HubSpot から Zoho CRM への移行作業はわずか数ステップのAPI方式
HubSpot からの移行は、他の CRM 製品とは異なる独自のAPI方式で、驚くほどシンプルです。通常、CRM のデータ移行では、まず移行元システムからCSVファイルとしてデータをエクスポートし、その後、ファイル内の項目を移行先の CRM の各項目に関連付ける作業が必要です。
しかし、HubSpot からの移行では、この関連付け作業をAPIが自動で行います。HubSpot のデータにアクセスするためのデジタル鍵である「アクセストークン」を発行するだけでHubSpot 側の移行準備が整います。
HubSpot からエクスポート
HubSpot から移行用のAPIへのアクセストークンを生成する
Zoho CRM でインポート
Zoho CRM にアクセスし、トークンを入力する
インポート結果を確認する
HubSpot から Zoho CRM への移行の詳細手順
ここでは、HubSpot から Zoho CRM へデータを移行する具体的な手順を解説します。順番に作業を進めるだけでスムーズに移行を完了できます。
HubSpot から移行用のAPIへのアクセストークンを生成する
アクセストークンとは、Zoho CRM などの外部システムが HubSpot 内のデータを取得するためのデジタル鍵で、「誰が」「どのデータに」「どこまでアクセスしてよいか」を明確にした許可証のようなものです。
HubSpot にログインし、[Settings](設定)→[Account Setup](アカウント設定)→[Private Apps](非公開アプリ)→[Create Private App](非公開アプリを作成)を選択します。

次に、基本情報の入力画面で名前を入力し、画面右上の[Create App](アプリを作成)をクリックします。

続いてアクセストークンを生成します。
[Scopes](スコープ)の画面で、一覧から以下の内容を選択し、選択後に[Create App](アプリを作成)をクリックします。
アクセストークンは「鍵」ですが、スコープはその鍵で「どの部屋に入れるか」「どこまでアクセスしてよいか」を決める権限設定です。ここでは、API連携時に必要なデータを読み取れるよう、読み取り許可を付与します。
- crm.objects.contacts.read (コンタクト)
- crm.objects.companies.read (会社)
- crm.objects.deals.read (取引)
- crm.objects.owners.read (担当者)

非公開アプリを作成後、非公開アプリの画面でアクセストークンをコピーしたらHubSpot 側での作業は完了です。

Zoho CRM にアクセスし、トークンを入力する
まず、管理者権限で Zoho CRM にログインします。
[設定]→[データ管理]→[インポート]の順に進み、移行元として「HubSpot」を選択します。

続いて、インスタンスのURLとアクセストークンを入力し、[移行する]をクリックします。移行が完了すると、ポップアップとメールで通知されます。

インポート結果を確認する
データ移行が完了すると、Zoho CRM からメールが届きます。
移行結果は、[設定]→[データ管理]→[インポート]→[インポート履歴]から確認できます。ここで、データが正しく取り込まれているか、エラーがないかをチェックします。
データのインポートや項目の関連付けの結果に問題がある場合は、インポートしたデータを削除してから、再度インポートを実行してください。移行の取り消しや再実行は、3回まで可能です。
HubSpot のオブジェクトを Zoho CRM へどう当てはめる?
Zoho CRM では「連絡先」「取引先」などの大きな分類を「タブ」、その中にある「電話番号」「メールアドレス」などの情報を「項目」と呼びます。ここでは、移行時に迷わないように、HubSpot と Zoho CRM の間におけるタブと項目の対応関係を一覧にまとめました。HubSpot から移行したいオブジェクトやプロパティを選定する際の参考にしてください。
| HubSpotのタブ | Zoho CRMのタブ | HubSpotの項目 | Zoho CRMの項目 |
|---|---|---|---|
| 会社 | 取引先 | 名前 | 取引先名 |
| 說明 | 說明 | ||
| 電話番号 | 電話番号 | ||
| 親会社 | 親取引先 | ||
| ウェブサイト | Webサイト | ||
| 業種 | 業界 | ||
| 従業員数 | 従業員 | ||
| 年間売上高 | 年間売上 | ||
| 番地 | 町名・番地(請求先) | ||
| 市区町村 | 市区町村(請求先) | ||
| 都道府県/地域 | 都道府県(請求先) | ||
| 国/地域 | 国(請求先) | ||
| 郵便番号 | 郵便番号(請求先) | ||
| 会社の担当者 | 取引先の担当者 | ||
| 作成日 | 作成日時 | ||
| コンタクト | 連絡先 | 姓 | 姓 |
| 名 | 名 | ||
| 敬称 | 敬称 | ||
| Eメール | メールアドレス | ||
| 電話番号 | 電話番号 | ||
| 携帯電話番号 | 携帯電話 | ||
| Fax | Fax | ||
| 番地 | 町名・番地 | ||
| 市区町村 | 市区町村 | ||
| 市区町村 | 市区町村(請求先) | ||
| 都道府県/地域 | 都道府県 | ||
| 国/地域 | 国 | ||
| 郵便番号 | 郵便番号 | ||
| 作成日 | 作成日時 | ||
| 最終更新日 | 更新日時 | ||
| 商談 | 取引名 | 商談名 | |
| 說明 | 說明 | ||
| 金額 | 総額 | ||
| クローズ日 | 完了予定日 | ||
| 取引タイプ | 種類 | ||
| 取引ステージ | ステージ | ||
| (関連付けられているコンタクト) | 連絡先名 | ||
| (関連付けられている会社) | 取引先名 | ||
| 取引担当者 | 商談の担当者 | ||
| 作成日 | 作成日時 | ||
| 最終更新日 | 更新日時 | ||
| 担当者 | ユーザー | 姓 | 姓 |
| 名 | 名 | ||
| Eメール | メールアドレス |
HubSpot からの移行で知っておくべきポイント
HubSpot から Zoho CRM へ移行する際は、API方式ならではの特有の注意点があります。特に、HubSpot のスコープ(権限付与)が正しく行われていない場合や、データ件数が多い場合にエラーが発生しやすい傾向があります。移行手順そのものはシンプルですが、事前に以下のポイントを把握しておくと、移行中のトラブルを防ぐことができます。
スコープが不足するとデータが取れない
HubSpot のAPIがデータを読み取るには、Private App(非公開アプリ)のスコープが必須です。以下の4つは必ず必要となります。
- crm.objects.contacts.read
- crm.objects.companies.read
- crm.objects.deals.read
- crm.objects.owners.read
これらが1つでも欠けていると、該当するデータは「0件」と判断されて移行されません。移行前にスコープを必ず再確認しましょう。
アクセストークンは1回作ればOK
HubSpot の非公開アプリのアクセストークンは、一度発行すれば基本的に使い回せます。API Keyのように毎回生成したり更新したりする必要はなく、Zoho CRM 側に貼り付ければそのまま移行に使用できます。ただし、以下の場合は無効化されることがありますので、その際は、トークンを再発行が必要です。
- アプリのスコープを変更した
- HubSpot でアプリ自体を削除した
- セキュリティ設定で強制更新が行われた
データ件数が多い場合、HubSpot APIのレート制限に注意
HubSpot APIにはレート制限(一定時間あたりのアクセス制限)があり、大量データの移行時には一時的に処理が止まることがあります。
よくあるケース:
- 取引が数万件ある
- 過去の問い合わせ・契約データを大量に保持している
- コンタクトと会社の関連データが非常に多い
Zoho CRM はこの停止を自動的に検知し、「続行するか」「処理を破棄するか」を選べる仕組みになっています。
ひとつの会社に紐付く複数の取引もそのまま移行される
HubSpot では、コンタクト、会社、取引、担当者が相互に関連付けられています。API移行では、これらの関連情報もまとめて Zoho CRM に移行されます。HubSpot の複雑な関連付け(複数のコンタクトや取引がひとつの会社に紐付くなど)もそのまま引き継がれます。
ただし、スコープが不足していると以下のような問題が発生します。
- 取引の読み取り権限が設定されていない → 取引そのものが移行されない
- コンタクトの読み取り権限が設定されていない → コンタクトと会社の紐付けが外れる
- 担当者の読み取り権限が設定されていない → 担当者情報が移行されない
移行を成功させるためのコツ ― 作業前のひと手間で精度が上がる
HubSpot から Zoho CRM への移行はAPIで自動的に進むため、一般的な CRM 移行ほど多くの事前準備は必要ありません。とはいえ、移行前にいくつかのポイントを軽く整えておくだけで、エラーの発生を抑え、より短時間で安定した移行が可能になります。ここでは、「これだけやっておくとスムーズ」という実務的なコツをまとめました。
HubSpot 内の不要なプロパティを整理しておく
HubSpot は自由度が高く、多くの組織で不要なカスタムプロパティが増える傾向があります。そういったプロパティを残したまま移行すると、データ量が無駄に増えたり、Zoho CRM 側で扱いづらくなる場合があります。必要な項目だけを残すことで移行後のデータがスッキリ整理されます。
項目名やデータ形式を確認する
APIによる移行では項目名やデータ形式の違いにより、正しく移行されないケースがあります。特に電話番号やメール形式、日付形式などは、HubSpot 側の整合性を整えておくとスムーズです。
コンタクト・会社・取引の関連付けを確認
APIは関連データを自動で読み取り、Zoho CRM の対応するタブに紐付けます。しかし、HubSpot 内で関連付けが崩れていると、移行後に「取引に会社が紐付いていない」などといったことが生じます。
確認ポイント:
- 取引に関連付けがない会社が大量に存在していないか
- コンタクトが複数の会社に不自然に紐付いていないか

事前準備は整っているに越したことはありませんが、Zoho CRM 側でもインポート時に柔軟な対応が可能ですので、準備が万全でなくても心配はいりません。ご心配な場合は、お気軽に無料移行相談までご相談ください。
無料移行相談→移行後に期待できるメリットは?― Zoho CRM で営業管理・コス
ト・柔軟性が大きく向上
HubSpot から Zoho CRM へ移行した後、多くのユーザーがまず感じるのは「CRMとしての自由度の高さ」と「運用コストの明瞭さ」です。Zoho CRM は営業管理を中心に設計された CRM であるため、自社の営業スタイルにフィットした運用や将来を見据えた拡張が可能になります。では、具体的なメリットを確認してみましょう。
営業プロセス管理がとにかく柔軟
Zoho CRM では、業界・商材・チーム体制に合わせて営業プロセスを細かく設計できます。ステージ設定、入力ルール、承認フローなどを標準機能で柔軟に調整できるため、自社の業務に沿った運用が可能です。
ポイント:
- 営業フェーズの追加・編集が自由
- 部署ごとに異なる画面レイアウトを設定できる
- 入力チェックや承認フローも標準機能で実装可能
- 営業プロセスの見える化・改善が進めやすい
組織の役割に応じたアクセス管理をシンプルに設計
Zoho CRM では、役割・プロファイル・データ共有ルールを組み合わせることで、管理者・マネージャー・メンバーといった役割や階層に応じたアクセス管理 を簡単に設定できます。タブや項目ごとの閲覧・編集権限も、組織構造に合わせて柔軟にコントロール可能です。
また、権限はユーザー個別ではなく 役割単位で管理するため、メンバーの異動や組織変更が発生しても、設定を最小限の手間で見直すことができます。さらに、「本来見る必要のない情報が表示されてしまう」「誤ってデータを編集・削除してしまう」といった混乱も防ぐことができ、安心して CRM を運用できる環境を整えられます。
MAツールでマーケ・営業も連携がよりスムーズに
Zoho CRM は、メール配信ツール Zoho Campaigns やマーケティングオートメーションツール Zoho Marketing Automation とスムーズに連携できます。フォーム入力からリードスコアリング、メール配信、商談化まで、ひとつの流れで管理できるため、マーケティングチームと営業チームに一体感が生まれ、両者の連携が強化されます。
料金体系が明瞭で、長期的に運用しやすい
Zoho CRM は、シンプルで分かりやすい料金体系が特徴です。必要な人数や機能に応じてプランを選べるため、長期的な運用コストの見通しが立てやすく、安定した投資として継続しやすい点が評価されています。
カスタムの自由度が高く、自社に合わせた CRM へと成長させられる
Zoho CRM は、項目、レイアウト、ワークフロー、業務プロセスの自動化などのカスタマイズがノーコードで行えます。組織の変化や事業の成長に合わせて、自社にフィットする形に進化させ続けられる CRM です。
HubSpot からの移行に関するよくある質問
どのスコープ(権限)を選べばいいですか。
まず、コンタクト・会社・取引・担当者の4つを「読み取り(read)」で付与しましょう。これらは、Zoho CRM へ移行するうえで核となるデータなので、いずれか1つでも不足していると、該当するデータが0件として扱われ、移行されません。
タグも移行できますか?
はい。タグも Zoho CRM に移行可能です。ただし、データに10件を超えるタグがある場合、最初の10件のタグのみが移行されます。タグの文字数の上限は25文字です。
プロパティは移行できますか?
はい。HubSpot の標準プロパティ・カスタムプロパティともに移行可能です。だだし、APIで移行できるのは、Zoho CRM の標準項目のみです。カスタムプロパティは別の方法で移行する必要がありますので、無料移行相談にご相談ください。
コンタクト・会社・取引・はセットで移行できますか?
はい。HubSpot 側で関連付けられているコンタクト、会社、取引などの情報は、これらの関係性も含めて Zoho CRM に渡されます。
データ件数が多い場合はどうなりますか?
大量データを移行する場合、HubSpot のAPIレート制限などの影響により、一定件数を超えると移行処理が一時停止することがあります。この場合、Zoho CRM 側で、移行を破棄するか、続けるかを選択できます
失敗した場合にやり直しはできますか?
Zoho CRM には「インポート履歴」が用意されており、そこから移行データを削除して再度やり直すことができます。移行の取り消しや再実行は、3回まで可能です。

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