求められているにも関わらず、機能しないナレッジ共有ツール

McKinsey Global Instituteの調査によると、知識労働者は週の労働時間の約20%、つまりほぼ1日分を社内情報の検索や必要な知識を持った同僚を探す時間に費やしています。つまり、多くの人件費が、生産性の低い活動に消失しているということです。
それにもかかわらず、あるコンサルティングファームの調査によると、ナレッジマネジメントに関するプロジェクトの50%から70%が、期待された成果を達成できていないことが明らかになっています。
ナレッジ共有ツールには現場としても経営戦略としても確かな需要があるものの、多くのツールが十分に機能していないのが現状です。

ナレッジ共有ツールの定着を阻む4つの要因

ツールの定着に失敗する原因は一つではなく、複数の要素が複雑に絡み合って生じます。
その要因は大きく4つのカテゴリーに分類できます。

1

【戦略】目的の明確化不足とROIの欠如

2

【文化】
従業員の利用促進

3

【運用】情報の陳腐化および検索性の低下

4

【体験】ワークフローとの断絶

① 【戦略】目的の明確化不足とROIの欠如

最も根本的な問題は、「ツールの導入」自体が目的化してしまう点にあります。
ある中堅企業A社は、最新の多機能ナレッジ共有ツールを導入しました。しかし、「情報共有を活性化する」という漠然とした目的を掲げ、全社に通知しただけで、具体的な利用シーンや解決すべき課題の明確化を行いませんでした。その結果、従業員は何をどのように投稿すればよいのか分からず、初期の新鮮さが失われるとともに利用者が激減。数ヶ月後には、誰もアクセスしない状態に陥ってしまいました。この失敗事例は、ツール導入にあたり「どの業務プロセスの、どの数値を、どの程度改善するのか」というKPI(重要業績評価指標)が設定されていなかったことに起因しています。例えば、「顧客からの技術的問い合わせ対応時間を平均30%短縮する」や「新人営業担当者の独り立ち期間を2ヶ月短縮する」といった具体的な目標がなければ、ツールは単なる道具に過ぎません。

②【文化】従業員の利用促進

人は明確なメリットがなければ、現状の行動を変えることはありません。自身のノウハウを共有することが、自分の評価や立場にどのように結びつくのか、そのインセンティブが設計されていなければ、多忙な業務の合間にわざわざ時間を割いて投稿する動機は生まれないのです。また、心理的安全性の欠如も大きな障壁となります。「こんな初歩的な質問をしてもよいのだろうか」「誤った情報を投稿してしまったらどうしよう」といった不安は、ナレッジの投稿や閲覧のハードルを高めてしまいます。誰もが安心して発信や質問ができる文化がなければ、ナレッジは円滑に共有されません。

③【運用】情報の陳腐化および検索性の低下

導入後の運用体制が不十分であると、ツールの価値が大きく損なわれてしまいます。
投稿されたナレッジは、放置すると必ず陳腐化し、その価値が低下してしまいます。誰が情報を更新し、重複を整理し、古くなった情報を削除するのか。この「ナレッジガーデナー(Knowledge Gardener)」の役割を担う人がいなければ、システムは瞬く間に情報のゴミ捨て場と化してしまいます。

さらに、検索性の課題も無視できません。適切なタグ付けやカテゴリー分類のルールが整備されていなければ、情報が蓄積されるほど目的のデータを見つけにくくなります。必要な情報を得るのに3回以上クリックを要したり、検索で該当が見つからなかったりすると、ユーザーは「直接あの人に聞いたほうが早い」と判断し、ツールの利用を避けるようになってしまいます。

④【体験】ワークフローとの断絶

導入されたツールが従業員の日常業務の流れと切り離されていると、定着させることは非常に難しくなります。
別のアプリケーションを立ち上げる手間を自然と排除することで、利用に伴う心理的・物理的なハードルを低減することが重要です。

ナレッジベース導入を成功させるには

1

【戦略】目的を明確にする

2

【文化】貢献を可視化し、評価する

3

【運用】専門の役割とルールを定める

4

【体験】自然とツールを利用できる環境を追求する

①【戦略】目的を明確にする

ツールを先行させるのではなく、まず事業課題を起点に考えます。最初に解決すべき業務課題を明確にし、その解決手段としてツールを位置づけたうえで、具体的なKPIを設定します。経営層がその重要性を十分に理解し、トップダウンで推進していくことが不可欠です。ユニリーバは、世界中のエンジニアがつながり、知識を共有できるモバイル対応のコミュニケーション環境を構築し、約2,000名のエンジニア同士の活発なやり取りを実現しました。
製造工場のエネルギー使用量削減という明確な目的が定められたコミュニティでは、全工場のエネルギー使用データへのアクセスを可能にし、省エネルギーのベストプラクティスを共有しています。参加者は各工場が製品1バッチの製造あたりに消費するエネルギー量を把握し、協力してエネルギー使用の削減に取り組んでいます。

②【文化】貢献を可視化し、評価する

ナレッジの共有や活用を人事評価の項目に組み込み、優れたナレッジ提供者を表彰するなど、貢献が正当に評価される仕組みを整備します。最も効果的なのは、経営層や管理職が率先して情報発信や質問を行うことで、心理的安全性の高い組織文化の醸成を図ることです。

サイバーエージェント創業期のエピソード

1998年に創業されたサイバーエージェントは急速に成長を遂げていましたが、社内組織は依然として小規模であり、情報共有の円滑化や社員のモチベーション維持が大きな課題となっていました。
創業者の藤田氏は、起業から約4か月後の1998年7月25日より、社内向けにブログ形式の日記投稿を開始しました。この取り組みは、日常の社内エピソードや企業のビジョンを共有することを目的とし、社内イントラネット上で公開されていました。藤田社長の「社員とのオープンなコミュニケーション」を重視する経営哲学に基づくものであり、同社ではこれを「社内広報の原点」と位置づけています。
同社は従業員数が約6,500人を超える現在においても、社内報や社内SNS、掲示板などの各種ツールを活用したコミュニケーションを継続しており、これが競争優位性の源泉である企業文化の醸成に寄与しています。また、当時の藤田氏のブログは現在も社内でアーカイブとして閲覧可能であり、新入社員が創業期の雰囲気を学ぶための貴重な教材となっています。

③【運用】専門の役割とルールを定める

各部門にナレッジマネジメントの責任者を配置します。コンテンツの鮮度を維持するための棚卸しプロセスや、質の高いナレッジを評価するためのガイドラインを策定し、継続的な改善サイクルを推進していきます。

④【体験】自然とツールを利用できる環境を追求する

従業員が最も長く利用するツール(チャットやグループウェアなど)にナレッジベースを統合することが重要です。API連携を活用し、業務の流れを妨げることなく必要な情報へスムーズにアクセスできる環境を設計することが、最終的な定着率に大きく影響します。ナレッジベースに加え、グループウェアやCRMなど日常業務で頻繁に使用されるツールが一つに統合され、同一アカウントで利用可能なZohoシリーズは、まさに理想的な製品と言えます。

検索性とバージョン管理に優れたZoho Connect

Zoho Connect は全世界6,000社、100万人以上のユーザーが利用するナレッジベースです。
最大の特徴として高く評価いただいているのが、直感的で操作性に優れた検索性やバージョン管理機能。ITリテラシーの低い方でもすぐに利用を開始していただけます。
情報システム部門や経営者が抱える「導入後、現場に浸透するか不安」といった課題に向き合った、定着率の高いグループウェアです。

優れた検索性

連携するすべてのサービスを1つの検索バーでかんたんに検索できます。
統合ワークスペース内で、ファイル、マニュアル、コミュニケーション、メモを迅速に検索できます。

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便利なバージョン管理機能

作成したマニュアルは自動的にバージョン管理されます。
マニュアルのコメント欄を活用してディスカッションすることも可能です。

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Zoho Connect を導入する際も、経営陣が積極的に投稿や対話に関わり、社員のフィードバックを積極的に取り入れる運用を心がけることで、活気あふれる職場環境を築くことができるでしょう。ナレッジベースはあくまで手段に過ぎません。運用の工夫で、情報共有によるイノベーションの未来を切り拓いていきましょう。
低コストで使いやすいZoho Connect が、御社のナレッジマネジメントの課題を解決に導きます。
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