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大企業の顧客管理における課題
大企業における顧客管理は、営業部門だけではなく、マーケティング、カスタマーサポート、開発、経営企画、グループ会社やパートナー企業など、全社を巻き込む取り組みが求められますが、事業規模が大きくなるほど、顧客情報を一元的に管理・活用することは容易ではありません。ここでは、大企業が直面しやい顧客管理に関する代表的な課題を整理します。
部門・拠点・グループごとに顧客管理がバラバラ
事業規模が拡大し、拠点や部門、さらにはグループ企業やパートナーまでを巻き込んで顧客対応を行う大企業では、「多くの部門が同じ顧客に関わっているはずなのに、情報がつながっていない」という矛盾が起きがちです。例えば、
- 営業部門はSFAツール、マーケティング部門はMAツール、サポート部門はFAQポートツールと、部門ごとに異なるシステムやルールで顧客情報を管理している。
- 同じ顧客企業に対して、本社営業と地方拠点営業、あるいはグループ会社がそれぞれ独自にアプローチしている。
- 営業は「提案中」、マーケティングは「イベント招待済み」、サポートは「クレーム対応中」など、社内でそれぞれがバラバラに顧客対応を進めている。
- ある担当者だけが知っている過去のやり取りや課題、提案履歴が他の部門には共有されていない。
このように、部門・拠点・グループ会社ごとに管理ルールやツール、運用文化が異なることで、顧客情報が「誰にも見えない」「誰にも共有されない」状態が生まれやすくなります。社内に「顧客情報はどこにあるのか」「誰が何をしているのか」を把握できる人がいないという状況に陥ってしまうのでしょう。
特に、拠点や部門が増え、関係者が多くなる大企業ほど、こうした「情報の分断・断絶」が深刻化しやすい傾向があります。
サイロ化・部門最適化が招く問題
部門ごとにバラバラに顧客対応を進める「サイロ化」や、自部門の目標達成だけを優先する「部門最適化」が進むと、顧客にとっても社内にとっても、さまざまな歪みが生まれてしまいます。特に大企業では、次の3つの問題が起こりやすくなります。
1. 顧客不信を招く
部門ごとに別々の提案や対応をしてしまい、顧客から「この会社は、顧客の状況を理解せずに動いている」と不信感を抱かれるようになります。
- 営業担当の提案と、マーケティングからの新製品情報が食い違っている
- サポート未解決の課題があるのに、営業から新たな提案が届く
2. 社内リソースの無駄遣い
同じ顧客に対して、部門ごとにバラバラにアプローチすることで、社内のリソースや工数が無駄に重複します。
- 同じ顧客に複数部門から別々にヒアリング
- 同じ課題への異なる提案
- 同じ商談情報を各部門のツールで重複管理
3. ビジネスチャンスの逸失
部門間で情報が共有されていないため、アップセルやクロスセルのタイミングを逃してしまいます。
- サポートが掴んだニーズや課題が営業に伝わっていない
- グループ会社で得た拡大のきっかけを本社営業が活かせていない
このように、顧客全体像を社内で共有・連携できていないことが、顧客不信、非効率、機会損失といった大きなリスクを生み出しているのです。
部分最適が進み全社最適につながらない
各部門が、営業目標や対応件数、施策成果など、それぞれの「部門KPI」を持つこと自体は、決して悪いことではありません。むしろ、部門ごとに役割や成果基準が明確であることは、組織運営に必要不可欠です。
しかしその一方で、「部門としての成果を優先しすぎるあまり、全社としての顧客価値提供が置き去りにされる」という矛盾も起きやすくなります。例えば、
- 営業部門は、自部門の売上達成だけを優先して個別に提案を進めている。
- マーケティング部門は、リード獲得数やイベント参加数など、施策の数字だけを追いかけている。
- サポート部門は、対応件数や対応スピードの効率化だけを目標にしている。
それぞれが自分たちの「数字」や「成果」ばかりに目を向けてしまうと、
- 顧客の全体課題や本質的なニーズに目が向かない。
- 他部門との連携や情報共有が後回しになる。
- 顧客視点で一貫性のある対応や提案ができなくなる。
といった、「全社最適」から遠ざかる状態に陥ってしまいます。本来であれば、部門ごとの成果が「全社としての顧客価値提供」につながることが理想ですが、各部門がそれぞれの目標や基準で最適化を進めるほど、全社としての整合性や一貫性が損なわれ、結果として顧客視点での価値提供が分断されるリスクが高まります。このような状況を打開するためには、部門ごとの目標達成を「全社最適」につなげる視点と仕組みが必要です。
顧客情報を全社の共通資産にする設計の考え方
大企業で顧客情報が分断されてしまう最大の原因は、顧客情報を「営業だけ」「マーケティングだけ」といった特定部門の業務データとして閉じてしまうことにあります。これを解消するためには、顧客情報を部門ごとの情報ではなく、「全社の共通資産」として設計・運用する視点が不可欠です。ここでは、そのための設計ポイントを整理します。
営業部門だけでなく全社視点で捉える「顧客単位での管理」
大企業では、商材やサービスごとに営業担当が異なったり、グループ会社や拠点ごとに異なる顧客対応をしていたりするため、
- 「A社に関わっているのは、どの部門で、誰なのか」
- 「A社とは、これまでどんな関係を築いてきたのか」
といった「1社単位の全体像」が見えなくなりがちです。
例えば、次のように部門や担当者ごとに情報が分断されている状態は、多くの企業で見られる典型的な課題の一つです。
- 営業Aの商談履歴
- 営業Bの過去対応メモ
- カスタマーサクセスのサポート履歴
- マーケティングのイベント参加記録
それぞれの担当者や部門単位では情報が蓄積されているものの、「A社全体として、どんな関係を築いているのか」が社内の誰にも見えず、顧客情報を全社で活用できない状態に陥ってしまいます。
これを解決するには、案件や担当者ごとではなく、「顧客1社単位」で情報を一元的に管理する設計が必要です。例えば、CRM/SFAツール上に「A社」という1つの顧客情報(取引先情報)を用意し、以下のような情報を1つの画面で確認・更新できる状態を目指します。
- A社の会社情報(業種・規模・拠点・子会社一覧)
- A社の担当者リスト(氏名・役職・連絡先)
- 自社側の関係部門・担当チーム体制
- 過去の商談履歴・対応履歴(営業・サポート・マーケ含む)
- 直近の課題・ニーズ・次のアクションメモ
このように情報を集約すると、「誰でも、迷わず、A社全体像を把握できる」状態が生まれ、部門ごとのバラバラな対応を防ぐことができます。
顧客情報の一元管理で重複・ばらつきをなくす仕組み
部門ごとに「株式会社A」「(株)A」「A社」「Aカンパニー」など、バラバラの表記・登録で管理されてしまうことは、大企業ではよくある問題です。これを放置すると、
- 顧客情報が部門ごとに重複登録され、どれが正しいかわからなくなる。
- 過去の取引履歴や担当者情報がバラバラに蓄積され、全体像が見えなくなる。
といった問題を引き起こします。これを防ぐために必要なのが、「顧客情報の一元管理」です。具体的には、以下のような管理ルールや運用の徹底が求められます。
- 顧客名や拠点情報を社内共通のルールで統一して登録・管理する
- 既存情報との重複チェックを必ず実施し、1社1レコードで管理する
- 子会社・部門・拠点も含めてグループ全体の関係性をひとまとめに管理する
例えば、CRM/SFAツール上で「A社(親会社)」として一元管理し、「A社 大阪支店」「A社 子会社B」といった拠点・子会社情報を紐付けて整理することで、A社グループ全体の関係性をひと目で把握できる仕組みを作ることができます。
これにより、部門や拠点ごとに異なる顧客情報が乱立する状況を防ぎ、全社で「誰が、どの拠点と、どのような関係を築いているのか」を正確に共有できる状態を実現できます。
部門横断で使える「顧客1社単位で全体像を把握する」
顧客情報を「1社単位」で管理するだけでは不十分です。「誰が、どこまで、どう使えるか」を設計し、部門横断で迷わず活用できる状態を作ることが重要です。
具体的には、
- 部門ごとに必要な情報項目・ビューを整理する
それぞれの部門が「自分たちの業務に必要な情報だけ」を迷わず確認できるようにするため、営業は商談状況、マーケティングはイベント参加履歴、サポートは問い合わせ履歴といった部門ごとの視点に合わせたビュー設計が必要です。 - 全社共通の「顧客基本情報」「担当者情報」「過去履歴」は誰でも参照できる設定にする
どの部門でも迷わず「顧客の全体像」を確認できるよう、共通して参照すべき情報(会社情報、担当者一覧、商談や対応履歴など)は全社で共有し、属人化や情報の隠蔽を防ぐことが重要です。 - 部門ごとに「自分たちが見るべき・更新すべき情報」が一目でわかるビューを設計する
- 見えるだけ」で終わらせず、部門ごとに「どこを更新・追記すればいいのか」が明確にわかる画面設計や操作ルールを整えることで、情報の鮮度を保つ運用につながります。
- 顧客情報更新や活用に関する権限・運用ルールを明確化する
誰が、どこまで、どのタイミングで、どんなルールで情報を更新・活用するのかを全社で統一ルールとして定めることで、使われない・更新されない情報になるリスクを防ぎます。
例えば、営業部門が商談履歴を更新し、サポート部門が問い合わせ対応履歴を追記し、マーケティングがイベント参加記録を追加する、といった形で「1つの顧客情報」を全社で運用するのが理想です。
部門間で顧客情報を共有し活用していく
部門ごとにバラバラに管理されていた顧客情報が一元化され、どの部門からでも「顧客が今どんな状況にあるのか」「誰が、どのように対応しているのか」を把握できるようになると、部門間の連携や顧客対応の質は大きく変わっていきます。
これまでは営業・マーケティング・サポート・開発といった各部門が、それぞれ独自に顧客対応を進めていたため、「部門ごとに見ている情報や認識が違う」「別々にアクションを起こしてしまう」といった連携不足やチャンスロスが起きやすい状態でした。
しかし、顧客情報を全社で共有し、誰もが同じ情報を見て、同じゴールに向かって行動できるようになると、次のような部門間連携による業務変化が実現できます。
営業・マーケティングの連携ができるようになる
営業とマーケティングは本来、顧客獲得から商談化・提案までを一貫してつなぐため連携が重要ですが、顧客情報が分断されていると、リードの引き継ぎや施策の振り返りがうまく機能しません。
顧客情報を一元化し、マーケティング施策の反応や過去参加イベントの履歴を営業がリアルタイムで確認できるようになると、 営業は「今、どの顧客がどんな情報に反応しているか」「何に興味を持っているか」を理解した上で、タイミングを逃さず、確度の高い顧客から優先的にアプローチできるようになります。
例えば、ウェビナー参加やホワイトペーパーのダウンロードといったホットリード情報を即座に営業へ共有し、営業はその履歴を見ながら「先日のセミナー、興味を持っていただけましたか?」と具体的な接点から会話を始めることで、顧客との距離を一気に縮めることが可能になります。
また、営業から得られた「お客様が最近この製品に関心を示していた」「こんな課題を話していた」といったフィードバックを、マーケティングが次の施策設計やコンテンツ改善に活かすことで、営業とマーケティングが双方向に連携し、成果を高め合う関係を築けるようになります。
営業・サポートの連携ができるようになる
営業が顧客に新しい提案をする際、サポート部門が過去にどんな問い合わせ対応をしていたか、現在どんな課題や不満を抱えているかを知らずに動いてしまうと、「サポートの状況を知らずに営業が売り込みに来た」と、顧客に不信感を与えてしまうリスクがあります。
一元化された顧客情報を活用すれば、営業は提案前にサポート履歴や対応状況を事前に把握し、「以前〇〇のトラブルがあったと伺っていますが、その後いかがでしょうか」と顧客の状況を踏まえた提案ができるようになります。
また、サポート側も営業から「最近、A社では新しい事業展開を計画しているらしい」といった情報を共有されることで、「今サポートしている製品やサービスが、その新事業にどう貢献できるか」を考えた上で、
- 「その場合は〇〇機能もおすすめです」「〇〇オプションを追加すると対応できます」といった追加提案やアドバイスを行ったり、
- 「そのご相談は営業にも共有しておきますね」と、次の商談機会を営業につなぐ
といった形で、単なる問題解決にとどまらず、次のビジネスチャンスを生み出す橋渡し役を担うことが可能になります。
開発・サポートの連携ができるようになる
サポート部門が日々受け取っている顧客からの機能要望や不具合報告は、本来、開発部門にとって製品改善やサービス向上の貴重なヒントになる情報です。
顧客情報が一元化され、サポート履歴がリアルタイムで開発部門にも共有されるようになると、「今、どの顧客から、どんな要望や改善要求が出ているのか」を正確に把握し、優先順位をつけて改善計画に反映することができます。
一方、開発からサポートへ「次のバージョンでどんな改善や新機能をリリース予定か」を事前に共有しておけば、サポートは「次のアップデートで解決します」と顧客に先回りして案内できるようになり、対応品質が大きく向上します。
営業・マーケティング・サポート・開発の連携も実現できる
大企業における大口顧客や重要アカウントへの対応では、特定の部門だけでなく、
全社横断で一丸となって顧客戦略を立て、実行していく体制が求められます。
例えば、A社という重要顧客に対して、マーケティング、営業、サポート、開発、それぞれが自部門の情報を持ち寄り、全社で戦略を共有・実行するイメージです。
では、具体的にどのように連携・活用できるのか、A社という重要顧客対応を例に考えてみましょう。各部門が次のような情報を共有し合うことで、全社一丸となった顧客対応が実現します。
- マーケティングは、過去の施策成果や顧客の関心領域を共有
「A社は〇〇製品に強い関心を示しており、過去のセミナーやホワイトペーパーにも積極的に反応している」といった顧客の興味・行動履歴を営業やサポートに展開し、顧客ニーズを全社で把握します。 - 営業は、商談状況や決裁者情報を全社に展開
「A社の意思決定プロセスでは〇〇部門の部長がキーパーソン」「現在、△△製品の拡張提案を検討中」といった商談進捗やキーパーソン情報を全社に共有し、マーケ・サポート・開発が同じ前提で支援できるようにします。 - サポートは、対応履歴や課題をフィードバック
「導入済み製品で□□という課題を抱えている」「現在、××の追加サポートを求められている」 などの現場の声や課題状況を全社に展開し、営業や開発がその情報を踏まえて提案・改善計画を立てることができます。 - 開発は、将来の製品ロードマップや技術支援プランを提示
「次期バージョンでは〇〇機能を強化予定」「A社専用の技術支援チームを編成可能」といった今後の技術的な支援方針を全社に共有し、顧客への将来提案や長期的な関係強化に貢献します。
このように、各部門が単に情報を出し合うだけでなく、「全社で顧客の状況を正しく理解し、同じ目標に向かって行動する」ことで、大口顧客や重要アカウントへ対しても、提案・支援・改善・関係構築まで、全社横断で効果的に推進できる体制が整います。
顧客情報活用を全社に定着させる仕掛け
顧客情報を全社で一元管理し、部門間で共有・活用する仕組みを作っても、「作っただけ」「使われない」「続かない」では意味がありません。顧客情報をうまく活用していくには、活用し続けられる仕組みを整えていくことが欠かせません。
ここでは、全社に運用を定着させ、活用を習慣化するための設計ポイントを整理します。
部門ごとの役割・権限・運用ルールを明確にする
まず大前提として、「誰が・どの情報を・どのように扱うのか」を明確にする必要があります。顧客情報を全社の共通資産として管理するとはいえ、全員が何でも勝手に更新・削除できる状態では、情報の信頼性や管理責任が曖昧になってしまいます。
そこで、部門ごと・担当者ごとに「見るべき情報」「更新すべき情報」「責任を持つ範囲」をルールとして定めます。例えば、次のようなイメージです。
- 営業部門:商談状況、担当者とのやり取り、提案内容の更新を担当
- マーケティング部門:イベント参加情報、反応履歴、施策成果の共有を担当
- サポート部門:問い合わせ履歴、対応状況、課題の記録を担当
- 開発部門:製品改善提案や技術支援方針の共有を担当
さらに、「いつまでに」「どのタイミングで」更新・共有するかのルールも合わせて決めておくことが重要です。例えば、月次会議前までに最新情報を必ず更新する、重要案件は翌営業日中に共有コメントを残す、といった具体的なルールが必要になります。
このように、役割やルールを明確にすることで、「誰が何をすればいいのかが分からない」という属人化や曖昧さを防ぎ、全社一貫した運用が可能になります。
社内連携の進捗・浸透度を見える化する仕組みを作る
「仕組みは作った、ルールも決めた。なのに、実際は一部しか使っていない」という形だけの仕組み化に終わらせないためには、「今どのくらい全社連携が進んでいるか」を可視化し、現状を把握できる仕組みが必要です。
具体的には、次のような状態を可視化できると理想的です。
- 顧客単位ごとに、何部門が関与し、情報を更新・活用しているか
- 実際にどれだけ情報が最新化されているか(更新率や滞留情報の可視化)
- 営業・マーケ・サポート・開発間で、どれだけコメントやフィードバックが交わされているか
さらに、CRMやダッシュボード上で、
- 「現在、A社には営業・サポート・開発が関与、マーケは未参画」
- 「直近30日以内に情報更新された項目:商談状況・問い合わせ履歴」
といった動きの見える化ができれば、今、どの部門が積極的に関わっているのか、どの部門が関与できていないのかを一目で把握できます。
これにより、「マーケティング部門が最近フォローできていない顧客がある」ことに気付き、「このアカウントに対して、今後どんな施策を打つべきか」、 「ウェビナーやコンテンツで、次の接点を作る必要があるのではないか」などの具体的なアクションを検討・実行するきっかけにもなるでしょう。また、
- 「最近、情報が全く更新されていないアカウント」
- 「営業だけが更新しており、サポートや開発の動きが見えないアカウント」
といった更新が止まっている・顧客のアカウントを見つけ出し、「次回の会議で改めて各部門の対応状況を確認しよう」「サポートから最近の問い合わせ状況をヒアリングしよう」といったチーム間の連携アクションにつなげることもできます。
このように、見える化は単なる状況把握にとどまらず、「連携できていない部分を具体的に発見し、改善アクションを促す仕掛け」として機能します。
情報更新・活用を習慣化する仕掛けを作る
運用を定着させるためには、「使わなきゃいけないから使う」ではなく、「使うのが当たり前」「使うと便利」と思える仕掛けづくりが欠かせません。そのために有効なのが、次のような工夫です。
まずは、ダッシュボードやレポートを活用し、最新の顧客情報を誰でも簡単に確認できる環境を整えることがポイントです。
例えば、「今月アクションすべきアカウント一覧」(商談が停滞している、イベント参加後に未フォローのリードなど)「直近更新されたホットリード一覧」(新しい問い合わせや反応があった見込み客など)といった情報をチーム全体に共有することで、「何をすべきか」「誰が対応すべきか」が迷わず分かる状態を作ることができます。
さらに、重要な情報をリアルタイムにキャッチできる仕掛けも有効です。例えば、「A社の決裁者が変わった」など顧客情報が更新されたタイミングや、「新たな問い合わせが届いた」などアクションが必要なタイミングで、担当者や関係者にアラートや通知を自動で届ける仕組みを整えることで、対応漏れやタイミング遅れを防ぐことができます。
また、実際に「この仕組みを使ったことで成果が出た」、「A社の全社連携によって大型案件を獲得できた」という成功体験を、社内で積極的に共有・展開していくことも、活用定着に向けた大きな後押しになります。
このように、日々の業務に自然と情報活用が組み込まれる仕掛けをつくることで、「気付いたら使っている」「使うのが当たり前になっている」という運用定着を目指すことが重要です。