大量生産時代においては、「クラフトマンシップ」(職人技)は希少です。なぜでしょうか?職人技には時間がかかり、忍耐も必要です。クラフトマンシップには、製品と個人の深いつながりと、製品が満たすニーズへの深い理解が必要とされます。

一見したところでは、ソフトウェアを「クラフト」(工芸品)のように語るのは、奇妙に思えるかもしれません。しかしながら、「クラフトマンシップ」こそZohoの考え方なのです。実際に、ソフトウェアは究極の職人技であり、手作業に精神力が伴ってこそ素晴らしいものが創造されます。

当社のすべての仕事は、「クラフトマンシップ」(職人技)の信念をもって進められています。

工芸品の科学

職人の技術は一晩で習得できるものではありません。試験のための猛勉強からでは学べないのです。これらの技術の真価を問う、現場での実践が必要です。見習いが自分の道を築けるようになるまで、師匠のもとで何年間もの訓練を要します。Zohoは、ソフトウェアも全く同様だと考えています。

そのため、Zoho University(Zoho社内大学;ZU)では、高校生を募集してコーディングとデザインの技術訓練を行う社内プログラムとして、独自の見習いシステムを構築しました。 参加者は、コツを学ぶのに1年近く費やし、その後技術を身につけるまで、ジュニアエンジニアとして働くチームに配置されます。この見習いモデルにより一貫性と深い知識が身につきます。知識の習得には、数時間や数日間ではなく、数ヶ月および数年間の実践が必要なのです。

Zohoは非上場企業であるため(株式公開の計画はありません)、次の四半期の利益のために、生産性の最適化を余儀なくされることはありません。優れた製品の開発と提供には時間がかかります。忍耐を要することであり、今日のベンチャーキャピタルで支えられたテクノロジー分野のやり方からは外れたことではあります。

喜んでもらえる製品を作る

優れたデザインは、決められた動作から外れて「戻る」ボタンに奔走させるのではなく、ユーザーの居場所に合うように進化しています。優れたデザインはユーザー体験をひっくり返すのではなく、革新します。

良いデザインであるための良いデザインは存在しません。ユーザーとそのニーズに対する深い共感から生まれるものです。使い勝手を最優先にしながら、美学を考慮に入れています。

真のニーズを満たす製品設計は、思いつきではなし得ません。入念な計画と設計のプロセスから生まれます。何年もの実践と洗練によってもたらされます。ほとんどの企業にはそのような辛抱強さがありません。1つの製品ではもちろんのこと、ましてや40種類の製品などなおさらです。しかし、Zohoは違います。

DBアプリケーション構築サービス「Zoho Creator」は、Zohoが重視する「クラフトマンシップ」(職人技)と、ユーザー行動に対する共感から生み出された製品の一例です。何年にもわたるユーザー観察から、ユーザーがうまく使えた場所、ヘルプを必要とした場所、アプリ構築に失敗した場所などを把握することで、非エンジニアが使用するのに十分簡単なドラッグアンドドロップ操作のサービス画面を設計しました。それと並行して、製品の基盤となる独自のプログラミング言語「Deluge(デリュージ)」を開発しました。非常に複雑なアプリケーションも構築できるほど洗練された言語です。Zohoは時間をかけて細部まで注意を払い、責任を持って、はじめての人からベテランまであらゆるユーザーに等しく喜んでもらえる製品を設計しました。

けっして偶然の産物ではありません。

正しい道を進む

品質への近道はありません。どこまでいっても十分な品質とはいえません。自分の仕事や作る製品に対して情熱を持っているときでさえ、十分ではないのです。

偉大なソフトウェアとは単に工学技術の偉業にとどまりません。それは芸術作品です。素晴らしいソフトウェアは、職人の熟練した技術に融合された、芸術家の先見性を要します。技術と芸術が結び付くことで、美しいだけでなく、それに触れる人々の生活を向上させる芸術作品を作り出します。

ローマは一日にして成らず。Zohoも然りです。包括的なZohoサービス群を完成させるのに10年以上かかりました。Zohoは必要な物事には進んで時間をかけます。正しく行わなくてはやる価値がないでしょう。

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