ビジネスチャットツールからZoho Desk への
移行でタスク漏れがゼロに
売上拡大に貢献する顧客サポートを実現

大阪、東京、宮崎に拠点を構え、集客サイトの制作を中心にEC、採用といった企業が抱える様々な課題の解決に取り組む株式会社ジーニアスウェブ(以下、ジーニアスウェブ)。2006年にホームページ制作会社として創業して以来、その事業領域を拡大し続けてきた。
現在ではコンサルティング、広告運用、マーケティングオートメーション、SFA/CRM、オファーコンテンツ作成など、Webマーケティングのアウトソーシングを基軸にさまざまなビジネスを展開している。同社では、サポート業務の効率化と顧客への対応状況の可視化を目指し、「Zoho Desk 」の利用を開始。売上拡大に寄与する顧客サポートを実現させている。Zoho Desk をどのように活用し、成果を挙げることができたのか、代表取締役の小園浩之氏に話を伺った。

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株式会社ジーニアスウェブ
代表取締役 小園 浩之 氏

―ジーニアスウェブのご紹介をお願いします。

小園氏 Webサイトの制作や運用を主軸に、新規顧客の獲得のためのコンサルティングや広告運用、マーケティングオートメーションの推進、オファーコンテンツの制作支援に加え、Zoho 製品を中心としたSFA/CRMシステムの導入支援サービスを提供しています。
最近では、Webサイトと業務システムの連携による顧客サービスの提供から、アフタフォローの推進、リピートオーダーの獲得までをトータルでサポートしてほしい、という依頼も増えており、デジタルツールを活用した生産性向上や売上拡大支援にも取り組んでいます。

―Zoho Desk を利用した顧客サポートの強化に着手した理由を教えてください。

小園氏 これまでは、顧客サポートにクラウド型ビジネスチャットツールの「Chatwork」を利用していたのですが、2つの課題が浮上しました。
1つはタスク漏れの発生です。従来、Webサイトの運用を担うチームに対する顧客からの問い合わせやサイト更新依頼はChatworkを介して行われていました。しかし、チャットを介したやり取りでは会話がどんどん流れていってしまう上、別の相談事や業務に関係のない会話が混在することもあり、その過程でタスク漏れが生じてしまっていたのです。
また、顧客への提案、制作、運用に至るまでをひとつのグループチャットで行っていたことも、タスク漏れの一因となっていました。
たとえば、制作担当者は、制作が完了した時点で運用担当者へと顧客を引き継ぎますが、グループチャット上には在籍したままの状態でした。すると、担当者には常に大量のメッセージが寄せられ、未読状態のグループチャットが増加し、自分の担当業務がどれかを判別しづらい状況に陥っていたのです。
もう1つの課題は、顧客からのサポート依頼を可視化、分析することで、次の一手に繋げたかったことです。例えば、Webサイトの更新依頼が半年以上なければ、解約される可能性があるわけです。しかし、当社の社員は日々忙しく、非アクティブユーザーにまではなかなか気を回すこともできません。したがって、「最近、更新依頼や問い合わせがないな」と気付いた時にはすでに手遅れで、解約の予兆をいち早く把握し、それを未然に防ぐための打ち手がなかったのです。
これらの課題を解決するためには、専用のツールを用いたヘルプデスクやサポート業務の強化が不可欠であり、ChatworkからZoho Desk への移行を決断しました。

―Zoho Desk 以外にもサポートツールの導入を検討しましたか。

小園氏 他社製品も調べましたが、基本的にはZoho Desk 一択でした。決め手はZoho CRM をはじめとした、Zoho の様々なソリューションとの連携が可能なことです。弊社では、単なるWebサイト更新代行サービスの提供から脱却し、収益性をさらに高めていくために、リピートオーダーの獲得や顧客ニーズを把握した上での提案営業へと変革を進めていくことを目的として「Zoho CRM 」を導入していました。CRMと連携できて、これだけコストパフォーマンスが良い製品は他にありませんでした。
また、顧客データベースをシステムごとに保有することも避けたい、と考えていたことも、Zoho Desk を選んだ理由の1つです。

約3か月でZoho Desk の全社展開を実現
モバイルアプリも活用

―導入スケジュールについてお聞かせください。

小園氏 2019年7月から私自らがセットアップを開始し、メールシステムやサポートポータル、Zoho CRM との連携を行いました。その後、一部スタッフの間でテスト運用を行い、10月から全社的に本番稼働を開始しました。Zoho Desk は操作が分かりやすいので、社員への教育は最小限に抑えられ、スムーズに進められた点が良かったです。

―日々の業務でZoho Desk をどのように活用されていますか。

小園氏 主にメールやヘルプセンター*を経由したサポート依頼をZoho Desk で受け付けています。本番運用を開始してから約1年が経過しましたが、意外にヘルプセンターを利用されているケースが多いですね。問い合わせをしなくても、サポート依頼に対する進捗状況を把握できることがその理由ではないでしょうか。また、Zoho CRM との連携により、ホーム画面のダッシュボードの下部に45日間以上、問い合わせのない顧客をピックアップして表示させるようにしています。これにより、Webサイトの更新依頼や広告の配信依頼がないなど、アクティブでない顧客が可視化され、解約の予兆を把握できるようになっています。

*図1:CRMのホーム画面 45日以上問い合わせのない顧客
*Zoho Desk のヘルプセンターには、問い合わせ窓口として利用できるカスタマーポータル機能が備わっており、ヘルプセンター上で顧客情報を登録するだけで、各顧客専用の問い合わせページが自動で生成されます。登録した情報で専用ページにログインすると、問い合わせの送信や回答の確認、過去の問い合わせ履歴の閲覧ができます。

―Zoho Desk モバイルアプリは利用されていますか。

小園氏 はい。顧客からサポート依頼や問い合わせがあればスマホにプッシュ通知されるので、急ぎの更新依頼等に対しても迅速な対応が可能となっています。また、そのような優先度の高い問い合わせへの対応状況を、私のスマホでも把握できるので便利ですね。

社員それぞれの担当すべき業務が明確化、
タスク漏れがゼロに

―Zoho Desk を導入してから、サポート業務はどう変わりましたか。

小園氏 Zoho Desk の利用を開始してから、タスク漏れは1件も発生していません。顧客からのサポート依頼があればチケットが発行され、担当者に対応が割り当てられます。その際に、サポートが完了しない限り、担当者のタスクとしてチケットが手元に留まり続けるので、自分自身が遂行すべき業務として明確化された影響が大きいと考えています。実際、担当者にも「タスクを早くゼロにしたい」という意識が芽生えているように感じます。担当者の割り振りもZoho Desk 上で行えるため、グループチャットを利用していた時のような、「誰がサポートをしなければならないのか、判断できない」といった状況に陥ることも防げています。
また、従来のChatworkでは、顧客から寄せられたチャットの内容が相談事なのか、サポート依頼なのか線引きが難しいケースが少なくありませんでした。しかし、Zoho Desk に問い合わせ管理を移行して以後、依頼内容が明確になり、担当者も「これは対応しなければならない案件である」ときちんと把握できるようになりました。

―経営者の観点から、Zoho Desk の導入メリットについて教えてください。

小園氏 以前は、顧客と担当者がどのような会話をしているのか分からなかったのですが、Zoho Desk の活用でやり取りが可視化され、依頼の内容に応じて営業担当者をアサインする、といった手立てが打てるようになっています。
また、月間のチケット発行数も一目瞭然となったことで、担当者の業務負荷も把握できるようになり、人的リソースの最適な配置も行えるようになりました。何より、当初の目的であった、一定期間問い合わせのない顧客が可視化されたことで、解約を防ぐための次の一手を打てるようになったメリットは大きいと考えています。

弊社の業務を大別すると、Webサイト制作のように納品すればそれで業務が終わるプロジェクト型の業務と、HPや広告の運用、Zoho サービスのサポート・保守など、取り引きが一度きりで終わらない業務に分けられます。HP制作を制作して終わりではなく、さらなる付加価値を提供し顧客との関係性の継続向上を目指していくうえで、Zoho Desk の活用が欠かせません。
顧客サポートにはお客さまの困っていることや課題が入ってきますが、そうした情報や依頼内容から、お客さまのニーズを把握したより的確な提案や営業が可能になっています。その結果、Webサイトと業務システムの連携による顧客サービスの提供依頼やWeb集客を増やすための依頼などが増加しています。
Zoho Desk をはじめとしたZoho のソリューションは、Webサイトの制作、広告運用の進捗管理から顧客管理、ビジネス機会の創出など、弊社のビジネス活動全般を支える重要な存在です。

総合力を強みとするZoho のソリューションを活かし、
顧客の生産性向上、売り上げ拡大を支援

―Zoho Desk の導入を検討されている事業者の方々にメッセージはありますか。

小園氏 ヘルプデスクやサポートサービスを提供している事業者で、「顧客からの問い合わせやサポート依頼への対応状況が把握できていない」と悩まれているのであれば、ぜひ、Zoho Desk の導入をお勧めしたいと思います。事実、専用のサポートツールでなければ、顧客サポート自体が上手く回らず、何が問題解決のボトルネックとなっているのかも把握できません。さらにサポートツールは顧客満足度を向上させるとともに、売上拡大にも活用できるものです。
現在、さまざまなアプリケーションが一体となった「Zoho One 」を導入していますが、自社運用で培った知見やノウハウを生かし、Zoho 製品を用いた業務改善、売上拡大の提案も行っています。総合力こそがZoho の最大の強みであり、また、Zoho ほど豊富な連携機能と拡張性を備えながらも、コストパフォーマンスに優れたソリューションはない、と断言できます。
Zoho CRM の他には、「Zoho Campaigns 」を活用してメルマガの配信を行い、メルマガを経由して訪問した顧客のWebアクセス履歴の分析を「Zoho SalesIQ 」で実施するなど、日々の営業活動に役立てています。また、今後はZoho Desk を「Zoho Survey 」を連携させ、サポートに対する満足度調査も行っていきたいと考えています。

―最後に、今後のビジネスの展望についてお聞かせください。

小園氏 現在、多くのお客さまが求めていることは、「半分の労力で倍の成果を上げる」ことです。そうした要望に応えられるツールがZoho の一連のソリューションであると考えています。今後も、Webサイトの制作/運用支援とともに、Zoho のソリューションをコアとして、お客様の業務効率化や生産性向上、そして売上拡大を支援していきたいと考えています。