狙うスタートアップ企業に最適

渡邉:あと、Zoho Peopleを採用した理由として、料金体系のこともぜひ書いておいてください(笑)。金額的にも手が届きやすく、アカウント数の増減やプラン変更が可能だということで、スタートアップや中小企業などでも試しやすいのではないでしょうか。

高い料金を払えば色々な機能が盛り込まれたシステムを利用できるのは当たり前ですよね。ですが、こういう本当に必要な機能だけカスタマイズして利用できるというのは、かゆいところに手が届く的な意味でやはりいいなと思っています。Zoho People は海外展開を狙っているスタートアップには特にお薦めかもしれないですね。

――ありがとうございました。