Zoho People で休暇管理を自動化しヒューマンエラーを解消。直行直帰や在宅勤務の働き方にも対応し教育現場の負担を軽減。

大阪北摂地域で15教室を展開し、幼児から高校生まで幅広い子どもたちの学びを支える特定非営利活動法人フロー。同法人は、社員5名・アルバイト約50名という少人数体制のなかで、多拠点にわたる教室運営を効率的に進めるための人事・勤怠管理が課題となっていた。特に、有給付与の管理や取得状況の把握、申請と承認などはExcelと口頭連絡に依存しており、ヒューマンエラーや確認作業の負担が大きかったという。こうした課題を背景に、同法人が2020年に導入したのが、勤怠・休暇管理をクラウド上で一元化できる「Zoho People」だ。

スマートフォンからの打刻、休暇管理の自動化、位置情報を用いた直行直帰への対応など、多様な働き方を支える運用基盤をどのように整備してきたかについて、同法人 代表理事の花城康貴氏と統括マネージャーの花城律子氏に聞いた。

「『Zoho People』により、スマホ打刻と有給の自動付与で勤怠が正確になり、現場も本部も業務がとてもスムーズになりました」

特定非営利活動法人フロー
統括マネージャー 花城 律子 氏

― まず、フロー様の事業概要について教えてください。

花城康貴氏:当法人は大阪の北摂地域を中心に、幼児から高校3年生までを対象にした教育事業を展開しています。2016年に運動教室 忍者ナインと知育教室のチャイルド・アイズを立ち上げたのが始まりで、その後、地域のニーズに合わせて事業を広げ、現在は5つの事業を15教室で運営しています。知育、運動、英語、プログラミング、個別指導、SDGs教育などの様々な教育プログラムを提供しており、延べ約400名の子どもたちに通っていただいています。

法人名の「フロー」は、心理学者・ミハイ・チクセントミハイが提唱した“フロー理論”に由来しています。大人も子どもも、何かに没頭している時間は幸福感が高まりますよね。教育の場で、そうした成功体験や「できた」という感覚をたくさん味わってほしいと思い、この名称にしました。

― 組織体制についても教えてください。

花城律子氏:社員が5名、アルバイトが約50名在籍しています。教室が複数エリアに分かれているため、講師は直行直帰することも多く、勤怠管理や申請対応が煩雑になりやすい問題がありました。

多拠点・直行直帰がある環境ゆえに勤怠管理が煩雑化
Excelによる勤怠管理はコロナ禍で限界を迎えツール導入を本格検討

― 勤怠管理や申請対応の課題について詳しくお聞きします。Zoho People 導入前は、どのように勤怠や休暇を管理されていたのですか。

花城律子氏:Excelを使って手入力で管理していました。当時は、勤怠は本社にあるタイムカードを打刻するか、直行直帰の社員は「これから仕事します」「仕事が終わりました」などとLINEで申告してもらい、それらをExcelに転記していました。また、有給申請についても口頭で行われることが多かったため、取得日数の確認や残日数の計算も毎回Excelを探して手作業で行う必要があり、ヒューマンエラーも起きやすい状態でした。

花城康貴氏:とくに2020年のコロナ禍では出社が制限され在宅勤務も増えたため、「誰が・いつ・どこで働いているか」を正確に把握する必要性が高まりました。LINEで自己申告してもらう運用では、勤怠管理の正確性にも限界がありました

モバイルアプリからワンクリックで打刻可能

― とくに課題を感じていたのはどんな業務ですか?

花城律子氏:有給休暇の管理です。有給休暇は付与日や失効日など、ルールに沿って運用されているのですが、社員から「いま有給は何日残っていますか?」と質問があっても、すぐ答えられない状況でした。付与日や取得日を確認し、引き算して残数を算出する作業が毎回必要で、かつ絶対にミスが許されない業務なので、精神的にも負荷が非常に高かったです。

花城康貴氏:当法人は、小規模組織なので人事担当者が専任でいるわけではなく、私たち経営側が兼務しています。だからこそ、手作業によるヒューマンエラーのリスクは常にあり、自動化できる仕組みが必要だと感じていました。

― 人事管理ツールを検討する際、どんな要件を重視していましたか。

花城康貴氏:大きく3つあります。まず「スマホから打刻できること」です。講師は現場への直行直帰が多いので、スマホを使い、場所を問わずに出退勤が打刻できるクラウドの人事管理ツールであることが条件でした。次に「外部ツールと連携できること」です。私自身、データ連携ツールのZapier(ザピア)をよく使っており、Zapierを介して様々なアプリと連携可能な柔軟性の高さは重要なポイントでした。最後に「コストパフォーマンスが高いこと」です。この3つを満たしていたのが「Zoho People」でした。

Zoho People を知ったのは、Zapierの連携アプリ一覧を眺めていたときです。「タイムカードと連携できるツールがある」と気づいた瞬間は、まさに探していたものが見つかった感覚でした。 Zoho People について調べていくうちに、勤怠だけでなく休暇管理や評価機能も搭載していることがわかり、コストに対して非常に多機能だと感じました。

― 導入検討から初期設定の過程で印象に残ったことはありましたか。

花城康貴氏:導入時の設定は、私が行ったのですが、不明点があるたびにサポートフォーラムに質問していました。スクリーンショットを送ると「ここをこう設定してください」とクイックに、丁寧に返してくれ、本当に助かりました。初期設定を乗り越えられたのはZoho の手厚いサポートのおかげと言ってもいいくらいです。

有給付与・残日数の自動管理で“探す・計算する”作業がゼロに
小規模組織の“人事の属人化”を防ぎ、教室運営に集中できる環境を実現

― 現在、Zoho People は日常的にどの機能を利用されていますか。

花城律子氏:社員を対象に、勤怠管理と、有給や振替休暇などの休暇管理を中心に利用しています。毎月の勤務時間、たとえば、超過時間が何時間で、どの日を休暇に振り替えたといった管理が、Excelからシステム化されました。特に有給休暇の付与と管理は、導入して本当によかったと感じている部分です。以前は付与日を確認し、使った日数を引き、残日数を計算するという作業を毎回手作業で行っていました。

今はシステムが自動で付与・減算をしてくれるので、計算作業がなくなりましたし、ヒューマンエラーを心配する必要もありません。また、残日数も社員が自分で確認できるので、「残り何日ですか?」という問い合わせもほとんど来なくなりました。

花城康貴氏:休暇管理のような煩雑な事務作業があっても、前述の通り、小規模な組織では人事担当者を専任で置くことができません。その点、Zoho People で残日数が自動で可視化されるようになったことで、管理側の確認作業がほぼゼロになり、精神的な負担も大きく減りました。

モバイルアプリの休暇申請画面では休暇の残数も一目で確認可能

― 勤怠管理についてはどのように活用されていますか。

花城律子氏:月次の勤務時間はZoho People からエクスポートして管理しています。講師の中には「運動教室 忍者ナイン」のように、現場に直行直帰するケースもあります。そのため、スマホで出退勤を打刻できる点は非常に重宝しています。これまでの紙のタイムカードでは、わざわざ拠点に戻る必要がありましたが、その手間がなくなりました。

花城康貴氏:打刻時の位置情報が記録される点も良いですね。Zoho People にはGPS機能が搭載されているため、スマホで勤怠を打刻したときの位置情報が記録され、申告の正確性を担保してくれます。もしこの機能がなかったら、現場にいる社員は本社に戻って自分でタイムカードを押すか、LINEやSlackなどのチャットツールを使って他の人にタイムカードの打刻を依頼する必要があります。これでは勤怠状況の正確な把握は難しかったと思います。

― 導入後の業務負荷にはどのような変化がありましたか。

花城律子氏:現場スタッフの負担も大きく減ったと思います。以前は教室内のタイムカードを押すという些細なことではありますが、小さな手間が積み重なっていました。Zoho People 導入後は、スマホで打刻が可能になったので、出退勤の手続きがスムーズになりました。

花城康貴氏:Excelで勤怠や休暇を管理していたときは、締め作業のたびに残業が発生することもありました。Zoho People 導入後は、データが正確に蓄積されるため確認作業が早くなり、締め作業のストレスも減りました。給与ソフトではないので最終的な集計作業は必要ですが、それでも以前に比べれば大幅に効率化されています。また、打刻漏れといったヒューマンエラーの軽減にもつながっているので、管理側、社員スタッフ側の双方にとってメリットがありました。

メンバーの出退勤状況も一画面で確認可能

― 導入効果をどのように実感されていますか。

花城康貴氏:最も大きいのは、管理作業が標準化されたことです。有給付与のタイミングや勤怠情報の扱いを人に依存せずに運用できるようになったので、事務作業が安定し、今後新しく入るスタッフにも引き継ぎやすい仕組みになりました。小規模組織ほど、勤怠や労務が属人化しがちです。Zoho People を導入したことで、そのリスクを解消できたと感じています。

「脱Excel」を目指し人事評価制度をZoho People に統合
多面評価の仕組み化で“納得感”のある評価を実現したい

― 今後、Zoho People をどのように活用していきたいとお考えですか。

花城康貴氏:まず取り組みたいのは、人事評価の仕組みをZoho People に統合することです。私たちは昨年度から独自の評価制度をスタートしました。評価は「業績」「多面評価」「経営層による評価」という3つの軸で決定していますが、現在はExcelベースで運用しており、その過程を一元的に記録・管理できていません。

過去の評価履歴を見返すにも手間がかかり、記録の更新や履歴管理が煩雑になりがちです。評価を提出した後に内容を見返して追記したり、面談を通じて評価を加筆したりといった運用があるため、更新性の高い仕組みが必要だと感じています。これをZoho People に統合することで、スタッフの成長の軌跡や課題点を可視化し、継続的な人材育成につなげたいと考えています。

― 多面評価(360度評価)を取り入れたいというお話もありました。

花城康貴氏:多面評価は“どの視点から、どう見られているか”を本人が受け止めるための大事な材料です。現在はExcelのフォームを使って多面評価を行っていますが、Zoho People に組み込めれば、評価者がフォームに入力するだけで自動的に集計され、評価結果を可視化できるようになります。たとえば平均点の算出や評価プロセスの一元管理など、システム化することで運用の精度が上がるはずです。

また、Zoho People で履歴として蓄積していければ、面談時に本人に対して、評価が上がってきているとか、こういう点を改善していくと評価アップにつながるといったフィードバックもしやすくなります。これにより、評価の納得感が増し、モチベーションにつながるはずだと期待しています。

― AI活用という点ではどんな期待をされていますか。

花城康貴氏:はい。スタッフ側と管理側の両面があると思っています。スタッフ側にとっては、当法人の人事評価の考え方とか、人事制度の概要といった「みんなに等しく周知しておきたい情報やルール」などを、スタッフが業務の中で素早く検索し、いつでも閲覧可能にできるような、AIエージェントのような役割を期待しています。

管理側では、評価の指標やプロセスをダッシュボード化し、今まで評価者の頭の中にあったものの透明性や、追跡可能性を高めていきたいです。多面評価の面談の音声をAIで文字起こしして、AIに学習させた評価の指標、大事にするポイントなどに照らして評価を行う、といったことが実現できればと考えています。

flowowners

― 最後に、Zoho People への期待や、導入を検討する組織へのメッセージがあればお願いします。

花城康貴氏:私たちは子どもたちの学びを支える側として、スタッフが安心して働ける環境をつくることが重要だと考えています。Zoho People は、その基盤を支えてくれるツールです。Zoho はサポートが手厚いので、どんどん質問しながら活用を進め、今後も働きやすい組織づくりを進めていきます。

花城律子氏:小規模で人事担当者が限られている法人ほど、Zoho People のような仕組みが役立つと思います。勤怠や休暇管理は誰かが必ずやらないといけない業務ですが、仕組み化するだけで業務負荷軽減を実感することができます。

特定非営利活動法人フロー

  • 所在地:大阪府箕面市西小路3-1-15 アクセス箕面 2階
  • 業種:教育
  • ビジネス:BtoC
  • 事業内容:知育、運動、個別指導塾、英語、プログラミングなどの教室運営 他
  • 創業:2017年(平成29年)11月
  • URL :https://flow.or.jp