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ウェビナーで成果を分析する重要性
多くの企業は、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)やリードナーチャリング(見込み客の育成)などを目的に施策を実施しています。中でもウェビナーはリード獲得に効果的な手法ですが、開催しただけで満足してしまうと、その成果を正しく把握することはできません。
例えば、申込者数が多くても実際の参加率が低い場合、顧客育成が進まず、商談などの営業プロセスにつながりにくくなります。結果として、期待していた成果を得られないウェビナーとなってしまいます。
このような問題を見逃さないためにも、適切な指標を設定し、ウェビナーがどのような成果を生んだのかを客観的に分析することが重要です。
ウェビナーの効果測定をするメリット
ウェビナー開催後に効果測定を実施し、収集したデータを分析することで、ウェビナー運営の課題を把握し、改善につなげるための具体的な方向性が見えてきます。ここでは、効果測定による主なメリットを確認し、その重要性を深掘りしていきましょう。
成果を可視化できる
ウェビナーを開催することで、参加率、視聴完了率、商談化数、受注数など、さまざまなデータを収集できます。これらのデータを数値として可視化することで、ウェビナーがリード獲得数だけでなく、どの程度商談に結びついているか、さらに参加者がコンテンツをどれほど評価しているかを具体的に把握できます。
社内で報告や共有を行う際に、「〇〇人が参加し、そのうち△△%が最後まで視聴した」「△件の商談が創出された」といった具体的な数値があれば、説得力が大いに増します。
このようにウェビナーのデータを可視化できれば、次回のウェビナーの予算承認やリソース配分の調整もスムーズに進むでしょう。
ROI(投資利益率)の評価
ウェビナーの開催には、ツール利用料や広告費、人件費など、さまざまなコストがかかります。効果測定を行うことで、その費用に対してどれだけのリードを獲得できたか、商談化につながったか、受注を得られたのかが明らかになり、ROIを算出できます。特に、Web広告やメルマガなど、他のオンライン施策とウェビナーを比較する際のコストパフォーマンスや獲得した成果の質、中長期にわたるマーケティング戦略全体への影響を客観的に判断できるようになるのは大きなメリットです。
また、ウェビナー単体の数字だけでなく、複数のマーケティング施策全体で見た際の位置付けを明確にすることで、今後の戦略や予算配分を最適化しやすくなります。
次回に向けた戦略の改善
ウェビナー結果を分析すると、「どのテーマや告知が集客に効果的だったか」「参加者がどの段階で離脱したか」など、多くの気づきを得られます。例えば、事前登録者数に対して参加率が低い場合には、リマインドメールや開催日時の見直し必要かもしれません。データ分析をすることにより、どの変数を改善すべきか分かり、データドリブン戦略を練れるため、感覚に頼らない合理的な施策を打つことができるでしょう。
分析しないウェビナーがもたらす損失
ウェビナーの成果を分析せずに施策を続けると、以下のようなリスクが生じます。
- ROIが不透明な状態が続く
- 機会損失に気づけない
- ブランド価値の低下
まず、ウェビナーにツール費や運営リソースを投下しているにもかかわらず、ROIが不透明なままだと、次回以降にどの程度の予算や人員を充てるべきか判断できません。また、ウェビナーの効果を分析しないことで、無駄なコストが発生していてもその問題に気づけない可能性があります。さらに、ウェビナーに参加した見込み顧客が商談や受注に発展する可能性があっても、適切に追跡していないとフォローアップが行われず、良質なリードを逃すことにつながります。
告知方法やコンテンツに問題がある場合、分析不足によって改善点を見逃してしまい、結果的にリードの獲得やリードの育成に影響を与えることにもつながりかねません。質の低いコンテンツを発信し続けていると「この会社のセミナーは有益ではない」といった印象を持たれ、参加者からの信頼を失い、長期的にはブランド全体の評価や企業の評判の悪化にも下がる可能性が出てきます。
ウェビナー効果測定の基本フロー
ウェビナーの成果を正確に分析し、次回以降の改善につなげるための基本的な流れを把握しましょう。
ウェビナーで効果測定を行う基本フローは、以下の通りです。
- 目的と目標の整理
- データ収集
- データ整理
- 指標の計算
- 結果の可視化
- 改善点の特定
- 次回戦略の立案
ウェビナーの効果測定を始める前に、事前に設定した目標とKPIを改めて整理しましょう。例えば、リード獲得、商談数の増加、既存顧客へのアップセルといった成果を目指していた場合、それぞれのKPI(例:リード数、商談率、アップセル率など)がウェビナーの目的に沿っていたか確認することが重要です。この段階での目標整理が、後の効果測定や分析の精度を高める指針となります。
次に、データ収集に進みます。ウェビナーツールやアンケートツール、CRM(顧客管理)/SFA(営業支援)ツールなどから必要なデータを集めます。データを集めたら、重複や欠損がないかを確認し、整理していきます。部署間で重複して取得したデータやフォーマットが異なるデータは、統合して扱えるようにしておきましょう。
その後、参加率、視聴完了率、商談化率など、設定したKPIとの関連が深い指標を算出します。算出した結果は、表やグラフ、ダッシュボードなどを用いて、誰が見ても分かりやすい形にまとめて可視化することも重要です。
結果を可視化できたら、改善点を特定するために、指標の数字やアンケートの回答から、何が原因で成果が出なかったのか、または成果が出たのかを検討します。最後に、洗い出した課題への対策を策定し、次回ウェビナーに反映させるまでが一連の流れです。
ウェビナー分析を始める前の準備
ウェビナー分析を円滑に進めるためには、必要なデータを把握し、収集のための基盤を整えることが重要です。ウェビナー分析を始める前に、どのような準備が必要かを確認していきましょう。
必要なデータの種類を把握する
まず、ウェビナーで収集するデータの種類を整理し、それぞれの目的を明確にしましょう。一般的に分析に活用されるデータは以下の通りです。
- 参加者データ:申込者属性、事前登録者数、参加者数(率)
- 視聴データ:平均視聴時間、視聴完了率(途中離脱率)
- エンゲージメントデータ:質問数、アンケート回答率、アンケート内満足度
- コンバージョンデータ:見込み客転換率(MQL化率)、商談化数(率)、受注数(率)
ウェビナーで達成したい目標に応じて、重点的に収集するデータを決定すると良いでしょう。すべてのデータを網羅的に集めようとすると工数が増えるため、優先順位を考慮しながら効率的に進めることが重要です。
データの収集基盤を整える
目的のデータを集めるためには、ウェビナーツールやアンケートツール、CRM/SFAツールなどを用意し、収集基盤する準備を整えましょう。下記のツールを使うと便利です。
- ウェビナーツール
- アンケートツール
- CRM/SFAツール
代表的なウェビナーツールとしてはZoomがあり、参加者の入退出データや視聴時間を自動取得できる機能、チャットやQ&Aのログをエクスポートできる機能が便利です。アンケートツールは、ウェビナー後の満足度調査やフィードバックを収集するために使用します。定量的なデータに加え、感想などの定性的なデータを収集できるため、ウェビナーの改善には欠かせません。CRM/SFAツールでは、見込み顧客や商談、受注状況を一元管理でき、ウェビナーで獲得したリードを営業チームへ引き渡し、最終的な受注データまで統合的に把握できるのが魅力です。
これらのツールを適切にウェビナーに紐付け、データの重複や抜け漏れを防ぐ収集体制を整えることで、分析作業がよりスムーズになります。
ウェビナーで分析すべき11個の指標と計算方法
ここからは、ウェビナーで分析すべき代表的な11の指標を解説します。それぞれの指標をどの程度重視するかは、ウェビナーの目的によって変わるため、自社のゴールに合致した指標を選び、集計・分析に注力することをお勧めします。
申込者属性
申込者属性は、ウェビナー申し込み者の業種、役職、企業規模などのプロフィールのことを指します。自社でターゲット層が正しく集客できているかを確認するための指標となります。業種や役職に偏りがある場合、告知チャネルやテーマ選定に問題がある可能性が高いです。また、そもそものターゲットが明確でない場合、必要以上に幅広い層を集客してしまい、商談化率が低くなるリスクがあります。
登録者数
事前登録者数は、ウェビナーの開催前に登録した人数を示す数値で、プロモーションの方法が適切だったかどうかを確認するための指標となります。イベントLPからの申込数やメールからの申込数、その他フォームからの申込数などを合算して算出します。
参加者数・参加率
参加者数・参加率は、実際にウェビナーに参加した人数と事前登録者数に対する参加者の割合で示される指標です。参加率の計算式は、以下の通りです。
参加率=(参加者数÷事前登録者数)×100(%)
1,000人が申し込み、500人参加した場合の参加率は50%となります。
99firmsが実施したウェビナーの統計調査によると、ウェビナーにおける参加率は平均46%です。参加率が低い場合、リマインドメールの有無、開催日時、当日の接続方法が分かりにくかったなどの要因が考えられます。特に、リマインドメールの送信タイミングや内容などは参加率に大きく影響するため、重点的に確認する必要があります。
平均視聴時間
平均視聴時間は、参加者が平均してどのくらいの時間視聴したかを示す数値です。ウェビナーツールによっては自動で測定できます。長時間視聴されている場合、コンテンツの質が高く、参加者の関心を引きつけられていると考えられます。一方、平均視聴時間が極端に短い場合、テーマや時間配分に問題があるか、興味深い内容に入る前に離脱されている、つまりコンテンツの構成に問題があるかもしれません。
視聴完了率(途中離脱率)
視聴完了率(途中離脱率)は、ウェビナーを最後まで視聴した割合、もしくは途中で離脱した割合を示す数値です。コンテンツの質を評価する際に重要な指標です。視聴完了率は、以下の計算式で算出できます。
視聴完了率=(最後まで視聴した人数÷参加者数)×100(%)
最後まで視聴した人数が100人で参加者数が200人の場合、視聴完了率は50%となります。視聴完了率が高い場合、ウェビナー全体を通じて価値ある情報を提供できている可能性が高くなります。もしも、離脱するタイミングが特定の時間に集中しているのであれば、そのタイミングでのコンテンツ内容や進行方法を見直しましょう。
質問数
質問数は、チャットやQ&Aの形で寄せられた質問の数を示します。参加者の興味度や積極性を測る指標となります。質問が多いテーマほど、参加者からの興味・関心が高いと推察できます。逆に、質問があまりない場合、テーマが不明瞭だったり、質問を受け付ける雰囲気作りが不十分だったりする可能性があるため、改善が必要です。
アンケート回答率
アンケート回答率は、ウェビナー後に実施するアンケートに回答した参加者の割合を示す数値です。回答率の計算式は以下の通りです。
回答率=(アンケート回答数÷参加者数)×100(%)
もし回答率が低い場合、アンケートへの誘導が不足しているか、質問項目が多すぎることが原因かもしれません。逆に、回答率が高い場合は、参加者がフィードバックを提供したいという意欲が高く、ウェビナーに対する満足度や関心が高いと考えられます。
アンケート内満足度
アンケート内満足度とは、参加者から収集した満足度を指し、一般的には5段階評価やNPS®(ネットプロモータースコア)で測定されます。スコアが低い場合、コンテンツの質や講師の話し方、プレゼンテーション資料などに課題があるかもしれません。アンケートを実施する際は、満足度に加えて感想やフィードバックを受け付けると、数値だけでは把握できない具体的な理由や感触を理解することができるため、おすすめです。
見込み客転換率(MQL化率)
見込み客転換率(MQL化率)は、ウェビナー参加者の中で、マーケティング的に有望と判断された人の割合を示す指標です。MQL(Marketing Qualified Lead)は、購買意欲が高く、営業チームに引き渡す準備が整ったリードを指します。営業プロセスにおける立ち位置としては、リード獲得後にフォローやスコアリングを経て分類される段階に位置します。見込み客転換率の計算式は、以下の通りです。
見込み客転換率=(MQLになった人数÷ウェビナー参加者数)×100(%)
この率が低い場合、フォローアップやスコアリング基準に問題があるか、集客施策がターゲットと合っていない可能性があります。
商談化数・商談化率
商談化数・商談化率は、ウェビナー参加者から商談に至った件数や割合を示します。商談化率は、以下の計算式で求められます。
商談化率=(商談件数÷ウェビナー参加者の中でMQLと分類された人数)×100(%)
商談化率が低い場合、営業担当者への情報共有不足やフォロータイミングの遅れに加え、ターゲット層の集客ミス、またはウェビナーのテーマが商談に直結していない可能性があります。逆に商談か率が高い場合は、逆に商談化率が高い場合は、ウェビナーの質やテーマ選定が適切で、営業プロセスがうまく機能していると考えられます。
受注数・受注率
受注数・受注率は、ウェビナーから商談化した案件の中で、最終的に受注に至った件数や割合を示します。これはウェビナーの直接的な売上や成果に関わるため、非常に重要です。受注率は、以下の計算式で求められます。
受注率=(受注数÷商談件数)×100(%)
BtoBの営業サイクルが長い場合、すぐに数字が現れにくいことが課題ですが、定期的に追跡することでウェビナー施策の最終的な評価につなげることができます。申し込み数が多くても、有効なリードでなければ負担が増える可能性があるため、営業担当との連携を密にし、状況を把握することが望ましいです。
ウェビナーのデータ分析における課題と解決策
ウェビナーのデータ分析を進めると、いくつかの課題に直面することがあります。ここでデータ分析における主な課題とその解決策を解説します。
重視すべき指標が目的により異なる
分析を進める際、ウェビナーの目的が明確でないと、正しい指標の設定や成果の評価が難しくなります。ウェビナーの目的は「リード獲得」なのか、「既存顧客へのアップセル」なのかによって、分析すべき指標や成果の判断基準が異なるため、開催前に事前に整理しておく必要があります。
目的が曖昧なまま分析を始めると、適切に分析ができず、正しい評価ができなくなります。そのため、開催前に目的・KPIをあらかじめ明確にし、ゴールに合った指標を優先的に設定しましょう。
例えば、見込み顧客(リード)の獲得が目的なら、参加者数・参加率などの指標が重要になります。部署間で目的を共有し、集めるべきデータと分析の視点を整理してから分析を始めましょう。
定性データの評価が難しい
参加率などの定量的なデータは、数値が明確なため客観的に評価しやすいですが、アンケートの自由記述などの定性データは、数値化しにくく評価が難しい傾向にあります。
そのため、定性データを評価する場合は、評価基準やカテゴリ(ポジティブ/ネガティブなど)を事前に設定し、可能な範囲で定量化して評価しましょう。また、重要な意見を抽出して、部門内で共有し、改善に向けたディスカッションを実施することも大切です。
成果が出るまでに時間がかかる
BtoBでは、ウェビナー参加者がすぐに商談や受注に至るわけではなく、数カ月かかることもあります。そのため、長期的なデータ追跡が必須となります。
受注までの期間を踏まえた上で、あまりに長期になるのであれば、中間指標(見込み客転換率や商談化率など)をより重視して、素早い改善を図りましょう。
ただし、受注数が直接的な売上や成果になる重要な指標なのは変わりないので、営業チームと連携し、ウェビナーが生み出す成果を長期的に把握する体制は整えておく必要があります。
データの統合にリソースが必要
ウェビナーツール、アンケートツール、CRM/SFAツールなど、複数のシステムを併用していると、データの統合にリソースが必要になります。
データの自動連携機能があるツールを導入し、手作業や重複チェックの負担を減らしたり、全社で使う共通フォーマットを定めて、共有体制を整えたりして効率化しましょう。
データ分析の効率化ツール
ウェビナーのデータをすべて手動で収集するのは困難、または不可能です。ウェビナー分析を効率的に行うために、有用なシステムやツールの導入を検討しましょう。
CRM/SFAツール
CRM/SFAツールは、顧客情報や商談進捗を一元管理できるシステムです。Zoho CRM などが広く知られています。ウェビナーで獲得したリードの属性や商談ステージを可視化し、営業チームと情報共有しやすくなります。また、CRM/SFAツールには、商談化率や受注率などを自動で計算する機能が備わっているものもあるため、自社に適切なツール選びが重要です。
ウェビナーツール
ウェビナーツールを使うことで、参加者データや視聴時間、Q&Aログなどを簡単に収集できます。事前登録やリマインドメールの配信、ウェビナー開催後のアンケート実施までを一元管理できる機能を持つツールも存在します。開催後の配信を考えているのであれば、録画機能やオンデマンド配信機能が備わっているツールがおすすめです。ただし、無料ツールはデータ集計まで見据えた場合、機能不足なことがあるので注意が必要です。
データ分析ツール
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用することで、さまざまなソースからのウェビナーデータを集約して、可視化・分析しやすくなります。複数のチャンネルやツールを横断的に分析し、ダッシュボード化してリアルタイムに指標を追跡することも可能です。大規模データを扱う際もスムーズに処理できるため、ウェビナーのような中長期にわたるデータ蓄積に向いています。
データ分析結果を活用した改善の具体例
ウェビナーで得られたデータを活用し、どの指標を重視し、どんな改善策が考えられるのか具体的に解説します。
1.プロモーション手法の評価と改善
プロモーション手法を評価する際には、事前登録者数や申込者の属性、広告のクリック率やメールの開封率などが重要な指標となります。例えば、事前登録者数が少ない場合は、広告クリエイティブやランディングページの内容、メールの件名などを見直す必要があります。また、特定のチャネルからの登録が著しく少ない場合は、そのチャネルのターゲットが適切でないか、媒体との相性が悪い可能性があります。訴求内容やキーワード、広告配信のターゲティング設定を再検討することが改善策として考えられますが、効果が見られない場合は、他のチャネルにリソースを振り分けることも有効です。
2. 獲得リードの質の評価と最適化
獲得リードの質を評価する際には、リードの属性(業種や役職など)、見込み客転換率(MQL化率)、商談化率などに注目します。見込み客転換率が低い場合、テーマや訴求内容がターゲットに合っていない、リードの属性が十分に絞り込まれていない、リードナーチャリングが不十分である可能性があります。告知チャネルやコンテンツの切り口を再考し、適切なターゲットを集客できるようにしたり、フォローメールやコンテンツを見直して、リードが次のプロセスに進みやすい環境を整えましょう。
3. コンテンツの質の評価と最適化
コンテンツの質を評価する際には、平均視聴時間、視聴完了率(途中離脱率)、アンケート内の満足度などが重要な指標となります。例えば、平均視聴時間が短い場合は、導入部分や一定時間経過後の構成を見直し、参加者を引き込む工夫が必要です。また、アンケート内の満足度が低い場合は、内容が浅いか参加者の悩みに即していない可能性があるため、テーマ選定の調整が求められるかもしれません。減点のポイントを特定するのは難しいため、アンケートで得た感想やフィードバックなどの定性的なデータも参考にしましょう。
4. 商談化への貢献度
商談化への貢献度を評価し改善を図る際には、商談化数や商談化率、受注数や受注率などの指標を重視して分析します。商談化率が低い場合、ウェビナー後のフォロー体制を強化したり、営業への情報共有を最適化することが有効な改善策となるかもしれません。また、ウェビナー内で提示した内容がターゲットのニーズに合っていない可能性もあるため、獲得リードの質やコンテンツの質と合わせて改善を進めましょう。
ウェビナーを成功に導くための戦略
ウェビナーの分析結果を最大限に活かすためには、継続的に運営体制を整えていくことが欠かせません。一度の開催だけで完璧に成果が出るわけではなく、繰り返し改善を重ねて戦略を練っていくことで精度が上がります。
PDCAサイクルを回す
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを徹底し、少しずつ質を高める姿勢が重要です。ウェビナーにおける基本的なPDCAサイクルの流れは、PDCAサイクルの流れは以下の通りです。
- Plan:ウェビナーの目的やKPI設定、コンテンツの選定、告知計画などを立案
- Do:ウェビナーを実行(集客から開催後のフォローアップまでを含む)
- Check:指標の測定や分析を行い、客観的に評価する
- Action:データを分析して判明した課題を洗い出し、次回に向けて改善を行う
継続的なデータ分析を実施する
ウェビナーを複数回開催することで、各回の結果を比較し、傾向や施策による改善効果を確認できるようになります。1回だけのデータでは見えづらい指標も、2回、3回と重ねるうちに鮮明になり、データ分析自体の信頼度も向上します。商談化や受注に至るまでの時間差を考慮し、長期的な視点で成果を評価することが重要です。
チーム間の連携強化
多くの場合、ウェビナーは1人だけで開催されるのではなく、チーム単位で集客からフォローアップまでのフローを実行しています。そのため、チーム間での連携を強化し、改善が必要な指標に対して適切にアプローチできる体制を整えることが求められます。また、ウェビナーはマーケティング部門が中心となって運営されることが多いですが、営業やカスタマーサクセスなど他部門との連携も不可欠です。営業と情報を共有し、商談化や受注につながった要因を分析して戦略を練るなど、密にコミュニケーションを取り、より強固な仕組みを構築していきましょう。