データ補完

データ補完

顧客データの品質を保持することは、非常に重要です。データが不完全だと、営業担当者は見込み客や顧客の情報を正確に把握できなくなってしまいます。

AI(人工知能)搭載の営業アシスタント「Zia」(ジア)の機能を利用すると、Zoho CRM内に登録されているデータを補完し、正確性や網羅性を向上させることができます。具体的には、Web上の公開情報が自動で検索され、Zoho CRM内のデータに補完されます(データエンリッチメント)。名前やメールアドレスをもとに、電話番号、住所、WebサイトのURL、従業員数などの情報が自動で補完されます。これにより、営業担当者が顧客と適切にコミュニケーションをとりやすくなります。

利用条件
必要な権限
管理者権限標準権限を持つユーザーが、この機能を利用できます。
Zoho CRMの管理者、または、データ補完の実行とデータ補完の管理に関する権限を持つユーザーは、データ補完の[履歴]タブと[実行状況]タブを利用できます。

データ補完の基準となる項目

データの補完は、タブごとに異なる特定の項目にもとづいて実行されます。たとえば、見込み客データの作成時に会社名を入力すると、会社名に基づいて見込み客の詳細情報がWeb上で検索され、取得した情報が補完されます。各タブでデータ補完の基準となる項目は以下のとおりです。
タブ
データ補完の基準項目
見込み客
会社、Webサイト、メール
取引先
取引先名、Webサイト
連絡先
取引先名、メール

基準項目の値が入力されると、その情報に基づいて、ZiaによってWebページの公開情報が検索されます。該当の見込み客に関する追加情報(例:電話番号、住所、従業員数など)が取得され、データに補完されます。なお、Zoho CRMでは、Ziaによって補完する情報を[補完対象の情報]と呼びます。

データ補完の有効化

はじめて利用する際には、以下の手順でデータ補完機能を有効にする必要があります。
[設定][Zia]→ [データ補完]に移動して、[利用を開始する]をクリックします。

すでに有効化している場合は、[データ補完]タブに、対象のタブの一覧が表示されます。


補完対象の情報とZoho CRMの項目の関連付け

Web上から取得された補完対象の情報の名前が、Zoho CRMアカウントで保存されている情報の名前(項目名)と異なる場合があります。たとえば、Webサイトに[社員数]と記載されていた情報がZoho CRMの[従業員数]の項目に対応したり、[連絡先番号]と記載されていた情報がZoho CRMの[電話番号]の項目に対応したりする場合があります。このような関連付けは、主な項目についてあらかじめ設定されており、この関連付け設定に基づいて情報が補完されます。項目の関連付けは、必要に応じて変更することが可能です。

データ補完の設定の変更

データ補完の設定は、必要に応じていつでも変更できます。
  • 有効化/無効化:タブごとにデータ補完を有効/無効に設定できます。たとえば、[取引先]タブではデータ補完は無効にする一方、[見込み客]タブと[連絡先]タブではデータ補完機能を有効にすることができます。
  • 項目の関連付け:補完対象の情報は、対応するZoho CRMの項目に自動的に関連付けられます。ただし、必要に応じて、組織で独自に作成した項目(カスタム項目)を、補完対象の情報に関連付けるよう設定を変更することもできます。 
自動的に関連付けられる項目は、以下のとおりです。
    • ソーシャルメディアアカウント(Twitter、Facebook、Linkedin)
    • Webサイト
    • Skype ID
    • 住所(都道府県、市区町村、町名・番地、郵便番号、国)
    • 職位
    • 会社名
    • 電話番号、携帯電話、fax
    • メール、サブのメールアドレス
    • 業種

データ補完の設定を変更するには

  1. [設定][Zia][データ補完]の順に移動します。
  2. [Ziaによるデータ補完]ページで、各タブの権限と機能の有効化ステータスが一覧で表示されます。

  3. 各タブのデータ補完機能の設定ステータスを有効/無効にします。
    項目の関連付けを変更するには、対象のタブ名をクリックします。
  4. データ補完の設定ページで、補完対象の情報ごとに、ドロップダウンから対象のZoho CRM項目を選択して関連付けを設定します。
    項目を対象外にする場合は、[この項目を関連付けない]を選択します。その場合、該当の項目の値は、Ziaによって更新されなくなります。
  5. [保存する]をクリックします。

データの補完

データの補完は、次のタイミングで実行可能です。

  • データの作成時
  • データの編集時
データの作成時にデータを補完するには
  1. [見込み客]/[取引先]/[連絡先]タブに移動し、対象のデータを作成します。
  2. データの作成画面で、 [補完できる情報があります]リンクをクリックします。なお、このリンクが表示されるのは、メール、Webサイト、会社(取引先名)などの基準項目を入力した後にのみです。
  3. データ補完の設定ページで、対象の項目のチェックボックスをクリックします。これにより、Ziaによって補完された情報が該当の項目に自動で挿入されます。
    なお、補完前の項目の値が空であり、Ziaによって補完できる情報がある場合に、項目のチェックボックスは自動的に有効になります。ただし、Ziaによって補完できる情報があるが、補完前の項目の値が空ではない場合、項目のチェックボックスは自動では有効にはなりません。この場合、チェックボックスを無効にしたまま既存の値を保持するか、手動で有効にして既存の値を上書きするかを選択できます。
  4. [(タブ名)を更新する]をクリックします。
    該当の項目に、補完された情報が入力されます。

データの編集時にデータを補完するには

  1. データの詳細ページで[…](その他の操作)アイコンをクリックし、メニューから[補完する]を選択します。[補完する]機能の上にカーソルを合わせると、該当のデータの最終補完日時が表示されます。
  2. データ補完の設定ページで、対象の項目のチェックボックスをクリックします。これにより、Ziaによって補完された情報が該当の項目に自動で挿入されます。

    なお、補完前の項目の値が空であり、Ziaによって補完できる情報がある場合に、項目のチェックボックスは自動的に有効になります。ただし、Ziaによって補完できる情報があるが、補完前の項目の値が空ではない場合、項目のチェックボックスは自動では有効にはなりません。チェックボックスを無効にしたまま既存の値を保持するか、手動で有効にして既存の値を上書きするかを選択できます。
  3. [(タブ名)を更新する]をクリックします。
    該当の項目に、補完された情報が入力されます。
メモ:
  • データの補完機能は、データの作成時と保存後に利用可能です。データの作成時に補完機能を利用しなかった場合は、データの保存後に利用できます。

データ補完の履歴と実行状況の確認 

データ補完の機能を有効にすると、 データ補完の処理の履歴と実行状況を確認できるようになります。

データ補完の履歴の確認

他のさまざまな機能と同様に、データ補完についても処理の履歴を確認することが可能です。履歴の画面では、次の情報が時系列で表示されます。
  1. ユーザー名
  2. データ名
  3. データ補完の実行日時
  4. データ補完を通じて更新した項目
これらの情報により、以下の点を把握できます。
  1. 機能がどのくらい活用されているか
  2. 機能によってどのような項目が更新されているか
  3. 機能がどのようなタイミングで実行されているか
さらに、フィルターを使用し、タブ/ユーザー/期間に基づく条件を設定して、履歴を抽出することも可能です。
メモ:
  1. 履歴はエクスポートできません。
  2. データ補完の処理の実行後に、レイアウトで使用されていないセクションに項目を移動しても、該当の項目に関する履歴はそのまま表示されます。ただし、項目を非表示に設定した場合や削除した場合、関連するデータ補完の履歴は削除されます。 
データ補完の履歴を確認するには
  1. [設定]→[Zia]→[データ補完]→[履歴]タブをクリックします。
  2. [履歴]タブでは、フィルターを使用して表示する履歴を抽出できます。

データ補完の実行状況の確認

データ補完の[実行状況]タブには、組織で実行されたデータ補完の処理の回数や、実行されたタブなどの情報が表示されます。なお、プランごとの上限については、こちらをご参照ください。

実行状況に関するレポートでは、以下の内容を確認できます。
  1. 1か月あたりの実行上限と実際の実行回数
  2. タブごとの実行回数とその比率を表す円グラフ
  3. 実行回数の時系列の推移
  4. 月別/タブ別での実行上限と実行回数の表
データ補完の実行状況を表示するには
  1. [設定]→[Zia]→[データ補完]→[実行状況]タブに移動します。

データ補完の無効化

データ補完機能は、いつでも無効にできます。無効にすると、Ziaによるデータの補完が停止します。データ補完機能を無効にするまでに、Ziaによって補完されたデータは、そのまま保持されます。
データ補完機能を無効にするには
  1. [設定][Zia][データ補完]の順に移動します。
  2. [Ziaによるデータ補完]ページで、[無効にする]リンクをクリックします。
メモ:
  • 現在、Ziaによるデータ補完機能は、アメリカ(米国)、ヨーロッパ、オーストラリア、インドのみで利用できます。 
  • Ziaによるデータ補完機能の実行においては、データに関するプライバシーが尊重されます。
  • ユーザーの入力内容は保存されず、データの詳細情報を検索するためのキーワードとしてのみ使用されます。
  • Ziaによる情報の検索においては、Bing Web検索APIが使用されています(Webサイトのドメインの特定などに使用されています)。
  • データ補完のための詳細情報を検索する際、Ziaによって検索されるのは公開されているWebサイトのみです。また、Webサイトが公開されている場合でも、「robots.txt」に記載されているすべての条件がZiaによって遵守されます。
  • Ziaによる検索対象は、英語のWebサイトのみです。
  • Ziaによって収集される情報の種類は、次のとおりです。
    • 会社/組織の場合:正式名、メールアドレス、電話番号、住所、Webサイト、ソーシャルメディアアカウントのリンク、売上高、使用されているツールやシステム
    • 個人の場合:氏名、勤務先名、メールアドレス、電話番号、住所、役職、ソーシャルメディアアカウント、ブログのリンク

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