カスタマーサポートの業務効率化で生産性は10倍向上
顧客の潜在的なニーズを掘り起こし、より精度の高い営
業を可能に

顧客満足度の向上はあらゆる企業にとって普遍的な課題だ。そのため、企業活動においては、カスタマーサポートが重要な役割を果たすが、一方で、営業やマーケティングに比べて後回しにされがちな業務でもある。多くの経営者にとってカスタマーサポートは、最小限の労力で最大限の効果を発揮するのが、理想の形だろう。
Zoho Premium Partner として、各種Zoho 製品の導入支援・コンサルティングサービスを提供しているカイト合同会社(以下、カイト)は、Zoho Desk を活用し、まさに理想的ともいえるカスタマーサポート体制を構築している。
カイトにおいて、カスタマーサポート業務を主導する海老原 純氏は、「Zoho Desk の導入で業務の生産性は、例えるなら、井戸で水を汲んでいたところに急に水道が通ったように、劇的に向上しました」と評価する。

カイト・海老原氏「Zoho Desk の活用により、カスタマーサポートだけでなく、
効果的な営業支援も実現しています」

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カイト合同会社
Co - Founder & CEO
藤川 勝廣 氏

カイト合同会社
カスタマーエンゲージメントマネジャー
海老原 純 氏

―カイトの企業概要と事業内容について教えてください。

カイト・藤川氏:カイトはZoho 製品をはじめとした、ITツールの導入支援・コンサルティング事業を展開する会社です。設立は2014年で、私を中心とする数名のITやCRM/SFAに精通したメンバーで立ち上げました。会社の特徴は、そうしたメンバーの経験や知見を生かし、単なるライセンス販売や使い方サポートといったサービスには留まらない、「ITツールによるビジネスの最適な仕組みづくり」をご提案している点です。お客さまのビジネス全体を俯瞰し、その仕組みをITツールにより効率化することで、幅広い業種・業界のお客さまの業績向上や生産性向上を支援しています。特に、Zoho Corporation (Zoho 本社)から一定の基準を満たすことでのみ認定されるZoho Premium Partner に長きに渡って選ばれているなど、Zoho 製品による課題解決を得意分野としています。

―カイトのカスタマーサポートの体制について教えてください。

カイト・海老原氏:カイトでは2016年から、私が中心となってカスタマーサポート業務を行っています。カイトは日本国内の本社以外に、クアランプールにも拠点を設けており、私はそこからお客さまの問い合わせに対応しています。日常的にサポートしているのは、概ね40社から50社のお客さまで、基本的にコミュニケーションはオンラインです。最近までは、数ヶ月に一度、日本で定期的なクライアントミーティングに参加する事もありましたが、コロナ禍以降は、100%がオンラインによるサポートに移行しています。

クライアント数が急増し
カスタマーサポート体制の大幅な効率化に迫られる

―Zoho Desk を導入するまでの経緯を教えてください。

カイト・海老原氏:Zoho Desk を導入したのは2018年の年初です。当時、カイトのカスタマーサポートには2つの課題が存在していました。まず1つ目がお客さまの急増です。大変ありがたいことですが、2018年を前後して、クライアント数が急速に伸び、カスタマーサポートへの対応リソースの不足が懸念されるようになっていました。また、2つ目の課題として、提供サービスの拡充がありました。カイトはそれまで、主に顧客管理システム「Zoho CRM 」やメールマーケティングツール「Zoho Campaigns 」を中心に導入支援を展開していましたが、2018年からはZoho 製品の全てをサポートすることになりました。つまり、クライアント数が増え、提供するサービスの幅も広がったことにより、カスタマーサポート体制の大幅な効率化に迫られ、カスタマーサポートツールの導入が必要不可欠になったのです。

―それ以前は、どのようにしてカスタマーサポート業務を行っていたのでしょうか。

カイト・海老原氏:メールかZoho Connect というZoho が提供するSNSツールにてクローズドな掲示板形式でのコミュニケーションツールでお問い合わせを受けていました。特にお問い合わせに対する業務フローやガイドラインについては、特に明文化したものは用意しておらず、柔軟に、お客さまからお問い合わせがあった時点で、逐次ご対応する形でした。クライアント数が少ない頃は、そうした体制でも対応が可能でした。

―数あるカスタマーサポートツールの中から、Zoho Desk を採用した理由を教えてください。

カイト・海老原氏:他のZoho 製品と連携することで、より効果的に活用できる点を評価してZoho Desk に決めました。例えば、Zoho Desk はZoho CRM と連携することで、Zoho CRM 上にあるお客さまの契約内容やライセンス数、支援内容、提出した提案書などの情報を一覧することができ、お客さまとのお取引内容を完璧に把握した上でサポートできます。これにより、その都度、営業担当者に確認する作業を削減でき、お問い合わせ対応のリードタイムを大幅に短縮できます。他の競合製品とも比較検討しましたが、Zoho 製品を自社の業務でも活用しているカイトにとって、最も効果を発揮するカスタマーサポートツールがZoho Desk でした。

Zoho Desk によるカスタマーサポートの
業務効率化で生産性は10倍向上

―現在、Zoho Desk を活用して、どのようなカスタマーサポートを行っているのでしょうか

カイト・海老原氏:お問い合わせには、顧客用ポータルサイト内の問い合わせ受付、ナレッジベースとサポートメールを活用して対応しています。お客さまがお問い合わせをしたい場合、顧客用ポータルサイトにログインしていただき、まずはそこに掲載されているナレッジベースをご確認いただくようお願いしています。ナレッジベースとは、いわゆる「よくある質問」で、これまでに受けたお問い合わせのうち、標準化してご回答できるものをQ&A形式で作成し、掲載しています。お客さまから受けるお問い合わせのうち、概ね6〜7割ほどは標準化してご回答できるものなので、ナレッジベースは逐次更新して、まさに「鰻屋の秘伝のタレ」のように、少しずつ継ぎ足しながら充実させています。
そして、ナレッジベースで疑問が解決できなかったお客さまには、問合せ受付フォーム・サポートメールでご連絡をいただきます。連絡がくるとカイトのZoho Desk 上にチケットとして通知されるので、営業担当や開発担当とコメント機能でコミュニケーションをとったり、自社で整理したカスタマーサポートのスクリプトを活用したりしながら、お客さまの疑問を解決に導いていきます。また、時にはゾーホージャパンやZoho のインド本社と連携しながらトラブルシューティングすることもあります。

―Zoho Desk の活用により、得られた効果を教えてください。

カイト・海老原氏:まずは大幅なカスタマーサポートの業務効率化です。メールやチャットを利用していた頃と違い、現在は全てのお問い合わせが同じインターフェース上に集約されています。さらに、Zoho CRM との連携により、お客さまついての全ての情報を把握できるので、カスタマーサポートをZoho Desk 上で完結させることができます。そのため、回答の精度向上や回答へのリードタイム短縮が実現しています。また、Zoho Desk のモバイルアプリも利用しているため、プッシュ通知が来てすぐ返答できる点も、リードタイム短縮につながっています。しかも、それらに加えて、ナレッジベースの活用により、多くのお客さまの疑問が、私たちに届く前に自動的に解決されていきます。こうした機能の活用による業務効率化は劇的で、例えるなら、井戸で水を汲んでいたところに、水道が開通したような感覚です。体感でいえば、生産性は10倍ほど向上しています。
また、カスタマーサポートの業務効率化とは別に、Zoho Desk は営業支援・強化のソリューションとしても役立っています。お問い合わせの内容から、お客さまのビジネスに潜む課題を予測することができ、その内容を営業担当者と共有することで、効率的な営業が可能になるのです。例えば、Zoho CRM を営業の案件管理にのみご利用していたお客さまが、WebサイトとCRMの連携についてご質問してきた場合、それはWebマーケティングの施策を強化していることが予測されます。なので、こちらからそのニーズを先回りした、Webマーケティングについてのご提案をするなど、Zoho Desk は顧客のインサイトを読み解き、営業を支援し強化する効果も持っています。

Zoho Desk は潜在的なニーズを掘り起こし
精度の高い営業を可能とするソリューション

―Zoho Desk を活用してみての感想や評価について教えください。

カイト・海老原氏: Zoho Desk の優れている点は、業務効率化が実現することはもちろん、カスタマーサポート業務を営業活動と有機的に連携させ、ビジネス機会の拡大を支援できるところだと思います。ビジネスのチャンスは、お客さまの普段の言動のなかに眠っているものです。そして、そのチャンスを日常的に受け取っているのはカスタマーサポート業務に携わるスタッフです。そのため、お客さまのお問い合わせを営業機会や商談に転換していくことができるZoho Desk は、非常に効果の大きいソリューションだと思います。

―最後に、カイトの今後の事業展望と、そこにZoho Desk をどのように活用したいかを教えてください。

カイト・藤川氏:Zoho は近年、様々なサービスが高度化、多機能化していて、さらに今後細分化も見込まれます。そうした流れの中で、カイトは主力事業を現在のITツールの導入支援から、CRMを中心としたDX(デジタルトランスフォーメーション)支援にステップアップさせたいと考えています。その手始めとして、Zoho の製品をどう活用すれば自社のDXを進めていけるかが分かるナレッジベースをZoho Desk 上に構築し、お客さまにDXのノウハウを啓蒙していきたいですね。