「みんチャレ」利用者・協力団体のスプレッドシート管理から脱却
統合パッケージにアップグレードし、商談管理や目標の進捗確認もカバー

企業や健康保険組合向けに、習慣化アプリと禁煙補助薬を用いた禁煙支援プログラム「みんチャレ禁煙」のサービスなどを提供するエーテンラボ株式会社(以下、エーテンラボ)では、2023年2月にZoho CRM を導入。スプレッドシートで行っていた営業の商談管理や「みんチャレ禁煙」の利用者管理をZoho CRM に移行し、手作業の管理から脱却した。その後、さまざまな業務をカバーできる統合パッケージZoho CRM Plus へアップグレード。Zoho Desk では「みんチャレ禁煙」利用者に向けたヘルプページを作成し 、レポート分析・BIツールのZoho Analytics ではプログラムの申し込み状況や目標に対する進捗管理をレポートで確認。Zoho CRM Plus を活用して商談管理の最適化や、「みんチャレ禁煙」利用者へのきめ細やかな対応を実現している。

a10labtakuyakusaka

Zoho CRM Plus の導入により、「みんチャレ禁煙」の利用者は2〜3倍に増加し、売上も延びました。Zoho CRM Plus がないとできないことが多く、売上アップに貢献している点で効果を実感しています。

エーテンラボ株式会社
事業開発 / 健康経営エキスパートアドバイザー 日下拓也氏

a10labdaichiharada

Zoho CRM Plus によって「リアルタイムの介入」「パーソナライズ」による禁煙成功の体験に寄り添う体制が実現できました。今後は、マルチチャネルで、最適なタイミングで利用者へのフォローを行っていきたいです。

エーテンラボ株式会社
カスタマーサクセス 原田大地氏

―エーテンラボの事業概要を教えてください。

日下氏:当社は、ソニーの社内ベンチャー制度から設立された企業で、「みんなが行動変容できる世界をつくる」ことをビジョンに掲げています。主力ビジネスは、習慣化アプリ「みんチャレ」で、勉強やダイエット、運動など同じ目標を持った匿名の5人でチームを組み、励まし合うことで楽しく習慣化に取り組むことができる「三日坊主防止アプリ」として、140万人以上の利用者(2024年2月現在)にご利用いただいています。

この一般ユーザー向けアプリを用いて、現在は企業や健保組合・自治体向けに禁煙支援プログラム「みんチャレ禁煙」といった医療・ヘルスケアの課題解決に関するサービスを展開しています。

a10labimage1

営業の商談管理、「みんチャレ禁煙」利用者管理の強化にZoho CRM を導入
スモールスタートで実績を積み重ね、Zoho CRM Plus にアップグレード

―Zoho CRM の導入に至る経緯を教えてください。

日下氏:「みんチャレ禁煙」において、サービス立ち上げ直後は営業の商談管理や利用者管理をスプレッドシートで管理していました。しかし、この1、2年で社員も増え、「みんチャレ禁煙」の利用者も数百人規模で増加してきました。これをスプレッドシートで管理するのは限界があるため、CRMを使って管理する仕組みを整備する機運が高まりました。

クラウドのCRMサービスとしては、Zoho CRM のほかにもHubSpot などいくつかのサービスを検討しました。比較の結果、コストパフォーマンスの高さや、私が前職でZoho を利用していた経験があり、新たなツールの習熟コストが不要である点、また、拡張性の高さからZoho CRM の導入を決定しました。

―Zoho サービス 導入の決め手となったポイントがあればお聞かせください。

日下氏:Zoho はCRMのツールだけでなく、ヘルプデスクツールのZoho Desk 、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールのZoho Analytics などさまざまなサービスがあり、今後「こうしたい」というビジネス要件や用途に応じて、ユースケースを拡大していくことができる点に魅力を感じました。

―Zoho CRM 導入後にZoho CRM Plus へ移行した理由をお聞かせください。

日下氏:2023年2月にZoho CRM を導入し、社内でもある程度使えるめどが立ってきました。今後、さらに社内でZoho の利用者が増加していくことを考えたとき、必要なサービスを単体で追加していくよりも、統合パッケージのZoho CRM Plus の方がコストパフォーマンスが高いと判断し、移行することとしました。Zoho CRM 導入の約半年後のことです。

原田氏:Zoho CRM 導入後に、CRMオンボーディングサービス (導入、運用サポート)を利用しました。これはZoho CRM 導入後、45日以内であればオンラインサポートを無料で利用できるものです。そこで、「みんチャレ禁煙」利用者へのフォローのアクションをワークフローで自動化する操作方法を何度かサポートしてもらいました。

画面を見ながら「いつ」「誰に」「何を設定するか」についてのレクチャーを受け、また、こちらのしたいことに対して、「こういう解決策や機能がある」とプッシュ型で教えてもらうことで疑問点の解消に役に立ちました。

その後、半年後に現況についてフォローアップをいただいたタイミングでZoho CRM Plus のことを知り、ちょうど社内でも利用を拡大していこうというタイミングに合致したため、アップグレードに至りました。

Zoho CRM を軸に、Zoho Desk やZoho Analytics を活用
「みんチャレ禁煙」の品質向上と、営業のアプローチの最適化で効果を実感

―現在、Zoho CRM Plus をどのように活用されていますか。

日下氏:Zoho CRM については、「営業の商談管理」と、「みんチャレ禁煙プログラムの利用者管理」の2つのユースケースが挙げられます。商談管理については、従来はスプレッドシートでテレアポの履歴を残していました。これをZoho CRM に移行し、ホームページからの問い合わせデータも格納、統合管理されたことで、営業担当者はZoho CRM の情報を見ながら、見込客の商談状況を確認することができています。また企業むけに定期的に開催している勉強会やセミナーの参加状況、アンケートの回答内容をZoho CRM に残せるようにしています。蓄積された情報から利用者の課題を把握し、その後のフォローメールの配信に役立てています。

「みんチャレ禁煙」の利用者管理については、利用者にZoho Forms から申し込んでいただき、Zoho CRM にデータを作成することから始まります。プログラム中のアンケートやアプリ内の行動データをデータと紐付け、適切な介入をすることに役立てています。

原田氏:他にも、利用者からお問い合わせがあった時に情報を参照したり、喫煙年数やタバコの種類といったデータを参照しながら適切なフォローを行っています。禁煙補助薬を提供する際には、購入のリマインドメールを自動送信するワークフローを組んでいます。同時にSMSともAPIで連携し、メールと並行して、補助薬のフォローメッセージを送る活用もしています。

a10labimage2

Zoho CRM:エーテンラボ社で設定しているリマインドメールのワークフロー画面

a10labimage3

Zoho サービスとSMSをAPIで連携し、メッセージを送信

日下氏:みんチャレというアプリは行動変容を起こすためのツールの一つです。我々はテクノロジーの力と、人の温かい介入を組み合わせて行動変容に伴走していきたいと考えています。Zoho CRM に蓄積されたデータによって、行動変容につながりやすい人の特徴もわかってきました。行動変容の確度の高い人には人の介入を集中するというように、自動化できるところはツールで自動化し、人手のフォローが必要な領域に注力することができるようになってきました。

原田氏:Zoho Desk については、プログラム利用者に向けたヘルプページを、ナレッジベース機能を使って作成しています。たとえば「今日は飲み会でタバコを吸ってしまいそうだが、どうしたらよいか?」という相談に対し、医師監修の記事をリンクし、利用者に不明点を解決するヒントを提示する使い方をしています。

a10labimage4
a10labimage5

Zoho Desk: 「みんチャレ禁煙」参加者に向けたナレッジベースを作成

また、Zoho Analytics については、プログラム募集期間中の申し込み状況をダッシュボードで確認し、目標に対する進捗を顧客企業と確認しています。

3ヵ月のプログラム期間中は、利用者の禁煙の状況が可視化されます。私たちは身体的な離脱症状が改善する一つの目安として、まず4週間の禁煙を目標としています。プログラム期間中は利用者にアンケートで定期報告をしてもらい、継続している利用者の割合や、挫折した割合を観測し、回答データをZoho Analytics で活用しています。また、利用者に送られる計7回のアンケートフォームは、Zoho Forms を用いて作成しています。

―Zoho CRM Plus の導入効果を教えてください。

日下氏:Zoho CRM Plus の導入により「みんチャレ禁煙」の利用者が増加し、売上が伸びました。参加企業数ベースで2〜3倍に増加、それと比例してプログラムの利用者も増えています。背景には、「みんチャレ禁煙」の品質向上と、営業のアプローチの両面でプログラムの成果が上がってきたことが挙げられます。

今ではZoho がないとできないことが多いので、単純に導入前と比較することはできませんが、少ない人数で効率的にプログラムを運用し、売上アップに貢献している点で、大きな効果を実感しています。

Zoho Analytics のダッシュボード機能では、営業のモチベーションアップの1つとして、現在の商談数をリアルタイムで閲覧できるようにしています。設定したKPIに基づき、毎月、進捗状況が追跡されゲージが上がっていくので、やる気が高まる効果がありました。

また、Zoho CRM では、商談が特定のステージに達するとグループにメールで通知するよう設定しています。「みんチャレ」のキャラクター画像付きのメールで「顧客の検討ステージが上がった」という通知が営業チームのメンバーに共有され、これも喜びにつながっています。

a10labimage6

商談が特定のステージになった際に、営業チームに送られるメール例

顧客データを組み合わせ、パーソナライズされた“成功への介入“によって禁煙成功の体験に寄り添いたい

―最後に、Zoho CRM Plus の活用について今後の展望をお聞かせください。

日下氏:今後は、「みんチャレ禁煙」の利用者数増加に対応した、より効率的な管理に取り組んでいきたいです。たとえば、オンライン商談ツールなど、複数のツールとの連携を試していくことを考えています。

また、利用者へのコミュニケーションチャネルとしては、Zoho CRM を軸に、今後はLINEなどのチャットツールなど、利用者が利用しやすいチャネルを使い分け、効果的なコミュニケーションのあり方を模索していきたいです。Zoho サービスには、我々も気づかなかったユースケースなど、積極的な情報共有や提案を今後もお願いしたいです。

原田氏:「みんチャレ禁煙」では、Zoho CRM を使った介入の自動化に取り組んでいますが、今後はより利用者の個別の状況に応じた支援を行っていきたいです。Zoho CRM Plus を駆使して、データを組み合わせて、パーソナライズされた“成功への介入“によって、禁煙成功の体験に寄り添っていきたいです。

利用者のユーザー体験には3つのポイント、「リアルタイム」「パーソナライズ」「マルチチャネル」があると思っています。このうち、リアルタイムとパーソナライズはZoho CRM によって実現できました。今後は、メールを含めたマルチチャネルで、最適なタイミングでプログラム利用者に対するフォローを行っていくことで、さらに行動変容を促していけると考えています。Zoho CRM Plus には、そのための継続的な機能改善、強化をお願いしたいです。

a10labcompany

エーテンラボ株式会社

  • 所在地:東京都中央区日本橋小舟町8番13号
  • 業種:コンピューター・ソフトウェア
  • ビジネス:B2C、B2B(B2B2C、B2B2E)
  • 事業内容:習慣化アプリ「みんチャレ」を中心とした企業・健康保険組合向けサービス「みんチャレ禁煙」などの提供
  • 設立:2016年12月
  • URL :https://a10lab.com